尾高長七郎は、とてもセンシティブな人であった、のだと思う。
それが、彼の能力の元であり、また弱さの元でもあった。剣術然り、情報収集能力然り、変わり身の速さ然り。そして、身を滅すことになる。
私も、そして日本国も、その、長七郎の感受性の恩恵を、多大に、被っている。
栄一と千代を取り持ったのが、史実か否かは知らないが、きっとそうだと思う。天誅組の大和義挙を正しく受け止めて、高崎城焼き討ちを思い留まらせ、栄一を死地から救った。感受し過ぎて心を病み、誤って人を害め、幕吏の手に落ちる事によってさえ、栄一を慶喜と繋ぐきっかけとなった。
長七郎の、並外れた感度のおかげで栄一があり、私があり、おそらく今の日本の形もある。長七郎の霊に、感謝。