アメリカの大統領選挙は最後まで接戦が予想され、
直前ではクリントン有利と大手メディアは喧伝していましたが、
結果は予想外にトランプ圧勝となり、世界に衝撃が走りましたね。
私もクリントンが勝つ、いや勝って欲しいと思っていたので、この結果には衝撃を受けました。
トランプ勝利の原因の一つに、
アメリカのグローバル戦略は、思惑とは異なって上位1%の富裕層のみに恩恵があり、
中間層が没落して所得格差が拡大し、
その結果社会全体に不満が溜まっており、
その不満を解消する政策を掲げた、ということがあるようです。
翻って日本は?
日本の所得格差は先進国では比較的少ない(もちろん大きな格差がありますが)といわれています。
そこで、格差分析の一環で、富裕層の人数を調べてみました(表-1)。
データソースは
【2015年ワールド・ウェルス・レポートによる、純金融資産100万ドル(日本円で1億円)以上持つ人口の多い国ランキング】
なんと日本の富裕層は、驚くべきことに
人数:約250万人、 人数世界ランキング:第2位、 人口比率:約2%
となっています。そして、富裕層比率はアメリカの約1.5倍です!
たとえば同窓会で50人集まったらその中に1人は富裕層・・・、ということですね!
無論、私ではありません。
表-1
この富裕層比率をみるといろいろ考えさせられます。
・ドイツの比率はアメリカとほぼ同じ。この国も格差拡大が問題視されていますね。
・中国は超格差社会であることがわかります。
・スイスは圧倒的に高い比率で、うらやましい国ですね。
・スイス、日本、中国を除くと平均的に約1%です。1%の問題が理解できます。
グラフ化してみると(グラフ-1)
グラフ-1
過去に私のブログを覗いていただいた皆様の中には、このグラフから、ハハン!と感じられた方がおられるでしょう。
ロングテールのある特徴的なグラフ(かなり一般的ですが・・・)です。
このグラフの縦軸と横軸の目盛を対数にしたグラフを作りました。
グラフ-2
直線の周りにデータが並んでいます。
「べき剰則」ですね。呪縛直線です。
しかも直線の傾きはほぼ45度。
複雑系が作る熾烈な自由競争状態のデータです。
現在超格差社会である中国が比較的近い将来、ドイツを抜いて第3位になることが予想できます。
その先は・・・?。