「南京事件」広めた本 著者の豪人記者は中国からカネ貰って執筆した…そんな本が「百人斬り」脚色、裁判をも影響 5/7
1938年に出版されたティンパリーの著書『戦争とは何か(WHAT WAR MEANS)』。
「一切の宣伝の痕跡を消し去り、外国人を利用して各国での宣伝工作を推進する」
中央宣伝部副部長に起用された董はこの方針に基づき、それまでのキャリアの中で培った人脈を駆使して、中国に同情的、あるいは中国を支持する外国人記者を国際宣伝処で雇った。
国際宣伝処は外国特派員が中国内で発信する電報を検閲し、中国に不利な情報の流出を防ぐ一方、ロンドン、ニューヨーク、パリを
はじめ各国の主要都市に支部を設け、中国に有利なニュースを現地で発信した。
ティンパリーは董が大きな信頼を寄せた外国人記者の一人だった。董は自著の中で、ティンパリーをこう紹介した。
「彼は中国の勝利が民主主義世界にとって重要だとの信念を持って、私のスタッフになった」
キーパーソン
ティンパリーは国際宣伝処の英米支部の開設に大きく貢献し、1938年7月には国際宣伝処の顧問に就任、9月にはマンチェスター・ガーディアンを辞職した。
その後の活動は党史館にある秘密文書「中央宣伝部半年中心工作計画」に示された通り、国際宣伝処の対外宣伝工作のキーパーソンとなった。