アンソニー・ボーディンの新刊

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大好きなニューヨークのシェフ(であり、ベストセラーの著者、テレビのレポーター、小説家でもある)、アンソニー・ボーディンの本が、いつの間にか出ていたのに気が付いて、さっそく取り寄せて読みました。

$SALSITA

 やはり、今回もとても面白い!原題に"THE NASTY BITS"とあるように、彼があちこちのメディアに書いた記事を集めたものに最後に短い小説が付いているのですが、どれも読み応えがあり、共感させられるし、爆笑させられるものも多い。テレビの取材で世界中を廻っているので、邦題にあるように世界各地でのエピソードも満載です。
 共感させられるものの一例として、最初の「システムD」という読み物では、様々な事情(予約の客の人数が突然倍になる、来るはずの食材が急に来なくなる、或いは来るはずのスタッフが突然来なくなる、冷蔵庫が突然壊れる、ウエイターがグループ客の注文を一人分オーダーし忘れる、等々)により、時として厨房の運営が不可能かの窮地に陥ったときに、なんとか機転を利かせて大ピンチから抜け出す方法、或いはそうしてみせるキッチンの英雄について語られています。
 「システムD」のDとはフランス語のdebrouillerseという言葉のことで、大変な状況でもなんとかする、というような意味らしいです。特に小さな店のキッチンで働いていると、こんなピンチ、よくあるんじゃないでしょうか?うちの店でも、ご多分に洩れず、こういう窮地に陥ることはけっこうあるのですが、最近、そうなると自分に対して「システムD、システムD、」と言いきかせています。
 爆笑する場面もあちこちにあります。テレビのレポーターとして世界中の珍しいものを食べてきたのを知られているお陰で、どこに行ってもゲテモノばかりを勧められてウンザリするところ、ある番組の収録で思うようなシーンが撮れなかった穴埋めに絶壁からのダイビングを強要させられるところ、セレブシェフブームに乗せられたシェフと客を揶揄しているところ等々、、、他人に対して毒吐いているところも多いのですが、そういったクレイジーな世界の一員にもなっている自分に対してもちゃんと自戒の念も持っているので後味の悪い感じは無いですね。
 シカゴやケベック、べガスやリオ、ベトナムやシンガポールで彼が食べた美味しそうなものに対する描写は絶妙で本当に自分も食べたくなりました。彼が真に美味しいもの、それを作っている人々(有名であろうと無名であろうと)に大きな敬意を払っているのが感じられます。

ニューヨークマガジン

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さらに古い話で恐縮ですが、最近、グローバルに注目されている?サルシータが、今年の春頃、アメリカの雑誌、「ニューヨークマガジン」に載っていました。こちらは、前に「ロンリープラネット」に載ったときと同じく、事前に連絡など無かったのでまたまたお客さんに教えてもらいました。

$SALSITA

この雑誌は、知り合いのアメリカ人のお客さんによれば、ニューヨークのエグゼクティブなクラスな人達が読むようなもののようです。道理で、ぼくはニューヨークに住んでいたけれど、読んだことが無かったワケだ。(苦笑) まぁ、載っているとは言ってもほんの小さな囲み記事ですが、、、でも、投稿している人を見ると、何とジェームス・ベアード財団の副理事長さんでビックリ!この団体は、毎年、料理界のオスカーと呼ばれているトップシェフの賞などを選んで授与しているような、アメリカのグルメ界で一番の権威を誇る団体なんです。そんな偉い人が、いつの間にかサルシータに来店して食事していたなんて驚きです。しかも、文面から察するに、自分の仕事ぶりが観察されていたらしい!いやぁ、全く気が抜けないですね。でも、褒めて頂いてありがとうございます!
ちょっと古い話になってしまいますが、ちょうどひと月前くらいに、メキシコの主要日刊新聞の「レフォルマ」紙のフードセクション、「ブエナ メサ」(良き食卓)にサルシータが掲載されました。世界の10の主要都市から本場の味を忠実に再現しているメキシコ料理屋さんをピックアップした記事で、題は"EMBAJADAS DE AUTÉNTICA SAZÓN"(本物の味の大使館)
こんな文章で始まっています。

La gastronomía mexicana se abre paso en el panorama internacional
consolidándose como indispensable en la oferta culinaria de ciudades
como Londres, NuevaYork, Sidney, Tokio...
Quién mejor que los diplomáticos mexicanos establecidos en cada una
de estas ciudades para ayudarnos a encontrar esos restaurantes que
pueden considerarse dignos emisarios de los aromas y sabores nacionales, lugares para no extrañar el sabor de hogar.

