(1)第3条の補足(天皇の無答責)

 こんばんはo(`・ω・´)o

 今日は「第4条 国体の下の天皇」ですが、第3条について、少し補足をしておきたいと思います。

 第3条は天皇の神聖性ですが、この「神聖」という言葉の定義について、この前お話しました。すなわち、「神聖」とは政務の合議制と、統治すれども親裁せず、の二つの法を指すものである、と。

 実は、更にここには、もう一つの法が含まれているのです。天皇は国体の中心であることから、その存在は国家の根幹に関わるものです。また、政務は合議によって行われ、親裁しないということから、天皇は政務について責任を負わない(天皇の無答責)のです。

 内閣・議会・裁判所など国家機関が様々な行為を行い、それらは天皇の名においてなされるのであっても、天皇は政治について一切責任を負うことはない、ということなのです。

 例えば、ある政策が不当であったからといって、天皇がそれについて責任を問われることはありません。立法や判決について、それが不当であっても責任を問われることはないということです。

 以上、第3条は簡潔な条文ですが、非常に大切な法を三つも成文化している、非常に重要な条文であるということですね。


 


 (2)第4条 国体の下の天皇

 第4条 天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ


 まず、前段の「国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ」については、天皇は我が国の元首であり、統治権を総攬(一手に引き受けること)する、という意味であり、特に問題はないでしょう。元首であることや、統治権を総攬することについては第1条からも読み取れることであり、これだけでは第4条の存在意義はほとんどありません。

 第4条の存在意義はむしろ後段の、「此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ」にあります

 まず、ここで、天皇の統治権が、「此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ」とされていることに留意して下さい。すなわち、天皇は統治権を憲法に従って行使しなければならない、とはっきりと書かれているのです。

 統治権というものは、天皇の好き勝手に行使してよいのではなく、あくまでも憲法の規定に従って行使しなければならない。このことからも、「天皇主権」などというものが憲法の条文に明白に違反していることは明らかでしょう。法律学というものは、条文に明白に反する解釈などできないのですが、「天皇主権」説は明らかに第4条に反する解釈であり、到底認められないことがここからも分かります。

 さて、ここで思い出してみましょう。憲法とはそもそも何でしょうか?基本中の基本です。

 憲法とは国体に関わる道徳や慣習、伝統などの不文の規範(法)のことです。従って、憲法の本来の姿は道徳や慣習などであって、成文化されたものではありません。

 ただ、国家の重大な節目などにおいて、それらの重要な規範を再確認する必要が生まれます。そこで、それらの一部を成文化し、条文にしておくわけです。

 このように成文化されたものが憲法典と呼ばれ、成文憲法となるわけですが、憲法の本体はあくまでも国体に関わる不文の規範です。従って、憲法十七条や五箇条の御誓文、大日本帝国憲法や皇室典範などは憲法ですが、このような書かれたものだけが憲法ではありません。言ってみればこれらは憲法本体の影のようなものであって、しかも成文化されているのはほんの一部に過ぎないのです。

 憲法といえば、どうしても「~憲法」というタイトルの、第何条、・・・というものを思い浮かべてしまいますが、保守思想においては憲法とはこのような不文の法です。しっかりと理解しておいて下さい。

 ということは、この第4条にいう「この憲法の条規」という文言も、「この憲法」とは大日本帝国憲法という成文法のみを指すのではなく、国体に関わる不文の規範を指すと解釈すべきです。

 すなわち、成文法である大日本帝国憲法の背後には国体に関する不文の法があります。従って、各条文を解釈するには、必ずこれらの不文の法を斟酌しなければ正しい解釈にはなりません。つまり、「この憲法」とは大日本帝国憲法も含めた、国体に関わる不文の法全てであるのです。

 これをもって、この第4条こそは入門の入門でお話しした国体に関する不文の法、「天皇といえども国体の下にある」を成文化したものであることが分かります。

 すなわち、天皇は統治権を総攬するものであるが、それはあくまでも国体に関わる規範に反しないように行使しなければならないという立憲主義(法の支配)の原理を宣言するとともに、「天皇主権」のような「主権論」を明確に否定したものこそが、第4条です。

 このように、一見すると第1条と重複するようであったり、あるいは当たり前のことだけを述べているような条文なのですが、解釈してみると非常に重要なことを述べているのが分かります。






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