またもブログの更新が遅くなってしまい、申し訳ありません。

 

前回のブログでは、昨秋に区民生活委員会の視察で香川に行って、高松丸亀町商店街の話を聞いたことを書きました。

同じ視察で、「瀬戸内国際芸術祭」のことを聞きましたので、今回のブログではそのことを報告します。

 

もともと、この地域では福武財団が瀬戸内海の直島でアートプロジェクトを行なったり海を使って芸術の取り組みをしていました。(そのことはこちらのブログにも書きました。)

そこで、地元の自治体も協力しながら一緒に芸術祭をやったらどうかということが、県の若手職員から発案されて香川県や高松市など周辺の自治体が参加する形で始まったようです。

 

越後妻有アートトリエンナーレ」を参考にしながら2010年にスタートしたこの芸術祭は3年に1回のペースで行なわれているため、今回が3回目です。

室内の展示スペースで見るというよりは、公園や瀬戸内の島々を活用しながら楽しむようになっています。(会場は高松港・宇野港周辺のほか、直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島など。)

第2回目からは、この地域の四季折々の良さを知ってもらえるようにということで、春・夏・秋の3期にわけて1か月くらいずつ実施する形にしたそうです。過去2回の芸術祭では10万人前後の来場者があったそうで、30代までの若年層が5~6割を占めるということでした。平均宿泊数は2泊で、一般的な観光で訪れるよりも少し長い傾向がみられるそうです。地元の自治体としては芸術祭を通じて、ふだんとは違う客層が訪れてくれ、長く滞在してくれるメリットがあるそうですが、一方で芸術祭の会場となっていない場所まで足をのばしてもらうという点は課題であるとおっしゃっていました。

 

今回視察で訪れたときは3回目の3期目が2016年11月6日まで行なわれているというところでした。

 

視察では島に行くことまではできませんでしたが、高松にある栗林公園の中の展示を見ることができました。公園を散歩しながら可愛らしく親しみのある芸術作品に触れられるので、芸術に詳しくなくても気軽に楽しく芸術と出合える素敵な取り組みだと思います。

 

(栗林公園は、公園そのものがとても素敵)

 

 

 

 

(この公園の中に、芸術作品が展示されています)

 

 

 

(おんまさん)

 

(公園の緑の背景にビルがあって邪魔だからということで、ビルにあわせて緑色で塗りつぶして、ビルが見えなくなるしくみ(?)の額縁)

 

 

私は四国に行くのは今回が初めてでした。

そこで、委員会としての視察が終わってホテルでいったん休憩をとれる時間を使って、まちを歩いてみました。どんな雰囲気の地域なのか、知りたいからです。

ホテルから高松港まで歩いてみて、島がいっぱいあるんだなあということを再認識。

 

 

そのうちの一つが、大島でした。

 

大島には国立ハンセン病療養所・大島青松園があります。

 

私が高校生の頃、ハンセン病の患者さんを隔離する「らい予防法」が廃止されました。病気にかかったことを理由にして、たとえ治癒しても一生涯隔離され続けるような法律が、私が高校生になるまで続いていたことにショックを受けて、大学時代は頻繁に東村山にある国立ハンセン病療養所・多磨全生園に通っていました。学生時代ほどではありませんが、全生園には今もたまに訪れることがあります。全生園は昨年上映された映画「あん」の舞台でもあります。

全生園には秋津や清瀬からバスで行くことができます。病院などが多い地域でありますが、住宅街と地続きの立地。中に咲く草花がとてもきれいで、今では桜の季節には地域の人がお花見に訪れて賑わっていますし、ふだんからお散歩をしている人も多いと思います。

また、全生園は広大な土地なので、今はその一角を活用した保育園があります。

このように、全生園を見ていると、法律廃止から20年たって地域に開かれた施設になってきたことを感じていました。

 

しかし今回、高松港のフェリー乗り場で「大島に渡る人は、大島青松園の許可を得てください」と書いてあるのを見ました。

 

法律が廃止されても、島のように物理的に隔離された状態にある療養所は、今でも隔離に近い状態が続いていることを感じました。許可を得なければフェリーに乗れないならば、全生園のように地域の人が気軽に立ち寄ることはできないのではないかと。

(ただ、たまたま年末出会った高松出身の若い子が「療養所があるので、学校でハンセン病のことを習いました」と言っていたので、地域ではハンセン病の啓発は進められているのだと分かり、少し安心しましたが。)

 

そういう状況の大島にも、国際芸術祭の作品が展示されています。高松市の担当の人に聞いたところ、芸術祭の関連企画で、芸術祭に関わっているボランティアさんと協力しながら「ハンセン病を正しく理解する学習会」も実施しているということでした。

 

隔離の過去を持つ場所がここにあるからこそ、芸術という、違うアプローチでハンセン病問題を知るきっかけを持つことができるなら、それはとても良いと思いました。

 

芸術祭は今度は3年後ということになりますが、いつかもっとじっくり見学しに行ってみたいなと感じました。