メキシコの食文化は世界中に展開し、ロンドン、ニューヨーク、シドニー、東京のような都市に於いて楽しむ料理の選択肢として欠かすことの出来ないものとして定着している。
それは、外交官よりも、もっとこの国の味と香りを伝える素晴らしい発信地、故郷の味を想い出させてくれる場所として、これらの各都市にあるレストランが存在しているからである。

$SALSITA

非常にありがたいお言葉で、恐縮してしまいました。
あと、この記事を一読して思わずにやりとさせられ、とてもシンパシーを感じたのが、各都市のレストランのシェフ達が同じ悩みに直面しながらも奮闘していること、、、即ち、本物のメキシコ料理とテックスメックス系のメキシコ料理の違いを伝えるのに苦労していることです。
世界中に自分と同じような思いで頑張っている仲間がいるんだと思えて、とても励まされました。
 すみません。またひと月も更新をサボってしまいました。いろいろと忙しくて、書くネタはたくさんあったのですが、いつも睡魔に負けてしまい、、、
 何はともあれ、先月末に行われたメキシコ大使館商務部主催、東京ガス後援のメキシコ料理ワークショップセミナーのご報告から。
 当日は、「セビッチェ」、「チレスエンノガーダ」の二品を調理実演させて頂きました。その他に、日本の秋の果物、梨、柿、巨峰にメキシコで大変ポピュラーな唐辛子ライム味のシーズニングパウダー「タヒン」をかけたものを冒頭に、メキシコ産のライムとテキーラの原料リュウゼツランから採れる蜜「アガベネクター」で作ったシャーベットを締めくくりに出させて頂きました。料理の実演は、予想通り、初めはちょっと緊張しましたが、始まってみると大使館のアーロン・べラさんがいろいろ助け舟を出してくれたり、東京ガスの有能なスタッフの方たちがいろいろサポートしてくれたおかげで、滞り無く終えることが出来ました。皆さんに試食用としてお配りした料理のほうも概ね好評だったようでホッとしました。また、メキシコの各地方の伝統料理についても、その特徴や代表的な料理についてあれこれお話させて頂きました。また、当日は衛星放送の番組の取材も入っていたので、メキシコの食材についてもお話させて頂きました。
$SALSITA
セミナー後は、東京ガスさんの素晴らしい最新式の厨房器具を見せて頂いたり、参加者の同業者、他業者の方たちといろいろお話をさせて頂いたりと、とても自分にとっても勉強になったセミナーでした。改めて、メキシコ大使館商務部と東京ガスの皆さん、そしてセミナーに参加頂いた皆さんに感謝いたします。ありがとうございました!
先週の週末は、メキシコ独立記念日でした。それに合わせたメキシコのイベント「フィエスタ メヒカーナ」も今年は天気に恵まれて盛況だったようですね。サルシータでも、独立を祝う料理、「チレス エン ノガーダ」がたくさん注文されて大忙しでした。
 そして、いよいよ、その特別な料理も含んだメキシコ大使館商務部さん主催のワークショップセミナーも約10日後に迫ってきました。今日は会場の視察のため、汐留にある東京ガスさんの厨房ショウルームに行ってきました。とても広くてきれいなキッチンでした。もちろん、厨房機器は東京ガスさんの誇る最新設備が完備されています。まあ、今回はとてもベーシックなガスコンロくらいしか使いませんが、、、参加者の方たちのお席も、とても立派でした。当日は、30名の参加者の皆さまの前で、実際に料理を作りながら、いろいろと説明させて頂くことになります。料理をしている手元もビデオで撮られてプロジェクターに映されるようだし、日頃、作っている料理とはいえ、緊張するだろうなあ!いろいろと器具や材料の説明をしてもらった後、「大丈夫ですか。」と訊かれたので、「後は、当日、自分が緊張して喋れるかが不安です。」と正直に打ち明けたところ、後で同行して頂いた大使館の美人スタッフさんに「テキーラ一杯飲んでからやれば大丈夫ですよ。」と貴重な?アイデアを頂きました(笑)。まあ、これも自分が成長するための得難い体験と思って頑張ります。