9月30日の決算特別委員会は「全款補充質疑」でした。今まで質疑をしてきた中で、十分にできなかった部分を補充して質疑をする日です。この日は、(短い時間なので本当に少しずつ触れる形になってしまいましたが)3テーマで質問しました。


今回はそのうちのひとつ、福祉避難所のことについてご紹介します。


福祉避難所については、東日本大震災以降、折を見て質問していますが、なかなかまだまだ課題があります。それはおそらく、練馬区だけのことではなく、多くの自治体の持つ課題であるとも思います。

色々な方策を通じて、福祉避難所となる予定の施設の従事者が中心となって、現場に即した対策を取っていくことが必要であると思っています。

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(かとうぎ桜子)

福祉避難所運営費について伺います。


今まで福祉避難所のマニュアル作りや、当事者・地域の人も一緒に実施する訓練の必要性などを指摘してきましたが(→こちら )、災害時を想定した福祉避難所の訓練などの最近の状況について伺います。


(福祉部管理課長)

このたびの熊本地震の福祉避難所の開設ができなかったという状況ですとか、あるいは、開設されていることを知っているにもかかわらず避難をすることをためらってしまった方が大勢いたことは、報道でも十分みなさんも承知されていると思いますし、区としてもこのことを非常に重く受け止めさせていただきました。


現在は、福祉避難所の体制を練馬区として整備していくことで、各種の取り組みを進めているところです。



まず、区独自ができることとしましては、これは昨年12月になりますけれども、福祉用具が不足した場合に、日本福祉用具供給協会の方から、そこに加盟している事業者から優先的に供給してもらうことで協定を締結したところです。



もうひとつ、福祉避難所がもっと自分たちで能動的に取り組みを進めていきたいという、そう考えてほしいという思いがありまして、例えば、今は通信訓練ですとか、具体的な取り組みを進めているところです。


(かとうぎ桜子)

取り組みの中で、福祉避難所に対して能動的な取り組みを進めてもらいたいということでしたけれども、その点について、具体的にどのようなことをされているのか、もう少し詳しくご説明ください。


(福祉部管理課長)

まず一つには、昨年度は福祉避難所など47か所(※福祉避難所39か所+福祉事務所4か所+障害者施策推進課、障害者サービス調整担当課、高齢社会対策課、高齢者支援課)に51台「MCA無線」といったものを配備いたしました。

これについて、今年の7月から月1回ほどですけれども、福祉避難所と区関係課との定期的な通信訓練を行なっているところです。


例えば、高齢系の福祉避難所であれば高齢社会対策課と、あるいは障害系の福祉避難所であれば障害2課と、月に1回通信訓練を行なっております。


こういったところを通じて、それぞれの施設が「福祉避難所なのだ」と、「こういう訓練を通じて体制を整えていかなければいけないのだ」ということを実感して、能動的に動いていただけるようになればと思っております。


もう一つ、備蓄の物品を充実させたり、入れ替えるということを通じて、考えていただきたいということをやっております。


まず、今年5月には、福祉避難所に防寒対策として、約3000枚の毛布を備蓄するようにいたしました。また、使用期限が迫っている非常食とか水といったものを計画的に入れ替えることをこれからやっていきますけれども、それをまず8月にやりました。

こういった入れ替えをするタイミングで、それぞれの施設の職員が実際に備蓄物品に触れることを通じて、例えば、「それを訓練の時に使おう」であるとか、そういったことも考えていただく契機になるのではないかと考えて、取り組みを進めているところです。


(かとうぎ桜子)

先ほど、管理課長からもお話がありましたけれども、熊本地震でなかなか福祉避難所がうまく運営できなかった部分もあったということですので、福祉避難所となる予定の施設とも協力をしながら、今後課題を整理して取り組んでいただきたいと思います。