侍ヤンキースのブログ

やっぱり行っちゃいますよね。洋楽ファンなら。サイモンとガーファンクル(Simon & Garfunkel)の来日公演。
イーグルスとかのコンサートに行くと客層の年齢層の高さを感じるのだが今回は結構一段と年齢層が高かった。うちの母も行きたかったと言っていたが連れて行っても違和感がなかった。
周りの席の人たちが「アーティがなんとか」とか話している。そう、確かポール・サイモンはアート・ガーファンクルのことをアーティと呼んでいるので知ってる人は同じように「アーティ」と呼んでいるのだ。私もパクって「アーティ」と呼ばしてもらうことにする。

17時開演のコンサートは15分以上過ぎて始まった。最初、彼らの曲「アメリカ」をバックに若かりし時の彼らの映像がスクリーンに映し出される。それを見ていると二人が出てきてバンド抜きで「旧友/ブックエンドのテーマ」を歌い始める。会場はすでに興奮の坩堝。私の席はアリーナのワリといい席だったのだが、彼らの顔を直には、はっきりと見えない。それが返って幸いしてまるでタイムスリップしたような感動が得られた。独特のポールの声とアーティの澄んだ高音からなる極上のハーモニーを生み出す彼らは生きた化石と呼んでもいいぐらいで、それを再び生で見られるのは感無量だ。


Hazy Shade of Winter - Simon & Garfunkel

ビートルズと共にS&G(サイモンとガーファンクル)が世界的に人気があるのは何と言ってもヒット曲以外にもアルバムの中に名曲がいっぱいあるということではないだろうか?特に私が好きなのが1968年のアルバム「ブックエンド」なのだが、1曲目に続いて2曲目もそのアルバムから「冬の散歩道」(1966年全米13位)を今度はバンド付きの演奏でやってくれてもう夢見心地になった。ただ、同時にスクリーンに歌っている彼らの顔が大きく映し出されると老けた彼らの顔にちょっとがっくり来る。


America - Simon & Garfunkel

「アイ・アム・ア・ロック」(1966年全米3位)、「アメリカ」、「キャシーの歌」とS&Gの名曲は続き、歌が終ってアーティがしゃべり始める。

「僕らは高校時代のジューイッサイ(11歳)から歌い始め、ジューゴサイ(15歳)でデビューしたんだ。その時の曲がこの曲だよ」

彼らは1957年リリースの「ヘイ・スクールガール」を歌うと再び、アーティがしゃべり始める。

「僕らの音楽のルーツは何かと訊かれてポールは今でも大好きなエヴァリー・ブラザースなんだけど、ボクはジーン・ヴィンセントの『ビー・バップ・ア・ルーラ』(1956年全米7位)なんだ」

彼らはちょっと意外な「ビー・バップ・ア・ルーラ」を歌う。ジーン・ヴィンセントと言えば「ブルー・スウェード・シューズ」のカール・パーキンス同様1956年にエルヴィスが出てきた頃のロックンロール・シンガーである。

再びS&Gの名曲が始められる。楽器のチェロがフィーチャーされた「スカボロー・フェア/詠唱」(1968年全米11位)、そして「早く家へ帰りたい」(1966年全米5位)。


Homeward Bound - Simon & Garfunkel

続いて彼らの曲「59番街橋の歌(フィーリン・グルーヴィー)」をバックにビデオが流される。ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』が中心だ、と思っていると1968年に全米チャートで3週連続1位になったあの「ミセス・ロビンソン」の演奏が始まる。「後ろのグループの手拍子がちょっとうるせーな」と思っているとこの曲の途中で別の曲が入る。
「なんだっけ?そうだストーンズが歌っていた『ノット・フェイド・アウェイ』だ」

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Mrs Robinson - Simon & Garfunkel

続いての曲はポールのソロのヒット曲「Slip Slidin' Away」(1978年全米5位)だが、二人が仲良く歌う。

I know a woman
Became a wife
These are the very words she uses
To describe her life

She said a good day
Ain't got no rain
She said a bad day's when I lie in bed
And think of things that might have been

ひとりの女性を知っている。
彼女は結婚して妻になった。
彼女は自分の人生を表現するのにこんな言葉を使う。

彼女が言うには、良い日には雨が降らない。
悪い日は私がベッドに横たわり、
ありもしないことをあれこれ考える時だ。
(ポール・サイモン「Slip Slidin' Away」より)

アーティはここの箇所をソロで歌った。


Slip Slidin' Away - Paul Simon

そして日本人には特に人気の「コンドルは飛んで行く」(1970年全米18位)。私にとっては海外に旅行した時、よくお目にかかったアンデス辺りから来たどさまわりのバンド演奏を想い出させたが、それでも感動の1曲。
その後、アーティのソロとポールのソロが3曲ずつ入る。欲を言えば、アーティには「All I Know」(1973年全米9位)と「瞳は君ゆえに(I Only Have Eyes for You)」(1975年全米18位)を、ポールには「僕のコダクローム」(1973年全米2位)と「恋人と別れる50の方法(50 Ways To Leave Your Lover)」(1976年全米チャート3週連続1位)を歌って欲しかった。ポールの2曲目はグラミー賞の「レコード・オブ・ジ・イヤー」受賞の「グレイスランド」なんだけど。また、「時の流れに」(1976年全米40位)も私の大好きなアルバムの、私が好きなタイトルチューンなのだが、ここではさっきのチェロに続いてサックスがフィーチャーされている。

