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書評 しょひょう BOOKREVIEW
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何故リンドバーグは「悲劇の英雄」になったのか
FDRはリンドバーグが代表した「不介入主義者」を敵視した
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渡邊惣樹『真珠湾と原爆 日米戦争を望んだのは誰か』(ワック)
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まもなく75回目の終戦記念日。靖国神社。そして戦争史の書籍が
本書のひとつの箴言は95ページにある。
「米国は戦争をはじめる場合、国内世論をまとめるため、必ずと言
大統領選挙前、南シナ海がきな臭くなってきた。何かをやらかす気
真実を75年の間、ひたすら隠し続けてきたアメリカ。ばれると何
日米開戦はアメリカのFDR政権がひたすら望み、仕掛けた世紀の
アメリカ人の歴史学者と話をすると、
日本の真珠湾攻撃を震えながら待ったのはFDRだった。
このよう
本書で渡邊氏は、従来あまり語られなかった、当時の「アメリカ第
不干渉主義、
リンドバークは日本にもやってきた。
FDRが、この組織を敵視し、活動を露骨に妨害するのである。
日
PR作戦ではリンドバークがドイツとべったりという印象操作を行
「リンドバーグ=ヒトラー」という諷刺漫画を狡猾にばらま
この印象操作のやりかた、いまも有効である。
トランプ=人種差別主義=ナチ。
「チャイナ」と「ナチ」を引っかけた「チャイナチ」は香港の若者
日米戦争は主にFDRが基本を描いた。
その周りを囲んだハルとスチムソンに、本書は的を絞り込んだ。
密
原爆投下の後押しをしたのはチャーチルだった。
これも渡邊氏の新しい視点であり、ポツダム会談で、新型爆弾の開
本当はホワイトハウスに張り巡らした共産主義者のス
スチムソンは狂信的な日本嫌いだった。
この国務長官から陸軍長官へ二代の政権に使えたスチムソンについ
スチムソンは長老会に属する熱烈なプロテスタントで、勧善懲悪の
しかし土壇場で原爆投下の第一候補地だった京都を外した。
スチム
つまり「正統派と呼ばれている歴史書の近現代史解釈は歪んでいる
これらを批判的に読めば「善悪
戦後75年、日本人は歴史解釈の罠に陥没してきた。
だが、いまこ
(余記)なお渡邊惣樹氏の大作『チャーチル』がいよいよ単行本と
ご期待下さい。
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