ギリシャへは確か40年ぐらい前に視察団の通訳として行ったことがある。もうドイツで治療して良くなったのですが、わたしはその当時心臓の不調があって、アテネのホテルで頻脈の発作が出て、夜中に救急病院に行ったことがあるんですが、点滴と薬で症状が治って、治療代を払おうとしたら、「貴女はギリシャに来てくれたお客様、しかもギリシャと日本の友好協力のために来てくれた人。お金は要りません」なんて言われ、支払いを固辞された経験があるため、ギリシャには並々ならぬ恩があり、それだからこそとても良い印象を持っている国です。

今回は、あるギムナジウムの修学旅行で、我が社がギリシャまでの運行を担当する事になりました。いつもは飛行機で飛んでいるらしいのですが、今回の参加者は80名近くになったため、イタリアまで陸路、そこからフェリーでギリシャに入るというルートを考えたらしいのです。

ギリシャ国内は、毎日せいぜい150kmぐらいしか移動しませんから、一人で良いんですが、ドイツからイタリアの港までは1000km近くあり、セカンドドライバーが必要なので、わたしと夫で一緒に行くことになりました。

イタリアのアンコーナに到着すると、わたしはいなくても良いため、帰っても良いのですが、数十年ぶりにギリシャの地を踏みたかったのと、アンコーナから汽車や飛行機を乗り換えて自宅に帰る手間を考えたら、アテネまでついていってそこから飛行機に乗った方がはるかに楽なので、アテネまでは同行する予定です。

さてこのツアーは出発時からトラブル続きでした。予定では夜21時にドイツ出発、イタリアのアンコーナから13:30に出るフェリーに乗り、次の日の16時ぐらいにギリシャのパトラスに着く予定でした。だからこそわたしは夜通し運転するために、数日前から時間調整して、運転時に最良の体調であるように計画していたのに、自宅を出発した途端に電話が鳴り、フェリーの時間が変更になって、13:30じゃなくて21:30になったとの事。

ドイツ出発を遅らせてくれとお願いしたけど、学生全員に変更の連絡をするのは無理とのことで、当初の予定通り出発する事になりました。

となると、夫とわたし二人だけでは時間オーバーになります。

急遽うちの運転手にあちこち電話をかけ、やっと暇している元気な運転手を一人見つけて急いで準備させ、ドイツ国内を彼に担当してもらうことにしました。

その時点でもう夜の19時。お客を乗せて出発したのが22時。助っ人運転手は24時にバスを降りて、そこではじめてわたしと夫のドライバーカードをバスに登録して、「このツアーは二人体制で走ります」ということを記録します。これ、とても大事なことで、もしもフェリーの遅延の連絡があと30分遅く来ていたとしたら、わたしたちはもうすでにドライバーカードを登録していたはずなので、どうにもこうにも辻褄が合わせられなくなり、かなり困ったはずです。

本当に写真が下手だなあ。上はベルナディーノ峠の手前かな？下は、今後30時間近くベッドに寝られないことがわかって絶望しているわたし。

ルートは、ドイツを出てオーストリアのブレゲンツ、スイスのクールなどを経由して、サンベルナディーノ峠を越え、ミラノ、ボローニャ、サンマリノを通過してアンコーナへ到着の全長900kmちょっとのロングドライブになります。

今わたしはギリシャでの最初の宿泊地デルフィにいるんですが、初めて現在進行形の日記を書いてみようかなと思います。

さんぼ

ギリシャへ①