今回で2018年度予算の質疑の報告は最後になります。

 

3月5日の全款補充質疑の際に質問した、ひとり親家庭対象の訪問型学習支援についてです。福祉的な役割の重視をもっとするべきではないかという観点で質問しました。

 

----

〈かとうぎ桜子〉

ひとり親家庭自立応援プロジェクト経費の中の寄り添い型学習支援事業について伺います。

これは、ひとり親家庭に対する家庭訪問型の学習支援を今年度から実施しているというものですが、予算資料には来年度から拡充とあります。

まず、この事業の目的と具体的な内容、また、現在の実施状況を改めてお聞きしたいということと、来年度の拡充は、どのようなことを考えているのかをお聞きします。

 

〈生活福祉課長〉

区では、相対的貧困率の高いひとり親家庭に対し、平成28年度にひとり親家庭ニーズ調査を行い、本年度より、ひとり親家庭自立応援プロジェクトを実施しておりますが、当事業はプロジェクトの支援事業の一つとなっています。

 

当事業では、生活、就労、子育てと日常忙しいひとり親家庭の子育てを支援するため、ひとり親家庭の自宅に学習支援員を派遣し、こどもの基礎学力の向上に向けた学習支援を行い、また、こどもに関する相談などの生活上の支援も行なっております。

 

今年度8月から事業を実施しておりますが、現在は、26人のこどもが利用しております。

学習支援員は今年3月までで、月に3回程度、合計24回ほど訪問し、各家庭に寄り添った支援を行なっています。

 

来年度の拡充の内容ですが、ふだん忙しくて子どもの勉強を見てあげることがなかなかできないひとり親家庭にとって、子育てに関するニーズは高く、総合相談窓口でも多くの相談をいただいています。

来年度は、子育て支援を充実するため、募集世帯を増やし、35世帯に拡充する予定です。

 

〈かとうぎ桜子〉

この事業は、委託によって行われていると思います。訪問するスタッフ―今、学習支援員とご説明いただきましたが―、学習支援員や、コーディネーターの資格の有無や研修の実施状況をお聞かせください。

 

〈生活福祉課長〉

学習支援員のことに関してです。

学習支援員の資格要件はございませんが、委託事業者に対しては、ひとり親家庭の児童等に対して、適切な学習支援が行えるものの選定を求めています。

現在の事業者においては、当事業に適性があるものを学習支援員と選定しており、13名が支援に当たっています。

 

また、学習支援員の育成ということですが、支援実施前の初期研修のほか、年2回の集団研修を行い、児童とのコミュニケーションの取り方、教務内容、緊急時の対応を含む規則等の周知徹底を図っております。

11月には、フォロー研修を実施し、支援内容の振り返りや現場での課題確認、解決策の検討を行っています。

 

なお、学習支援コーディネーターですが、こちらも定まった資格要件はございませんが、現事業者におきましては、学習塾講師、家庭教師事業や他自治体の学習支援事業等の豊富な経験を有している方がコーディネーターを務めております。

 

〈かとうぎ桜子〉

実施している中で見えてきている課題があればお聞かせいただけますか。

 

〈生活福祉課長〉

今回、事業を利用されている家庭からは、学習支援を受け学習の習慣がついてきた、勉強や学校生活にも前向きになれたとご好評をいただいております。

 

課題についてですが、学習支援に特化した集団型学習支援とは異なり、訪問型学習支援は、各家庭に入ることで、学習以外にもその世帯の生活面での課題が見えてくる場合があります。

支援を行っていく中では、こどもが不登校状態の家庭や自宅に学習環境が十分に確保されていないような家庭もございましたが、学校教育支援センターや子ども家庭支援センターとも連携いたしまして、適切な支援を行なっています。

 

〈かとうぎ桜子〉

 この事業が学習面の支援だけではなくて、それを通じた子どもと家庭への福祉的支援が目的ということを考えると、スタッフの受け止める力が重要であると思います。

また、家庭を訪問するという事業は、利用する側にとってもスタッフにとっても、ハードルの高い面があるし、やりとりが周囲から見えなくなることによるリスクといった課題もあり、しっかりとしたフォロー体制が重要であると思います。

現場に対するフォロー体制をどのようにとっているかを伺います。

 

〈生活福祉課長〉

初回の訪問までに、先行説明会や事前訪問等で、学習支援コーディネーターなどと対象世帯が顔を合わせる機会を数回設定し、安心して自宅に迎えていただけるよう信頼関係の構築に努めております。

 

また、今回の利用世帯において、当初訪問での支援を拒否される世帯もありましたが、学習支援員やコーディネーターによる複数回の訪問や面談など、丁寧な対応をつとめることによって現在は、家庭での支援が行なえています。

 

〈かとうぎ桜子〉

現場のスタッフの支援の質の向上を図るための方策をとり、また、抱え込まない体制づくりをしていっていただければと思います。

それから、小学4年生から中学2年生までの対象ということなのですけれども、高学年だけではなくて、低学年からのかかわりが必要なのではないかと思います。その点はいかがでしょうか。

 

〈生活福祉課長〉

現在は義務教育課程において、学習支援の必要性が高いと思われる年代を対象としているため、中3勉強会などの他の支援事業がある中学3年生を除く、小学校4年生から中学校2年生までを対象としています。

小学校低学年の対象拡大ですが、当面はこの形式で進めてまいります。

-----

ずいぶんと丁寧な答弁をしていただいたんであせるおー、そのペースで答弁してくれると6分では足りないよー、という感じで、案の定最後が尻切れトンボですが。。

なぜ、今よりも対象範囲を拡大した方がいいと考えるのか、ということを説明する時間がありませんでしたが、つまり、今対象になっている高学年以降のこどもは、思春期の悩みを抱えたり、人間関係の難しさが出てくる年代といえると考えたからなのです。

この事業が単に学習を支援することを目的としているのではなく、学習環境を整えることやそれを通じた親子への支援を目的としているのであれば、小学校低学年から関わりを持つ機会を設けて、こどもが幼いうちから周りが支える体制を作っていくことが有効ではないかと考え、それを指摘したいと思ったのが最後の問いの意味でした。

 

現場スタッフのあり方も含め、もう少し事業の趣旨に立ち返って福祉的な役割について重視すべきではないかと思います。