変化する医療の基準(肝炎)
コロナウイルスの5類移行に関連した話題として以前ご紹介いたしました、関節リウマチの診断基準の変更。
お陰様でこの1月もっとも読まれた記事になりました。
今回は、肝炎に関するお話。
1970~80年頃、血液製剤由来の肝炎ウイルスによって引き起こされるウイルス性肝炎が猛威をふるっておりました。
現在でもウイルス性肝炎自体は残っており、厚生労働省から情報提供されています。
<参考資料>ウイルス性肝炎について(厚生労働省)
ウイルス性肝炎は、A、B、C、D、E型などの肝炎ウイルスの感染によって起こるものですが、それぞれの感染経路の違いや特徴などは今回の趣旨から外れるので今回は述べません。
実はA型・B型肝炎ウイルスは比較的発見が早かったため、C~E型肝炎はしばらく「A型でもB型でもないウイルス性肝炎」という意味で非A型B型肝炎という名称の診断名がついている場合がありました。
その「非A型B型肝炎」ですが、近年はほぼ使われなくなっています。1988年にC型肝炎ウイルスが発見され、その翌年以降、非A型B型肝炎と診断されていた方の多くが日本においてはC型肝炎と呼ばれることになりました。
B型肝炎が発見されたのが1965年ですので、そこから実に四半世紀近く発見されていなかったんですね。
余談ですが、ヨーロッパ諸国、北米大陸、日本においては非A非B肝炎といえばC型肝炎を意味する場合が多く、発展途上国では大部分がE型肝炎だそうです。
<参考資料>E型肝炎とは(国立感染症研究所)
こうやって肝炎ウイルスが特定できるようになったことで、肝炎ウイルスに感染した輸血用血液製剤が使用されることはほぼなくなりました。それは同時に、肝硬変へと至る慢性肝炎が激減するきっかけになるわけです。
医学の発展によりこれまで”正体不明”だったものがハッキリ分かるようになり、診断基準が明確になったということだったんですね。
名称から医学の発展が分かるというのも面白いです。
それでは、また✨
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