本番某日、渋谷――
妃野由樹子さんの舞台があることを把握していた拙者は、非番之日を選び自転車にて渋谷経由より一路新宿方面へ――
向かったのは、ここ『新宿御苑前』――
池袋まで自転車で行ける今、拙者にとってはその『脇道』――
この街は、過去にこの『シアターサンモール』という劇場目当てに来たことがある程度であるが、自転車にて向かうのは今回が初
そのシアターサンモールの隣にある小さな劇場が今回之舞台
会場名【サンモールスタジオ】――
シアターサンモールのとなりに位置する、高級感溢れる概観とは裏腹に質素な感じのする小さな劇場である
ここで妃野さんが出陣した舞台は――
公演名【ご町内デュエル】――
とある集会所での一室の貸切争いを描いたドタバタコメディである
この公演は興業者『イヌッコロ』と『シザーブリッツ』との謂わば『デュエル公演』という斬新な舞台――
妃野さんは『シザーブリッツ』軍からの出陣である
かなり早めに予約を済ませたためか、いずれの日も座席は最前線の一つ後ろの列――
特に初日はド真ん中というおまけつき――こりゃ笑っているところだだ見えであるナ――
さて脱線はこのぐらいにして、どんな舞台なのか少しだけ語るとしよう――
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
拙者式あらすじ
【これは拙者が観劇した時の視点をもとに記しているので、誤解があった場合は何卒御容赦頂きたく】
ここはとあるご町内にある『犬山集会所』――
その一室にいた一組の夫婦『卓也』と『沙織』――
ごみ捨てに対する誓約書のサインを貰うため、この一室を借りてご町内の皆様と話し合いを行おうとしていた卓也は、結婚暦五年でありながら心はまだまだ新婚そのものの沙織にいつも振り回されてばかり――
しかし、時を同じくして現れた『内藤』と『山形』、そして『高坂』――
彼らは芝居稽古をするためこの一室を予約してやってきたという――
挙句の果てには「ツバキ組」であるヤクザ『稲葉』と『氏家』もやってくる――
そう――ここの管理人はこの三組と『トリプルブッキング』をやらかすほどの超テキトーなずぼら者で、皆からクレームも続出――
そんな二人のヤクザに向け沙織は稲葉の顔を見るなり笑うという『恐いもの知らず』なそぶりを見せる――
当然その姿を見た二人は激高し、一室は一気に仁義なき修羅場と化す――
その最中に内藤たちのファンである『さとみ(妃野)』やギターの練習をしたいというギタリスト、そしてツバキ組の幹部である『安藤』も現れ、集会所は更に混沌としていく――
幾度となく巻き起こる勘違いと葛藤の中、果たして話し合いは無事に解決するのか――
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
この公演は沙織の恐いもの知らずな活躍が目立ち、その周辺が盛り立てる感じでかなり笑える内容であった
途中で登場したヤクザたちの遠吠えも、何か哀れに感じてならぬような――再出陣の時には特にそう強く感じた
その中で妃野さんが演じたのは『内藤』たちを追いかけているファン『さとみ』――
彼女はただ一人の肉親である兄とは疎遠であり、何の夢ももっていないながらも内藤たちの劇団を追いかけながら何かを見つけようとする健気さがあるような感じであった
更には安藤と、何か裏的に意味深なる関係もあったり――ここが一番のツボであったナ
妃野さんの人となりには違和感がない、そう拙者には思えるいい役柄であった
妃野さんは、クリスマス後の年末に本年最後の舞台が控えている
ここは席が三階まで及ぶほどの規模がある劇場でやるということなので、行かれる皆様は是非とも最良の席を御選び頂いて応援して頂きたく
最後に、去り際『渾身之壱枚』――
【妃野由樹子さんのブログ『晴れ時々ゆきこ』】
妃野さん、全日程終幕お疲れ様である
年末の舞台、楽しみにしているぞ――