ごみの収集をする清掃のお仕事をしている人たちがこどもたちに環境学習をしているというとりくみのことを以前の議会で取り上げましたが(こちら)、今回は「あしすと」というものと戸別訪問収集という、福祉的な観点からの取り組みを取り上げました。

 

行政の仕事はいかにお金をかけずに効率的にできるか、ということがよく言われていて、ごみの収集もそういう文脈で語られることが多いですが、私は行政の仕事というのはそもそも何のためにどういう役割を持っているものなのかをもっと考えなければいけないと思っています。

今回ご紹介する清掃に限らず、絶対やらなければならない必要最低限の仕事(清掃でいうなら、集積所からごみを収集するということ)だけではなくて、そこから派生して見える生活課題に気づき、他の行政サービスとつなげたり、足りない部分は新たに体制をとったりしていくことができるところに意味があるのではないかと思うのです。

 

そういう点で、今回ご紹介する話は、きっとみなさんにも興味を持っていただけるのではないかと思います。以下をご覧ください。

 

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(2017年2月23日の予算特別委員会にて)

(かとうぎ桜子)

清掃作業運営費に関連して伺います。

2013年に区議会で「あしすとの試行」という報告がされています。

ごみ出しの支援ということで、2013年9月から2015年3月まで試行するという報告でした。これは改めて、どういう事業なのか、まずご説明ください。

 

(清掃リサイクル課長)

高齢の方、あるいは、精神障害のある方等で、ごみの排出が困難なために、ごみを室内、または敷地内にため込んでいるケースにおいて、ごみの排出を支援することにより、生活環境の改善や地域の良好な住環境の保全を図ることを目的とする事業です。

 

(かとうぎ桜子)

今、ご説明いただきましたけれども、そもそもこの事業を始めようということになったきっかけは何だったのかをお聞かせいただけますか。

 

(清掃リサイクル課長)

清掃事業の区移管後、清掃事務所は、高齢の方や障害のある方を対象に、自宅からの粗大ごみの運び出し収集に取り組みました。

そうした中、室内にごみがたくさんで生活できない状態にある世帯を目の当たりにしまして、未然に防ぐことができないかといった職員の提案が発端になりました。

また、福祉部や健康部におかれましても、同様の問題意識を持っていたために、3部合同の事業実施につながったものです。

 

(かとうぎ桜子)

まず試行期間があって、それで実施しているということですけれども、この試行期間中の取り組みを踏まえて、どのように課題を整理し、その後進めてこられたのかをお聞きしたいということと、あと、昨年度の実施の件数をお聞かせください。

 

(清掃リサイクル課長)

1年半の施行を経まして、あしすとを必要とするのは2つの場合があることがわかりました。

1つは、高齢化や体調の悪化に伴いまして、ごみの処理ができなくなり、いわゆる、ごみ屋敷化することを防ぐために、ごみ出しの支援を行いまして、生活環境の改善を必要とするケースです。

もう1つは、施設入所等に伴いまして、部屋の片づけが必要となるケースです。

 

前者の生活環境を改善するケースについてはあしすとA、後者の入所等のケースについてはあしすとBとして、それぞれAとBの実施体制について整理を行ないまして、清掃事務所職員のかかわり方というものを明確にいたしました。

なお、平成27年度の実施件数です。トータルでは289件、そのうち生活環境改善のあしすとAは37件、あしすとBの方は252件でした。

 

(かとうぎ桜子)

施設入所などでお家にその方がいなくなっているところを片づける場合と、いらっしゃる状態で生活改善を図っていく場合とあるということで、件数としては生活改善の方が1割強であるということですが、清掃の所管として、福祉事務所等との連携やご本人との意思の確認など、事前の準備も含めて、どのように実施されているのかをお聞きします。

 

(清掃リサイクル課長)

まずは、福祉事務所や保健相談所がごみ出しの支援が必要な世帯を把握しまして、あしすとによる支援が必要であると認めた場合、ご本人、または当該世帯や親族の同意を受けた後に清掃事務所へあしすとの依頼を行ないます。

そうした依頼を受けました清掃事務所の方としましては、職員が福祉事務所等の職員立ち会いのもとに現地に出向きまして、まずは現状確認を行います。そして、作業上問題がないと判断した場合に、下見から数日後にごみ出しの支援を実施いたします。

こうした支援を実施した後は、福祉事務所等の職員が、こういった方の生活環境が悪化することのないように見守りを続けていく仕組みとなっているところです。

 

(かとうぎ桜子)

ごみを出すのは誰でもみんなやることで、生活上必ず必要なことですけれども、それができない人がいらっしゃるということに目配りをして、福祉的なところからかかわっていくことは、行政の役割としてとても重要なことだと思いますし、それから、現場を見て、そこから見えてきた課題に取り組んできたということは、とても重要な取り組みではないかと思っております。

 

それで、もう一つ、同様に福祉的な点から取り組んでいらっしゃる戸別訪問収集なのですが、「ねりまのかんきょう」という報告の冊子に毎年の実施件数が載っていますけれども、昨年度は1,281件ということで年々利用世帯数が増えているようです。ごみ出しを通じて、ご高齢の方や障害のある方の安否を見守る役割も大きいかと思いますけれども、この意義をどう捉えているかということと、あと、災害時の安否確認もされているということですので、その訓練の状況などもお聞かせください。

 

(清掃リサイクル課長)

ごみ出しの支援による生活環境の改善や日常的な見守りの一環になれることと、災害時の安否確認につなげられることに大きな意義があると認識しているものです。

また、安否確認訓練については、平成23年度から毎年実施しておりまして、最初は区の震災訓練の一環として行なっておりましたが、一昨年度からは、それとはまた別の日にということで、すべての曜日にできるように実施しているところでございます。

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最後のほうが時間切れでかなり早足になり、少し分かりにくいので補足を書きます。

「戸別訪問収集」は65歳以上、または障害を持っていて日々の集積所までのごみ出しが難しく、身近に協力を得る人のない世帯が利用できるものです。

玄関先までごみを収集に行くので、しばらくその世帯からごみが出ていなければ、何かあったのではないかと、地域包括支援センターやその人が利用しているヘルパーの事業所などに確認の連絡をしてくれるという、安否確認の役割も果たしています。

普段、ごみ出しが難しい方なので、災害が起これば自力での避難も難しいかもしれない。そこで、災害が起こった時には戸別訪問収集の対象者のところには清掃の職員が手分けをして安否確認をすることになっています。その訓練を年1回やっているのですが、ごみの収集は地域によって曜日が違うので(たとえば私が住んでいる学園町4丁目は可燃ごみは水曜・土曜ですが、場所によって火曜・金曜という地域と月曜・木曜という地域もあります)、訓練の日が区の震災訓練に合わせていつも土曜日だと、訓練に参加できる職員も協力してもらう家も偏ってしまう。そこで、その年によって今回は金曜日、今回は月曜日、と訓練の実施曜日を変えることでまんべんなく訓練に参加できる工夫もしているということでした。