◆書評 : 藤井聡『強靭化の思想』(育鵬社) | 護国夢想日記

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 日々夢みたいな日記を書きます。残念なのは大日本帝国が滅亡した後、後裔である日本国が未だに2等国に甘んじていることでそれを恥じない面々がメデアを賑わしていることです。日本人のDNAがない人達によって権力が握られていることが悔しいことです。

BOOKREVIEW ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ☆
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 コンクリートから人への民主党マニフェストで日本経済は沈没寸前だった
   アベノミクスのめざす路線の中核思想は、これである:

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藤井聡『強靭化の思想』(育鵬社)
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  コンクリートから人へ、などと頭の悪い人たちの集まりがメディアにがなりたてた所為で、ついに日本のGDPは世界三位に転落した。主因は公共事業を「悪」にみたてばっさりと削減したからだ。


日本の国力を弱めたのは頭が悪い左翼政党、頭も質(たち)も悪い左翼ジャーナリズムばかりか、背後に某外国のスパイの暗躍があった。公共事業はせめて十年前の水準にまで戻さなければ、この国はおしまいになる、という基本的考えに本書は基づいている。


そのうえ、耐久年度を越えて、道路もトンネルも建て替えなければいけない時期にきた。
 

「人のコンクリート」と並べ替え、日本全土の強靭化を唱えた著者は、いま内閣官房参与、そして本書で訴えた耐震列島への公共工事で日本を強靭化することが経済の飛躍にも繋がると言われる。
アベノミクスの中核にある考え方は、これである。

 株高、円安状況となったアベノミクスのめざす「三本目の矢」は、「強く、しなやかに、逞しく」であり、その具体的処方が書かれている。
 

つまり「力なきものには、如何なる危機も突破することなど出来ず、ただただその危機に飲み込まれ、うちひしがれている他はありません」
と藤井教授は言うのだ。
 

鳩山、菅、野田と「うちひしがれいる」間に、日本のGDPは本来なら1200兆円に達していたのに、500兆円しかなく、700兆円が失われたと著者は嘆く。

 とはいえ、日本の強靭化は単に公共事業を増加させて、日本列島改造論の新盤のごとく土木事業だけでは無意味である。
 精神の強靭化をどうするか、本書にはなにも記述がない。
 
 ところが本書のところどころに挟まれているコラムに感心を持った。精神が述べられている随筆が、一種清涼剤の役目を果たしている。
 

イーストウッドの映画「硫黄島からの手紙」に感動した筆者は、それを三島由紀夫が『英霊の声』に描いた特攻隊の精神と比較しながら日本の精神に迫る箇所があり、「しかし今日の日本人の想像力は、三島の想像力はいうまでもなく、クリントイーストウッドのそれですら上回ることが出来ないほど脆弱なものになり果てた」と慨嘆する。


驚くなかれ、新世代の論客においても、三島が高く評価されている。内閣参与である著者と、安倍首相も吉田松陰、三島由紀夫の崇拝者であることを評者(宮崎)は連想するのだった。

かと思えば、巻末付近にかなり長い村上春樹論が展開され、しかも村上春樹文学なるものは三島由紀夫の割腹をさけて通り、「なんら関係のない」と記述する主人公を登場させながらも、しょせん村上が三島の呪縛から逃れられないという出発点をえぐっていて、その慧眼ぶりにも注目した。
 

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