昨夜は夕診後に老人ホームの急遽往診があったのと、そのあとには、かねてから予定していた、藤田医大での小児科の勉強会に参加しました。
夜19時半過ぎから21時過ぎまでのなかなかの勉強会です。
新生児の喉頭軟化症について、症状、検査、治療のいろいろが紹介されました。そういう珍しい病気もあるのですね、、。
また別の珍しい病気として、若年性特発性関節炎(JIA)というものについての解説。
昨今ではこういう病気に対しても分子標的剤があるんですね、、。
また、この疾患、成人の全身型となると、従来の成人STILL病となるそうです。
成人STILL病は発熱とサーモンピンク斑と関節炎を主症状とする疾患です。つまり、皮膚科でも見る可能性がある疾患ということです。
また、慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)という疾患の解説もありました。こんな病気があることを全くしりませんでした。
実際、大学病院でも年間に数例程度だといいますから、そりゃ知らんはずだわとも思いましたが、とにかく骨や関節付近の特発性の炎症と持続する発熱が主たる症状です。前述のJIAとどう鑑別するの、というような話ですが、まあ経過とか症状が違うんでしょう。
ちなみにこのCRMOの一亜型がSAPHO症候群といって、掌蹠膿疱症に伴う胸鎖関節炎だそうです。これも皮膚科に受診される可能性がある疾患です。
これらの難病というか診断しづらい疾患でも、治療は確立されています。NSAIDつまり消炎鎮痛剤からはじまり、骨粗しょう症の治療薬でもあるビスホスホネート製剤、ステロイド治療、メソトレキセート、といった類です。それでも無効な場合では、JIA同様に分子標的剤があります。いまは何でも分子標的剤ですね。
これら診断が難しい発熱関節疾患ですが、鑑別診断として重篤な疾患もあり、それが例えば白血病だったり、高安動脈炎だったり、ということもあるそうですので、あなどれません。
我々開業医では一次治療で済む症例と、高次医療機関へ引き継ぐべき症例とをいかに見分けて対応するか、が重要です。
こういう稀な疾患も、一つ一つ機会があるごとに一応勉強しておくと、もしかしたら役に立つかと思います。