隣の芝生は青く無い

隣の芝生は青く無い

人の不幸大好き奥様たちのご近所事件簿


注意※完全なフィクションです

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日曜日に庭の手入れをしてるときに柵越しに恵美子に声をかけられた

「ねぇ、京子さんちょっとお茶しにこない?うちの主人仕事でいないし暇なんだ

 由利亜ちゃんもつれてこない?犬きらいかしら?」

「ううん、引越しのときお宅のワンちゃん見て可愛いーって騒いでたもの」

「じゃぁ決まりね、10分ぐらいしたら来て」

そういうと恵美子は家に入って行った

弘は寝室でテレビ見てるし、由利亜は遊び相手が出来るしちょうどいいか

と思い京子はお隣へ行くことにした

呼び鈴を鳴らすと、犬の鳴き声とともにドアが開いた

玄関で恵美子の後ろに2匹のトイプードルがちょこんと座っていた

由利亜は大喜びである

京子より先に玄関に入り犬の頭を撫で回している

「どうぞはいって」

と恵美子はスリッパを出してくれた

やっぱり建売住宅と違って、いくら隣でも家の作りはまったく違った

リビングに通され例の赤いソファに腰をかけた

いいにおいのする紅茶とお菓子が何種類がおいてあった

「由利亜ちゃん、お菓子どうぞ」

と恵美子が進めた、由利亜は嬉しそうにお菓子を食べている

一通り食べ終わるとまた犬と遊びだした

「ねぇ、京子さん子の間見てたでしょ、レストランで?」

京子はびっくりした、自分が見ていたこと知ってたんだ

「うん、みたけどなんか、声かけずらい感じがして・・・」

「いいのよ、そりゃ声かけずらいよね、知らない男と逢っててしかも子供がママって呼ぶんだものねー」

と言って恵美子は笑った

「恵美子さんの子供なの?」

「私の子供になるはずだったのよ」

「え、どういうこと?」

「主人と結婚する前に保母さんだって言ったじゃない、そのときに付き合ってた人なの

 子供は私の勤めてた幼稚園の園児だったの」

「あーそうなんだ「

京子はなぜかほっとして続けた

「ってことは、結婚するはずだったってこと?」

「そう、あの子なついてくれたし、子供いてもどうってこと無かったのよ私は

 でも両親がすごい反対で、あの人に父はお金を渡したのよ、娘と別れてくれって

 いまどきそんな話ないわよね、で、つれてきたのが今の主人ってわけ 

 彼とはもうなんでもないのよ、私だって曲がりなりにも人妻だからね、でも

 子供は違うわよ、そんな簡単に割り切れないよ、でも逢ってるのばれたら

 浮気してると主人は思うでしょ?だから内緒にしてるの

 私には好きなことさせてくれるし、いい旦那だと思ってるから内緒にしておきたいのよ」

「そんな事情があったのね、でも子供もいつかおかしいって思うとき来るでしょ?」

「今でもちゃんとわかってるのよ、本当のお母さんは死んでいない、私はママになれなかったってね

 でも、やっぱり私と長く一緒にいたから、私も本当の子供みたいに接してたしお互い納得いくまで

 この関係でいようって、彼ときめたのよ」

「そうなんだ、ご主人は何も知らないの?」

「自分と結婚する前に子持ちの人と付き合っていたってのは知ってる

 だって父の会社の部下だからね、父が無理に結婚させたみたいなところあったの最初は」

「今はうまく言ってるんでしょ?」

「そうね、普通の夫婦みたいになってきたのかも知れない」

「そうなんだ、うまく行ってるところに余計な波風立てたくないものね」

「そうよね、私やましいことしてないよね」

「してないと思うよ、でもどこかでばれたらどうするの?」

「それなのよ、傷つけたくないし誤解されるのもいやだしね」

「何もないなら、思い切って言ってみたら、ちゃんと話せばわかってくれるかもよ」

「そうだといいんだけど・・・・・」


そのとき、弘が家の中で京子を探している声がする

「京子、おーいいないのか?」

京子はあわてて

「寝てたから、ここに来ること言ってないのよ、帰らなくちゃ」

「ごめんなさいね、変な話聞かせちゃって」

「いいのよ、少し楽になった?誰かに聞いてほしかったんでしょ?」

「京子さんやさしいのね」

「そんなことないわよ、由利亜、帰るわよパパ起きたみたいだから」

「はーい、またねバイバイ」

と二匹の犬に手を振った


京子は玄関を入り

「ごめんね、お隣に行ってたのよ」

「お隣って、ご主人異端じゃないのか?」

「仕事でいないんですって、由利亜がワンちゃんと遊んでもらったのよ」

「由利亜、犬可愛かったか?」

と弘が聞くと

「うん、すっごく可愛かった、ユキちゃんとハナちゃんっていうんだよ」

と一生懸命犬の話をしていた

京子は急いでお昼の支度をした


小田家が挨拶に来たときの事を思い出した

恵美子さんが子供が好きっていったら、一成さん変な顔してたものね

「そういうことか」

思わず声に出てしまった


弘と由利亜は変な顔して京子を見ている