『三橋貴明の「新」経世済民新聞』 結婚が危ない! From 小浜逸郎@評論家/国士舘大学客員教授 | 護国夢想日記

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 『三橋貴明の「新」経世済民新聞』

     2019/3/07

 結婚が危ない!

  From 小浜逸郎@評論家/国士舘大学客員教授

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厚労省の統計詐欺が国会で問題になっていますが、今回の記事では、厚労省が出しているデータのお世話になるしかありません。
 
皆さんは、現在、成人男性の四人に一人が一生結婚できないという話をご存知ですか。
この話については、のちほど詳しく述べます。

 

まず、婚姻件数(婚姻率、人口10万人対)の推移を見てみましょう。

 

棒グラフが件数(左目盛り)、赤い折れ線が婚姻率(右目盛り)です。

いずれも今世紀に入ってから減少の一途ですね。
少子化が言われてから久しく、すでに若者の絶対数が減っているので、これはある意味では当然でしょう。

 

では次にと離婚件数(離婚率、同前)の推移を見てみましょう。

 

離婚全盛期には急激に増えていたのに、今世紀に入ってからピークを過ぎて今度はかなりの勢いで減っていることがわかります。

 
一見、喜ばしいことのように思えますが、これも、そもそも婚姻数が少なくなっているのですから、絶対数も対人口割合も減るのが当然でしょう。
 
ただ、婚姻率の減少に比べれば、離婚率の減少がやや少なくなっていることはたしかです(違うグラフなので、カーブの緩急に惑わされないようにしてください)。
 
また、ここには掲げませんが、再婚率も少しずつ増えていますので、婚姻している世帯がそんな急激に少なくなっているわけではありません。

 

ちょっとややこしい話をしますが、どうかお付き合いください。

 
よくアメリカでは二組に一組が離婚し、日本もそれに近づいて三組に一組(60万組対20万組)が離婚するようになったなどと言われますが、この言い方は正確ではありません。
 
まるで、これまで結婚していた夫婦の三分の一がみんな離婚してしまう印象を与え、たいへん誤解を招く言い方です。
 
この3対1という比は、あくまで、ある年の結婚数と離婚数とを並べて比較したものです。
 
実際には、それまでに離婚しないできた夫婦がたくさんいるわけですから、累積夫婦数に対して離婚する夫婦の割合がどれくらいかを年次別に見なければ、正確な趨勢はわからないのです。
 
そこで、次のグラフと先の離婚のグラフとを大ざっぱに比べてみましょう。

 

 

このグラフで、②③⑤が、ほぼ夫婦数の推移を表していると考えられます(厳密には、⑤の中には、片親二世代と未婚の子どもという形態が含まれますが、これはそんなにいないでしょう)。

 
平成13年(2001年)の全世帯数が約4500万世帯、そのうち64%弱が夫婦世帯ですから、約2800万世帯、一方、
 
平成25年(2013年)の全世帯数が約5000万世帯、そのうち60%弱が夫婦世帯なので、約2900万世帯となります。
 
各年の離婚数 対 夫婦数の割合を求めてみると、2001年が約1%、2013年が約0.8%です。
 
すると、近年の離婚数(率)の減少が夫婦世帯数の増加に反映している可能性があります。

 

家族を大切に、と思っている人は、なんだ、問題ないじゃないかと感じたかもしれません。

 
しかし、問題は別にあるのです。
そう、やはり少子高齢化です。

 

出生率には、合計特殊出生率(一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均)と、有配偶出生率(結婚した女性が何人子どもを産んだかの平均)があります。

 
前者は、年齢を見てもわかる通り、現代では不自然です。
 
それでも統計の連続性の確保のために、これを使って、減った増えたと一喜一憂しているわけです。
 
本当は、後者の推移を見て、かつ、晩婚化の傾向とを合わせて、それらが何を意味するかを考えなくてはならないのです。

 

 

右目盛りで、結婚している女性は、2.5人くらいは産んでいることになります。
では未婚率のほうを見てみましょう。

この両グラフを見ると、女性では30代後半で24%、男性では、なんと35%の人たちが未婚です。

 
女性も30代前半だと35%近くが未婚なのです。
 
まず押さえておくべきなのは、日本が欧米と違う大きな点として、婚外子を非常に嫌う傾向があるということです。
 
子どもを作るなら、ちゃんと法的に婚姻関係を結んで、というのが日本の伝統なのですね。
 
だからこそ、「できちゃった婚」というのもかなりあるわけです。

 