「次はアルバム『明日に架ける橋』から」とポールの紹介で始まったのが「ニューヨークの少年」。「これやるなら『いとしのセシリア』(1970年全米4位)もやってよ」と思ったが、私の願いはショーの最後に叶うことになる。続いて1975年に彼らがちょっとだけ再結成して出したヒット「マイ・リトル・タウン」(1975年全米9位)。これも大好き。


Bridge Over Troubled Water - Simon & Garfunkel

♪When darkness comes
And pains is all around,
Like a bridge over troubled water
I will lay me down.
Like a bridge over troubled water
I will lay me down.♪

暗闇が来て
痛みがそこいら中にある時
荒海に架ける橋のように
わたしが横たわりましょう。
(ポール・サイモン「明日に架ける橋」より)

感動の余韻も覚めやらぬ時についに来ました。聞き覚えのあるゴスペル調のピアノのイントロが…。そう、「明日に架ける橋」(1970年6週連続全米1位で年間チャートでも第1位)である。1番をアーティが、2番がポールが歌い、3番を二人でハモりながら歌ったのだが、まさに名曲とはこの曲のための言葉だって思わせられる。実はこの曲は結構いわくつきの曲らしい。何故ならポールはアーティが歌うようにキーをアーティに合わせてこの「明日に架ける橋」を書いたのだが、アーティは当初、「この曲は自分には向いていない」と言って歌うのを拒否したという。結局、アーティが歌ってレコーディングされたのだが、コンサートで彼がこの曲を歌う度にポールは「この曲を作ったのは俺なんだ」と心の中で叫んだという。つまり、本当はポールが自分で歌いたかったのだ。


Sound Of Silence - Simon & Garfunkel

いったん、彼らは舞台裏に引っ込んだが、もちろん観客はアンコールを求める。だって、まだいくつもいい曲が残っているから。二人が戻ってくるとバンドなしであの曲のイントロが始まる。「サウンド・オブ・サイレンス」(1966年2週間全米1位)。1966年の1月にビートルズの「We Can Work It Out」と1位争いをし、映画『卒業』でも「ミセス・ロビンソン」以上に印象深かったあの名曲は荘厳な気持ちに人を引きずり込む。
続いての「ボクサー」(1969年全米7位)も名曲だ。「ライラライ~」ってところが特に印象的。

再び舞台裏に消えた彼らだが、更にアンコールをやってくれた。事前に名古屋公演のセットリストとか見ていなかったのでアルバム「サウンド・オブ・サイレンス」の中でも好きな曲「木の葉は緑」をやってくれたのに本当に感激した。そして最後は「いとしのセシリア」。私の願いを叶えてくれたかのように思えた。
いったん曲が終り、バンドのメンバーを紹介した後、再び「いとしのセシリア」が再開されたが、それも終わってとうとうショーは終わった。大満足。これが最後なんて言わないで5年くらいしたらまた来日してもらいたい。

<2009年7月11日東京ドームでのサイモンとガーファンクル公演のセットリスト>
(知らない曲が2、3曲あったので一部UDO音楽事務所のHPを参照させていただきました。)
1. Old Friends / Bookends Theme(旧友/ブックエンドのテーマ)
2. Hazy Shade of Winter(冬の散歩道)
3. I Am a Rock(アイ・アム・ア・ロック)
4. America(アメリカ)
5. Kathy's Song(キャシーの歌)
6. Hey Schoolgirl(ヘイ・スクールガール)
7. Be Bop A Lula(ビー・バップ・ア・ルーラ)
8. Scarborough Fair/Canticle(スカボロー・フェア/詠唱)
9. Homeward Bound(早く家へ帰りたい)
10. Mrs Robinson / Not Fade Away(ミセス・ロビンソン/ノット・フェイド・アウェイ)
11. Slip Slidin' Away(スリップ・スライディン・アウェイ)
12. El Condor Pasa(コンドルは飛んで行く)

(Art Garfunkel solo)
13. Bright Eyes(ブライト・アイズ)
14. A Heart in New York(ハート・イン・ニューヨーク)
15. Perfect Moment / Now I Lay Me Down to Sleep(パーフェクト・モーメント/ナウ・アイ・レイ・ミー・ダウン・トゥ・スリープ)

(Paul Simon solo)
16. Boy in the Bubble(ボーイ・イン・ザ・バブル)
17. Graceland(グレイスランド)
18. Still Crazy After All These Years(時の流れに)

19. The Only Living Boy In New York(ニューヨークの少年)
20. My Little Town(マイ・リトル・タウン)
21. Bridge Over Troubled Water(明日に架ける橋)

(encore 1)
22. Sound of Silence(サウンド・オブ・サイレンス)
23. The Boxer(ボクサー)

(encore 2)
24. Leaves That Are Green(木の葉は緑)
25. Cecilia(いとしのセシリア)

水曜の朝、午前3時/サイモン&ガーファンクル


サウンド・オブ・サイレンス/サイモン&ガーファンクル


パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム/サイモン&ガーファンクル


ブックエンド/サイモン&ガーファンクル


明日に架ける橋/サイモン&ガーファンクル