3月6日、小田原・早川へ。
『かながわブランドコンダクターと生産者の交流会』に参加させて頂きました。
視察先①「小田原市漁業協同組合水産加工施設」
こちらの加工場はH18年のオープン。熟練者の方々が給食に提供されるチリ産銀鮭をおろすグループと小型のいさきのうろこ引きを行われるグループに分かれて作業をされている時間でした。いさきは定置網で採られた後、せりにかかり、漁港からこちらへ運ばれます。うろこを引き、3枚おろしにし、魚フレークに加工されるそうです。
小田原産の魚を加工して付加価値を上げることを目指す。地産地消ではなく、「地産多消」を目指している、とおっしゃっておられました。
数々の機械の説明をいただきました。
・「うろこ取り機」=水圧でうろこを取る機械。熟練者の4.5倍速でうろこが取れる。(掃除の時間を省くと)6倍速
・骨を取る機械:紐のやフライ用の開きに加工→機械内に刃があり、中骨と腹骨を取る。熟練者の6倍速。
・ヘッドカッター:赤外線で頭と腹ワタ、血合いを取れる!熟練者の4倍速。
・スキーナー:ローラーが回る→蓋に刃(0.02mm)がついていて皮のみが剥ける。熟練者の10倍速。
・パッケージャー:凍らせた魚の瞬間真空パックが可能。
・冷凍の為の機械:冷却時間が速い!上手く解凍すればドリップが出ず、味は生の魚に遜色無い!(熟練者で味の差が出ない検証済)
その他:
・干物干機:魚を開き→塩をした魚を入れる。通常天日干しと比べ、トリメチルアミン(魚臭さ)やヒスタミン(アレルギー物質)が生成のリスクが、軽減されるそうです。この機械に10時間魚を入れると、干した後、自動的に冷蔵庫となるため、鯵であれば1台で1500枚の干物が作れ、冷蔵が可能/やパッケージ用の機械、超低温冷凍庫、魚の胃の中の針を探知するための金属探知機/リキッドフリーザー:電磁波を出し、微振動させ凍結しにくくする(エチルアルコールはー30度でも凍らない原理)
まだまだ聞きたいお話は続きますが、残念ながらタイムアウト。
視察先②「水産技術センター相模湾試験場」
まず、目に留まったのは多数の定置網模型。(明治時代から現代にいたるまでの定置網模型が展示されている)定置網に魚が入る仕組みの説明をいただきます。水中ドローン(網の状態を確認する)や、相模湾に生息する魚のはく製も展示されています。
・相模湾における水産資源、漁況・海況、沿岸域の漁場環境の調査研究及び漁業技術の改良開発に関する試験研究や、(藤沢~湯河原町)水産業普及指導業務を行っておられるとのこと。
・アクリル水槽(回流実験水槽)にて、(潮流による網のかかり具合の変化や傷み具合等を調べる=定置網は規模が大きい分、潮流の影響を受けやすいため)研究をしている。水流の速さを、秒速30cm→1m→2mと段階的に上げてゆき、潮流の速さの違いによる定置網の状況の確認方法を視察しました。
視察先③「漁港の駅TOTOCO小田原」
道の駅、ならぬ日本初の漁港の駅!
小田原が持つ、自然豊かな漁場「魚(とと)の宝庫」から、『TOTOCO=ととこ』と名付けられたそうです。漁港から直送される鮮魚・活魚をはじめ、干物等の水産加工品や農産物、お土産等、1800もの商品をそろえる地場物産販売コーナーです。初めて目にする地元の会社の蒲鉾を購入しました。2階の飲食店エリアは大行列!人気の証ですね。
視察先④TOTOCO小田原の多目的室:『小田原あんこう(キアンコウ)』(R6年3月、かながわブランド認定)について、生産者さまよりご説明を頂いた後、あんこうのさばき方のデモンストレーションを頂きました。私たちもさばく作業をすると知り、(全員初めてです‼️)背筋が伸びると共にワクワクが止まりません‼️
『小田原あんこう』は、ヒラメ網の混獲魚として多く(10t近く)あがるそうです。
旬は12月〜2月と、他地域より獲れる時期がやや遅いこと、知名度が低いことが課題とのこと。
強みとしては小田原漁港で行われる、刺網漁業(網を魚の通り道を遮断するように張り、網目に魚が刺さる、絡ませることで獲る方法)により、『小田原あんこう』は1尾ずつ丁寧に水揚げされ、一晩落ち着かせた良い状態で活魚として出荷できることだそうです。
私たち3人グループが担当させて頂いたあんこうは大型のメスで10キロ程度はあろうかというサイズ‼️
時おり目や皮がぴくっと動いたり。。。まさに生命力の塊です。
大きいため時間がかかり、奥さまのさばきインストラクションから途中脱落し、力技に頼る部分も。
ただし、大事な7つ道具(肝/正肉/皮/ぬの(卵巣)/エラ/ヒレ/胃袋)を傷つけないよう、慎重を期してさばかせて頂きました。まさに鋭利な歯以外、捨てるところの無い魚。(厳密に言うと膀胱(があると知らなかった)と歯周りは廃棄)逆に浮袋は有しません。。。
奥さまに調理いただいた、身と皮のから揚げの美味しいこと‼️
デモの小型あんこう 我々グループのビッグあんこう お口周り 7つ道具
次号・・・持ち帰らせて頂いた7つ道具の調理編に続きます。