‘おいしい情報’をお届けするくらみきのメルマガ 第83号(2024.10.25) | くらみき食マガジン

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メルマガ掲載の食エッセイです!

皆さま、こんにちは。

Salon de Kurahashiクッキング・サロン 倉橋美樹です。

 

2024年の夏は、やっぱり暑かった!ウエザーニュースの発表によると、今年2024年の夏の平均気温偏差(その年の平均気温と、ベースとなる1991年~2020年の30年間の平均気温の差)は、速報値で+1.76度となり、今までの記録を大幅に更新した2023年度と並び、過去最高となったそうです。

 

三寒四温と言いますが。。。ぐっと冷え込んだり、10月も末というのに30度近くになったりと気温が乱高下!ノースリーブの洋服をしまうのが早かったかと悔まれる日がありました。でもやっと、秋が降りてきたように思います。

 

みなさま、ご体調には十分注意されてお過ごしくださいね。

 

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※コロナ禍で始めた、2020年3月~のメルマガ掲載レシピを、『くらみきHP』の『くらみき 簡単レシピ』に順次掲載しています。ぜひ、ご参考になさってください☆

 

https://ameblo.jp/salondekurahashi-recipe/

 

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=今月のトピックス=

 

数ある調味料の中でも、大切にしていて、好きなものが醤油と塩。今回は、醤油について取り上げてみたいと思います。

 

☆醤油の歴史

醤油の原型は、「醤(ひしお)」。。。紀元前700年頃の中国の古文書に記されていたものとされます。醤とは、当時あった貯蔵食品を総称したもので、この頃は漬物の原型の「草醤」、塩辛類の原型の「肉醤」、現在の醤油や味噌の原型の「穀醤」の3種類がありました。

 

・縄文末期・古墳時代=主に魚醤が作られるようになりました。

 

・奈良時代=中国から日本に伝わった文化を元に、漬物、味噌をはじめ、様々な発酵食品が作られるようになり、伴って「醤」が発展し、大豆や米、麦等を原料として使用するようになります。ただ、庶民が使う調味料は主に塩であり、醤は上流階級の人間が使う贅沢品だったようです。

 

・平安時代=一度、京都のお料理屋さんで平安時代の王朝料理を再現したお料理を頂いたことがあります。この頃には、醤の技術が進み、醤が固形から液体となりました。(まさに現代の醤油の元となるもののようです)王朝の正餐には、「四種器(よぐさもの」と呼ばれる貴重な、「塩・酒・酢・醤」が供され、好みの味付けをして食べられました。

あくまで王朝での話で、身分の低い人や庶民は塩と酢のみを使っていたようです。

 

 

・鎌倉時代=農業の発展で大豆生産が増加しました。醤の一種の味噌を作る工程上、醤油の原型となる、味噌桶の底にたまる「溜(たまり」を調味料として使うようになりました。

 

・室町時代=中期には現在の醤油に近いものができ、醤油、という字が誕生したのもこの頃とされます。末期には醤油醸造が関西で盛んになります。

 

・江戸時代=醤油の工業生産がスタート、原料に小麦も使用されるようになり、いわゆる濃口醤油が広まります。今でいうところのファーストフード、「屋台」=天ぷら屋、蕎麦屋、寿司屋等の外食産業が盛えたのもこの頃です。

 

余談ですが。。。醤油や酒、雪駄などの生活用品に至るまで、上方(関西)から江戸に送られたものは「下(くだ)りもの」と呼ばれ、珍重されました。品質の良くないものは、下ることができない=「下らない」ものといわれ、江戸言葉で価値のないものを表すようになったとか。今でもくだらない~、はよく使われますね!

 

・明治時代=文明開化により西洋の文化や風習が入ってくると、カレー粉等、西洋の調味料も日本で生産されるようになります。ただ、すでに醤油は庶民の生活に根付いており、飛躍的に生産量も増えました。

 

・昭和時代~現在=戦後、統制物資となり配給の規制を受けることもあった醤油ですが、目覚ましい技術革新により、機械化され、大量に生産され、海外へも輸出されるようになりました。現在では世界中で使われていますね。

 

=醤油発祥の地=

和歌山県有田郡の湯浅町。鎌倉時代1254年頃、紀州由良の禅寺『興国寺』の僧が中国で覚えてきた径山寺味噌(きんざんじみそ=野菜のこまぎれを漬け込んだ味噌の一種)の作り方を村民に教えていたところ、仕込みを間違え、偶然にできたのが「たまり醤油」だったとされます。

2017年4月に、醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅、として日本遺産に登録されました。

 

ちなみに、この4月に湯浅を訪問してきました。お醤油発祥の地のお醤油自体に興味があるのはもちろんですが。。。主人が興国寺で高校生の春に1週間程修行をしたとのことで、訪問したいと。その頃、お世話になった修行僧の方は、京都、妙心寺の第700世の管長になられたそうです。この日、社務所でご案内いただいた方も、その頃いらした寺男だったのではないかと、なつかしさを覚えておりました。

ちなみに、この興国寺の前のご住職もこの度、妙心寺管長となられるとのことで、同等の格の高さを感じた次第です。

 

お昼には美味しいお醤油を使った生しらす丼をいただき、訪問した「湯浅醤油」では醤油作りの工程を見学したり、バリエーションが広く、深い、各種お醤油のお買い物を楽しみました。

 

            興国寺         生しらすの定食       湯浅醤油

=醤油の名産地=

・千葉県:キッコーマン、ヤマサ醤油の本社がある千葉県、銚子と野田にて、日本全体の1/3の醤油・・・主に濃口醤油が生産されています。

 

・兵庫県:淡口醤油の一大生産地。(江戸時代から淡口醤油の生産が始まる)兵庫県の西部、龍野市が有名です。ヒガシマル醤油、お使いになっていませんか?

全国の醤油生産量の15%を占め、千葉県と合わせると全国の醤油の半分量がこの2県で生産されています。濃口醤油では、小豆島が有名で、関西では淡口醤油はヒガシマル、濃口はマルキンというのが一般的でした。

 

ちなみに拙宅では醤油は何種類かを使っていますが、そのうちのひとつに淡口、ヒガシマル醤油の限定商品『龍野の刻(とき)』があり、(年に一度の予約生産商品です)大切に使用しております。

 

=海外の醤油事情=

今やお醤油は世界中で使われる調味料となっています。フランスの星付きフレンチレストランでも、です。アメリカでは常備されている家庭も多く、白ご飯にお醤油をかけて食べることも珍しくないそうです。((+_+))

中国は日本に醤油を伝えた国ですが、現在では、中国から九州へのツアー客は九州の甘くて濃い醤油がお好みだそうで、大量買いされるとか。

 

=食べ方=

皆さまのお好きな醤油の使い方はどのようなものでしょうか。

今更ですが。。。私はシンプルにお豆腐やTKG(卵かけごはん)で、お醤油の持つ風味や味わいを直接的に感じられる食べ方が好みです。

 

さてさて、こっくりとお醤油ベースの味わいで炊いた煮物などが美味しい季節となりました。お醤油を掘り下げてみると、また一味、味わいが深くなったように感じませんか?

 

ぜひ、今月の『くらみき 簡単レシピ』をご参考になさってください☆

https://ameblo.jp/salondekurahashi-recipe/

 

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次回のメルマガ配信は2024年12月下旬(25日頃)の予定です。