なんとなんと宗匠のお点前で
お濃茶を頂きました。
間近で見る宗匠のお点前は
流れるようにきれいで、
お茶は濃いのに全く苦くなくて、
本当に美味しかったです。
お道具、掛け物、飾り物、
全て午年にちなんだ
素晴らしいもの、珍しいものを
たくさん見せて頂き、
極上のおもてなしを受けて
至福の時を過ごさせてもらいました。
私は本当にこの年になるまで
「お茶」の良さが全く分からない人間でして、
みんなで並んで正座して苦いお茶を
回しのみするのに何の意味があるのだ？
と思っていました。
お茶のお稽古は「お金持ちの道楽」だと
お金と時間の余裕がないとできないのだと
思い込んでいました。
お茶だけでなく、子供の頃から
ピアノやお習字、
いろんなことを習わせてもらったのですが、
興味がわかず、練習するのも嫌で
何も続きませんでした。
今思うと
その習い事が好きじゃなかったのではなくて、
先生のちょっとした言葉に傷ついたり、
人と比べて劣等感を感じたり、
疎外感とか、違和感とかを勝手に感じて
馴染まないように自分で壁をつくっていたような
気がします。
そういう心でいると
私は何をやっても続かない、
人とうまく関係を築くことができない
そういう風に思い込むようになり
新しいことに挑戦することは少なくなり、
いつも何かを始めるとき
「やめること」「なくなってしまうこと」
を恐れていたように思います。
そうやって長い間閉じていた私が
恩のある方に誘われて
断り切れずにお茶を習いだし、
また美術館のボランティアも始めて、
美に触れる機会が増えたことで
「美しいもの」に対する目が
開き始めました。
去年から本格的なお稽古に
自分から望んで通うようになり
下手ながらも、
「その場にいる」ことに「喜び」を
感じていることが
本当に奇蹟のように思います。
道は自分から求めていくもの。
そのものや人に対して
自分から積極的に
心を開いて接していけば、
相手からも受け入れてもらえて、
そこに自分の居場所ができる。
「許された」と思いました。
私はずっとこの場に居続けたいと思いました。
自分がそこに居たいと思えば
今まで他のことに使っていた
大事なお金と時間を
そこに費やすことができるようになるのです。
自分が望めばそこに居られるということです。
自分が好きなこと、
特に美しいものに触れることは
自分の魂が、細胞が喜ぶことなので
「魂に届く栄養」が得られて
エネルギーが奥底から湧いてきて
とても元気になります。
それは自然農法の野菜を食べ続けて
得られるエネルギーと同種なもので
「きれいなものに触れること」と
「きれいなものを食べること」が
自分の中をきれいにしてくれると
感じています。
いつか私もお茶席でお客様を
もてなす側になれることを目指し
今年も精進していきたいと思います。
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