日本を代表する騎手の一人である福永祐一さんの作品。
読んでみましたので、目次の力を借りて感想を書いてみたいと思います。
まえがき──「最初の決断」:
→父親が有名騎手であった福永さん。
私は高校の保険体育の授業で、お父様が怪我をされてリハビリを行っている。
といったドキュメンタリー番組をみて、そこに登場していた、まだ幼かった福永さんを今でもよく覚えております。
その後数年して、お父様と同じ道に進んだ時には、ここでも書かれてましたが、本当に皆が皆、あの子が~~みたいな感じに包まれていたと。
といったことを思い出しました。
第1章 コンプレックス:
→そんな「あの子」を直接預かった厩舎の方々は、それはそれで大変だったと思います。
そのあたりはしっかりと感謝の念で振り返ってくれております。
そしてここで語られるのは、ご本人から語られるコンプレックス。
まずはここから、この姿勢には本当に学ぶべきことが多いと思います。
話はずれてしまいますが、ぱっと見しっくりくるというか、これをセンスと言っていいかはわかりませんが、その見た目の雰囲気ってありますよね。
ゴルフにしても、サッカーにしても、テニスにしても、うまい下手を超越して、いきなりバッチっと美しい人いますよね。
そして自分ではそうだと思っても、その自分の姿を動画で見ると、ああこれが俺かと、ああこんな感じで見られているのかと。
それとレベルが全然違いますが、福永さんからそんなような感じのことが語られております。
第2章 岩田康誠:
→私は存じ上げませんでしたが、福永さんがご自身でまるで漫画のような人生だったと書いているですが、まさに漫画のような現れ方をして福永さんと関係していく岩田さん。
地方競馬から中央競馬に乗り込んで、すぐに実績をあげる。
曲がったことは大嫌い、正しいことは先輩だろうが何だろうがガンガンと意見する。
そして主人公(福永さん)に強烈な影響を与える。
第3章 執着:
→そんな強烈なライバルや、友人たちからの叱咤激励もあり、目標を新たに騎手としての高みを目指す主人公。
騎手初となる騎乗にかんするコーチもつけられたようで、このあたりの話も騎手以外の私にもしっかりと届きました。
先日もサッカー選手である遠藤航選手も、走るというか体を動かす上で必要な体の動き方を、サッカーのコーチではない方に教わっているという話にも通ずる考え方だよなと。
第4章 慢心と攻撃:
→騎手生活を長く続けていれば色々とあるよね。
といったことが書かれているこちらの章。
そしてやはりここでもその主人公に対して、しっかりと物申したのはやはりあの方。
第5章 ダービー:
→ダービースタリオンⅢというTVゲームをやっていた私は、ほんの少しだけでもあの「日本ダービー」を勝つことの難しさを、いやそれよりもまず、この「日本ダービー」に出場することの難しさを知るものです。
第6章 欲のコントロール:
→いいですねこれ、勝ちたいと思う欲が馬に伝わり、これがあまりいい影響を与えないというところが。
やはり生き物を扱う方々には、多かれ少なかれこのような意思疎通というのが本当に大事なんだろうなと。
第7章 直感と心の声:
→「スランプ」の使い方。
福永さんのような実績を出された方が使う「スランプ」の意味って本当に大事だと思います。
ちょっと世間では「スランプ」があまりにも乱用されているように感じたおりましたので。
第8章 影響~福永祐一を作った人々:
→皆様への感謝が伝わり、ここは読んでいてとても気持ちが良かったです。
私も言ってしまいましょう、皆様本当にありがとうございましたと。
第9章 パーソナリティ:
→騎手から調教師になるにあたり、また調教師1年目なので、という視点でしっかりと切り替えが出てきているような感じが見受けられたこちらの章。
調教師福永祐一を応援したくなる章でした。
第10章 転身:
→調教師になるための試験に一発で合格した福永さん。
話しぶりからすると、とても難関な試験のように見受けられます。
そしてその試験に対して、とても前向きに取り組んだようで、その取り組み姿勢は非常に参考になります。
まずはどのように勉強するのがいいのかをしっかりと調べてから、やりたい勉強を行う。
そもそもこのあたりから違いがでておりましたね。
「最後の決断」――あとがきに代えて:
→最後に数多くの写真も掲載されていたこちらの作品。
本当に漫画の主人公のようなお方。
是非とも調教師でも成功をおさめていただきたいと思います。
以上です。