そうすると、有配偶出生率がいくら高くても、生まれる子どもの数が少なくなってしまうことは当然だと言えるでしょう。

 
一つは、晩婚化それ自体のため、もう一つは、高齢出産には危険が伴うので、たくさんは産めないためです。
 
有配偶出生率のグラフで、一人の女性が2.5人くらい産んでいると言いましたが、これは現代の若い女性ばかりでなく、昔、子どもを産んだ高齢の女性も含まれています。
 
ですから、現代の若い奥さんは、たいてい子どもがいないか、いても一人か二人です。

 

では、どうしてこんなに急速に晩婚少子化が進んでしまったのでしょうか

 
理由はいろいろあるのですが、ここでは特に経済的な理由を強調しておきます。
 
ほとんどの若者は、将来結婚したいと考えていて、その割合はそんなに減っていません。
 
ところが所得が低いために結婚できないのです。
 
 
特に非正規社員は、正規社員との間に、大きな賃金格差があります(男性)。

 

そして、両者の間には、未婚率にも大きな差があります(女性の場合は逆転していますが、これは家計の主たる収入を男性に依存することができるためでしょう)。

男性30歳代の非正規社員では、何と四人に三人が結婚できていないことになります。

 
40歳代でも半分近いですね。

 

さて、はじめに「成人男性の四人に一人が一生結婚できない」と言いました。

 
一生結婚できないのかどうか、それはわかりませんが、統計上は、50代まで一度も結婚したことのない人の率を「生涯未婚率」と呼ぶことになっています。
 
データで示しましょう。

 

 

ご覧のように、男性の「生涯未婚率」はうなぎ上りで、2015年にはついに23.4%に達したのです。

しかし考えてみれば、「生涯未婚率」とは、ふざけた言葉ですね。

 
いまや平均寿命は男性でも80歳に近づき、人生100年時代とさえ言われています。
 
 
本気になれば、50歳を超えても結婚のチャンスはいくらでもあります。
 
一生涯結婚できないかどうか、それは50歳を超えてみなければわからないのです。
 
これもまた、合計特殊出生率と同じで、昔の感覚で概念を決めているのですね。
 
ですから、初めの「成人男性の四人に一人が一生結婚できない」という文句は、ちょっとショックを与えようと思ってわざと書いたので、本当はそんなことはありません。
 
どうもすみませんでした。

 

ただ、未婚化・少子化が今後も進むことは明らかなので、結婚したいなら、積極的に「婚活」しなくてはなりません。

 
しかし個人の婚活努力など実を結ぶかどうか、ほとんど当てになりません。
 
本当は、結婚できるだけの経済的余裕をみんなが持てるような社会にしなくてはならないのです。
 
そういう社会にすることを阻んでいるのは、言うまでもなく、安倍政権の緊縮財政です。

 

少子高齢社会の問題点はいくつもありますが、何と言っても、数少なくなってゆく現役世代が、当分生き残るであろう高齢世代を、細腕で支えていかなくてはならないという点です。

 
その意味でも、私たちは、一刻も早く、緊縮財政の過ちを改めさせるように、働きかけていかなくてはならないのです。

 

先に、全世帯数が増えていることを示しましたが、これは、単身者世帯が増えていることと、子どもが自立したのちの高齢者夫婦が増えていることが主な理由です。

そして、単身者世帯の増加も、若者が実家から自立したというのではなく、独り暮らしの高齢者(特に女性)が増えているためです。

 
グラフからそのことが読み取れると思います。
 
この人たちは、多く年金暮らしを強いられており、低所得者層に属するはずです。

 

安倍政権は、その年金も削減する政策を取っています。

 
財務省が国債償還という、不必要な、何のためにもならない財政政策のために巨額のお金を使い、社会保障費を削っているためです(前回の藤井聡氏の記事https://38news.jp/economy/13285参照)
 
消費税の増税分は全額社会保障に回すという、真っ赤なウソを平然とつきながら。
 
繰り返しますが、私たちは、この緊縮財政というとんでもない悪政をやめさせるよう、あらゆる手段を使って、政治に働きかけなくてはならないのです。

 

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「政治・経済・国防・危険なグローバリズム」

 

 

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