この前の猫又山~大窓周回では大魔人サンも自分も水不足で苦しめられた。
季節や歩くルートによって持っていく水の量は変えているが、今回は10月だし沢もあるので少し多めにみても1.5リットルでいいか…と多少甘く考えていた。
しかし結果としては足りなかった。
原因は気温。10月なのに下界では真夏日という異常気象。
例年より暑いことはわかっていたがさすがにここまで暑いとは思わなかった。
登山の際に何をどこまで担いでいくかというのは登山者にとって永遠の課題だ。
安全マージンを大きくとって、あらゆるものを持っていけば有事の際のリスクヘッジにはなるが、荷が重くなることでパフォーマンスは落ちる。速く、長く歩けなくなるため、別のリスクを生むことにもなる。
逆に軽量化を図ってギリギリまで攻めすぎると今回のように水や食料不足を招いたり、ウェアや装備を減らせば低体温症などの遭難事故を誘発するリスクが高まる。
なので、自分の場合ウェアや装備は基本的にケチらない。
着替えもある程度持っていくしツェルトも持参する。GPSはもちろん、ヘッデンの予備やナイフ、予備バッテリーも持っていく。
食料も行動食は多めに持つ。1回の山行で食料を食べ尽くすことはない。なので山行終了時点で大抵半分以上は残る。
これは行動不能などの事態に陥った時に命を繋ぐための安全マージンとなる。
ただし、水だけはギリギリを攻めている。
水が採れないルートであれば多めに持つが、今回のように沢筋を歩くことが分かっている場合はそこでの補給を計画する。
実際今回も危なかったとはいえ致命的な水不足にはならなかったし、逆に白萩川で水にありつけた時にはギリギリまで我慢したご褒美的な感じで、これまでに経験したことがないレベルのおいしい水を味わうことができた。
あとは行動食の中ににゼリーを忍ばせておくと最悪水がなくなった場合でもガソリンの予備タンク的なイメージで水分補給ができる。
なかなか思い通りにいかないところも山の面白いところだし、想定外の事態が発生した時にそれをブレイクスルーしていくのも山の醍醐味だと思う。
しかしそれも最低限の安全が確保されたうえでのことなので過度のリスクを負わないように日々注意しながら山に登り続けたい。
我慢の末にようやくありつけた水はこの世のものとは思えない黄金の水だった。