私がまだ10代の小娘だった頃


母方の叔母の影響もあり


毎週のように映画を観に行った。


当時は500円か600円ほどだったチケット。


中学生の小遣いはあっと言う間に消えて


おばあちゃんにねだったり


前売り券を買ったり、あれやこれや。


文庫本や漫画も買っていたから


どこにそんなお金があったのか?


思うに私の親は「本」を買うお金は


惜しみなく出してくれていた気がする。


なんていい親なんだろうと今更思う阿呆娘。


あのころは映画は2本立てが普通だった。


お目当ての大作にくっついて


所謂、B級映画と言われる実験的な映画や


名もない俳優や監督の話題にならない映画が


オマケのように観る頃ができた。


小学生の頃におばあちゃんに連れられて


弟や従兄弟たちと観たゴジラの映画には


加山雄三の若大将シリーズや


森繁久弥の社長漫遊記シリーズなどが


同時上映されていた。


中学生の頃はニューシネマが台頭していて


ヨーロッパ映画が多かった。


カトリーヌドヌーブ、アランドロン


ジャンポールベルモンドなどなど。


アメリカではダスティンホフマンや


ポールニューマン、キャサリンロスが


映画雑誌の表紙を飾っていた。


イージーライダー、ガラスの部屋、卒業


男と女、ジョンとメリー、書き出したら


キリがないほどたくさん観た。


高校生の時、今はなき矢場町のロマン座で


「ボギー俺も男だ」と言うB級映画を観た。


主人公の冴えないメガネの小男が


ウディアレンだった。


私はその小男にいたく心を惹かれて


彼の出演作はもとより、監督作品も


結構観たと記憶している。


風刺の効いたと言うか、斜めから見たと言うか


コメディだけど哀愁があり、ほっこりする。


人生なんて上手く行かない事の連続だけど


今日は結構いい1日だった    のような。


夢屋さんのブログ「動的平衡」で


ウディアレンの新作映画が紹介されていた。


最後に観たアレンの作品は「カイロの紫のバラ」


だったかな?


アレンも80オーバーの爺さんになって


もしかしたら最後の作品になるかもと


「サンセバスチャンへようこそ」を観てきた。


アレンお得意の見事な会話劇。


主人公はアレンの投影図なんだろな。


理屈屋で皮肉屋でめんどくさいインテリ。


こちらも婆さんなんでハッキリ言うが


なんの魅力も無いし、ただ哀れなだけ。


あの主人公と残り少ない老後を


共に生きたいとは到底思えない。


途中何度か瞼がくっつきそうになりながら


なんとか見終わった。


私も老いたが、ウディアレンも老いたな。


そしてその日2本目の映画は


「カラオケ行こ」


原作は和山やまさんの漫画。


書店で何度か手にしたけど未購入。


まっさらな状態で観たわけだが


笑った❗️


ヤクザと中学生男子の友情?とも違うな。


なんだろう、不思議な関係性。


とある組の若頭が綾野剛。


最近の彼はヤクザ役が板についてきた。


そのヤクザにお願いされて歌を教える


中学生に斉藤潤。


この子がまたいい❗️実にいい‼️


中3最後の合宿コンクールと


ヤクザのカラオケ大会が見事に並走する。


とにかく脚本が秀逸だと思う。


野木亜紀子さんだから当たり前か。


原作を買うことにした。




それにしても全編に流れるXの「紅」


あんないい歌だったのかと。


綾野剛の紅だー!の絶叫が笑える。