私はミュージカルが大好きである。
ニューヨークに行った時は必ず、ブロードウェイで
ミュージカルを観る。最近は便利になったので
チケットはインターネットを通じて日本で購入する
ことが出来る。
お陰で昨年のトニー賞受賞のミュージカル
「春のめざめ(原題『Spring Awakening』)」
を49th St.にある「ユージン・オニール劇場」の
最前列のど真ん中で観ることが出来た。
「こんな良い席で観れる日本人は俺様ぐらいだろう」
なんて優越感に浸っていたら、すぐ左隣に日本人の
夫婦が座った。

<過去5年のトニー賞ベストミュージカル>
2003 「Hairspray」 (Book by Thomas Meehan, music by Marc Shaiman, lyrics by Scott Wittman and Marc Shaiman)
2004 「Avenue Q」 (Book by Jeff Whitty, music/lyrics by Robert Lopez and Jeff Marx)
2005 「Monty Python's Spamalot」 (Book by Eric Idle, music by John Du Prez and Eric Idle, lyrics by Eric Idle based on the film Monty Python and the Holy Grail)
2006 「Jersey Boys」 (Book by Marshall Brickman and Rick Ellice, music and lyrics by Bob Gaudio and Bob Crewe)
2007 「Spring Awakening」 (Book by Steven Sater, music by Duncan Sheik, lyrics by Steven Sater)
(英語版ウィキペディアより。自慢じゃないが、
 2005の「モンティー・パイソン~」以外は
 すべて観ている。
 2008年の発表はもうすぐNHKのBSで
 やると思われます。)

さて、何でこのミュージカルに惹かれたかというと
このミュージカルの音楽担当が、1997年に
「Barely Breathing」というヒット曲を放った
ダンカン・シークだからである。
私はその曲がとても好きだった。
このミュージカルはいわゆるロック・オペラなので
オーケストラの代わりにロック・バンドが演奏する。
そういう面ではかなり前にやはり、ブロードウェイで
観た「RENT」を想い出させる。


Barely Breathing - Duncan Sheik
(1997年16位、年間18位)

実を言うとこのミュージカルを観た時の私は
睡眠不足で睡魔と闘わなくてはならなかった。
ところがこのミュージカル、「ACT1」の最後に
盛り上がるので眠気が吹っ飛んでしまった。
1891年の劇作家Frank Wedekindの戯曲
がベースで19世紀後半の保守的なドイツの
高校を舞台に繰り広げられる10代の男女の
物語である。
タイトルどおり青春時代の性のめざめが
テーマである。尚、これはジブリ作品の
原作となったツルゲーネフの話とは異なる。



ドイツが舞台なので途中、わざとらしい
ドイツ語訛りが出て来て笑わせるシーン
もあるが、性がテーマなのでかなりきわどい
シーンも多い。お陰で睡魔を退散させること
が出来た。
期待のダンカン・シークによる音楽は
素晴らしいの一言に尽きる。ストーリーに
合っているし、いい曲ばかりである。
特にトニー賞助演男優賞受賞のジョン・
ギャラガーJR.の歌った「The Bitch of Living」
が、ノリノリで良かった。


ただ、残念なことに折角「ACT1」の最後に
盛り上がったにもかかわらず、
このミュージカルの結末はハッピー・
エンドではない。
特に最後の墓場のシーンはかなり悲しい
気持ちにさせられる。なにしろ、死んだ彼女と
親友の幽霊との合唱になるんだから。

舞台が終わると観客はみんなスタンディング・
オベーションで役者たちを讃えた。残念ながら
私と両隣の人たちは立ち上がることが
出来なかった。
あまりにも舞台の彼らとの距離がなさ過ぎて。