ママの冒険
数日ダウンしちゃうかと思うほど、ひどい頭痛で眠るに眠れなかった夜も、
そろそろ空が白々してきた頃、気絶。
７時くらいから、ごそごそし始めたKIKIとママの気配で目が覚めます。
もうちょっと寝たい
とKIKIに伝えけど、
ママに伝わったのか、伝わらなかったのか、
Ｂｒｅａｋｆａｓｔ Ｒｅａｄｙ！
KIKIが大声で呼びに来ます。
この日は、女子たちとは別行動。
朝からわさわさ準備を始めます。
ママのちょっとした冒険に出発。
オートマチックトランスミッションのＡＵＤＩ号なのに、
いまやマニュアルシフト車になってしまい、
それも気難しそうにしかギアチェンジしてくれないので、
ママは怖くて乗れません。
鎌倉霊園のジージのお墓参りは済ませ、
こんどは、昨年亡くなったママのお父さん、大原のジージのお墓参り。
女子たちだけで、レンタカーで行くことになりました。
最寄りのレンタカー営業所がある都立大学駅でドロップオフします。
乗り慣れないクルマでドライブするママはすごく不安そう。
サイドミラーはどうやって動かすの？
ＥＴＣカードはどうやって差し込むの？
リバースドライブのモニターついてるの？
カーナビあるの？
そんなママの気持ちを知る由もなく、
動き始めた車でKIKIははしゃいでいます。
見送る方がどきどきします。
台風が待ち構える出張
そろそろ羽田空港に向かわなくちゃ、
とおでかけ支度し始めたら、
ポロン
「お参り終了
暑い
」
ちゃんとドライブてきていたらしい。
まずは一安心。
向かう出張の方が心配。
羽田空港のモニター、
搭乗する予定のヒコーキの横に、こんなメッセージ。
「沖縄那覇空港 台風のため引き返すことがあります。」
うひゃあ。
引き返されたら、困る。
なにしろ往復でざっと５時間はかかります。
でも、不安そうな顔をしていられなくなりました。
隣のシートにちょこんと座った男の子。
なんと沖縄まで、一人旅。
ＣＡさんたちが入れ代わり立ち代わり、
「なにかあったらこれ押してね」
コールボタンを教えたり、ファミリーサービスの申し込みの時に用意されるメモを確認したり、
と男の子が不安にならないように、よってたかって面倒をみます。
大して役に立たないけど、KIKIパパもお話相手。
人見知りしない男の子で、可愛らしい笑顔。
ヒコーキが爆音を立てて、動き出したら
「うわあ！」
怖気づいちゃったのかと思ったら、
「うきうきするー！」
楽しんでいるみたい。
「あれ、富士山？」
機窓から見えるのは、すっかり夏の装いになった青い富士山。
手前には、芦ノ湖がきらきらしてきれい。
ＣＡさんがまた男の子の首に下がっているメモを見に来て
「ヒコーキに酔ったりしないんだね 強いね」
元気いっぱいでの小学生。
いつもヒコーキ酔いと戦っているKIKIのお顔を思い浮かべながら、
ずっとおしゃべりしてもらいます。
羽田に引き返すかも？
予想通り、
南西諸島の島々に差し掛かると、
機体はぐらぐら。
真っ青だった空に、真っ黒な雲の帯が流れ始め、
日射しも遮られます。
台風３号の渦巻きの縁にぐるぐるしている雲の中に突入すると、
ふわあ、
ひゅーん、
ちょっとジェットコースターみたいになってきます。
「那覇空港に降下し始めましたが、着陸のやり直し、
あるいは着陸を諦め羽田空港へ引き返す場合もあります」
操縦席からの念押しのアナウンスを聞いた男の子、
「沖縄に連れてって」
みんな同じ気持ちです。
尾翼についているカメラの機外の様子を見ていた男の子、
「すごい雨」
ポツンと呟いた通り、
機外は荒れ模様。
横風でないことを願うばかりです。
ごとごと、派手に揺れながら沈み続けたヒコーキ、
水平線の上空に浮かぶ雲は怪しげな影が濃く、
いかにも台風通過中という景色。
真向いからの風で、なかなかドスン、としない機体。
お約束のどんでん返し、
男の子のためにも今回はやめてね、
の願いが通じて、
どすん。
「ありがとう」
誰にありがとう、って言ったの？
と男の子に聞いたら、
沖縄に着いてくれたから、お礼を言ったの、
だって。
いろいろな目に遭うKIKIファミリー、
いつもなら、目前の沖縄よ、さようならー、
なんてシナリオになりそうだけど、
ヒコーキにも酔わず、どうやら強運の男の子にあやかって無事、沖縄にたどり着きました。
男の子に、お礼を言いたいくらい。
夏休みの半分くらいを沖縄で過ごすそうで、
出迎えはバーバとお姉ちゃん。
きっとじりじりして待ってるね。
気を付けて、
そして沖縄の夏休み楽しんでね。
Youtube”KIKI Movie”も登録してね
← これも ポチっとしてね
↓ 一日一回 ポチッ と押していただけると嬉しいです
読者登録していただけると励みになります
どうぞよろしくお願いします
みんなありがとう 読者が２５００名を超えました 