今回も、まず内容を推測します。
五爻は「君の位」で「中」でもありますが、陽位に配置される爻が陰爻なので「不正」であり、上爻、四爻も同じ陰爻が配置されるため、相い比す六五は両者に親近感を抱きません。すると、隠居の上爻も、近臣の四爻も信頼できず、発展も見込めない? ただ、それこそが陰爻の持ち味? どう捉えるべきでしょうか?
書き下し文を確認しましょう(p.67)。
黄裳(こうしょう)、元吉(げんきつ)なり。
ちなみに、原文(?)には「黄裳。元吉。」と句読点が付いています。漢文に句読点ってある?
以前乾為天の卦辞を確認した際、「元」は「大いに」の意味でしたので、「元吉」は〈大いに吉〉でしょうか? 「裳」は「したばかま。腰から下にまとう衣服。」袴とは違うのでしょうか? 黄色い袴がどうしたのでしょうか?
古代中国の自然哲学、五行説では、物質の元素を木・火・土・金・水とする。色でいえばそれぞれ青・赤・黄・白・黒、方位でいえばそれぞれ、東・南・中央・西・北にあたる。それで黄は大地の色であり、中央の色でもあることになる。
方角、色、四神の話を組み合わせると、一応上のようになります。差し当たり四隅を無視して、図にしておきます。
ただ、坤はそもそも四隅の南西です。中央の黄色がどう関わるのでしょうか?(p.68)
黄は中の色、裳(はかま)は下の飾り。六五は外卦の「中」を得ており黄の色にあたる。
二爻や五爻は中〈だから〉黄色が配当されるのでしょうか? 乾為天の九二や九五、坤為地の六二では、そういう話は出てきませんでしたが?
しかも、裳が袴なのであれば、上卦よりは下卦のほうが似つかわしい? 本田の解説を続けて見ていきましょう。原文の傍点は、斜字体で表します。
尊位におりながら陰爻であることは、へりくだった態度、下の飾りに当たる。
五爻=君の位に陰爻が配置されるのは不正ながら、それを謙遜と捉え、下の飾り=裳を割り当てた上で、中を得ているので、方角は中央、よって黄色、ですか(^_^;)
つまり黄裳は、中庸柔順の徳が内に充満して、おのずと外に現れるような人の象徴である。
六三は引き立てられずとも腐るな、六四は悪目立ちしないよう程々に、六五は控えめにしていても自ずと成果が外に現れる。坤らしい謙虚さは共通していても、ニュアンスが異なり、厄介です。
したがってその占断は、最善の吉(=元吉)ということになる。
尊大にならないし、そもそも有能なので、慕われ、評価される、といったところでしょうか?
四爻や上爻の影響は無視してよいようです。中を得るのは、相当強力な吉の要因なのかも知れません。
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サミー
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