熊本地震が起き、今後練馬区として引き続きの被災地支援で何ができるのか、またそこから学んで区としての災害対策にどう活かすか、という観点で質問をしました。

---------


(かとうぎ桜子)

災害対策について伺います。


4月14日以降、熊本県、大分県を中心に大きな地震が起こっています。大きな地震が何度も繰り返し起こるという状況の中、練馬区も熊本県内に職員を派遣して応援するなどの体制をとっていますが、今、復旧復興のために必要とされていること、そして今後の課題について伺います。


まず、区職員の派遣について伺います。4月20日以降、物資の支援、被災状況の調査、罹災証明の発行や被災地の要望把握などの支援のために練馬区の職員が熊本市や益城町などに派遣されていると聞きました。


報道されているところによれば、今回被災した自治体では、避難所運営などの対応と並行して早急に実施しなければならない被災した家屋の調査や罹災証明の発行がスムーズにいかない課題があるといわれています。行政職員も被災している中で災害時のスムーズな対応を確立させることはとても大変なのだと改めて感じます。


一方で行政ができる限り早くスムーズに動ける体制をとって被災者支援の基盤を作ることは、ボランティアや民間団体の力を活かすためにも重要であるということも改めて考えさせられました。

災害時、迅速に被災者支援の基盤をつくるために、他の自治体職員への協力要請を積極的に行なうことも含め、行政はまず何をすべきか、行政職員はどう動くのがいいのか、検証が必要です。


そしてこうした点は、行政職員でなければ分かりづらい課題もあり、一般的な報道等からだけでは十分に実態が見えてこず、社会での共有がしづらい面があるのではないかとも考えます。そこで、被災していない自治体の職員が応援に行き、ニーズを把握してサポートを続けること、そしてそこから学んだものを広く共有しながら今後の災害対策に生かすことがきわめて重要であると考えます。そこで何点か伺います。

まず、現地に行った職員から、被災した現場の課題について現時点ではどのような報告を受けているか、お聞かせください。また、現場の声をしっかり整理するには一定の時間を要すると思いますが、今後、区としては今回の経験から見えてきた課題の整理をどのように行なっていくか、お聞かせください。

二点目に、特別区全体での課題の整理と被災地への今後のサポートについて伺います。


行政職員の派遣は特別区全体で役割分担しながら実施しています。


練馬区の職員だけでなく、それぞれの区の職員の方々も、派遣されたときに現場でさまざまな課題をお感じになっているでしょうし、その課題を踏まえて今後現地に必要なサポートをお感じになっているでしょう。こうした現場の声を整理して今後、特別区としての支援をどのように考えていくのか、方向性について、特別区での協議や検討があればお聞かせください。

三点目に、区としての災害対策の見直しの方向性について伺います。


避難所運営や物資の仕分け、罹災証明の発行など行政がやらなければならない対応について、今回の震災をふまえ、改めて区としての体制を検証していく必要があると考えますが、今後練馬区としてはどのように災害対策の見直しを進めていくか、お聞かせください。

四点目に、今回の震災を踏まえた、区民に対する防災への啓発について伺います。


大きな災害が起きた時に行政が果たす役割は大きいものですが、先ほども述べましたように、住民にはなかなか見えづらい部分でもあります。そのため、行政職員がその専門性を活かして被災地支援をすることで見えた課題を今後の災害対策に生かすために区民のみなさんと情報共有していくことも、防災意識の向上のために必要であると考えます。今回の経験をふまえ、今後、どのような防災の啓発を進めるか、考えをお聞きします。

五点目に、今後の被災地支援について伺います。


災害が起きてから一定の時間を経過すると、次第に被災地の状況を伝える報道も減りますので、被災していない地域の人にとっては被災地の現状を知る機会が減ってきてしまいます。そのため、ボランティアに行く人や募金もだんだん減ってしまうという課題があります。


しかし、被災からの復旧復興には時間がかかりますし、観光や農業なども被災前の状態に戻るまでには時間がかかりそうです。農業や小規模事業所の方たちが、被災した状態から仕事を立て直していくのも大変なことであると聞きます。東京にいる私たちとしてできることは、被災した地域の状況をずっと知り続けること、そしてその時々に必要な応援を続けることではないかと考えます。そこで、練馬区としても被災の状況や必要とされているものの把握の努力を続け、区民への情報提供をしながら引き続き募金など支援の呼びかけをしていくことも必要です。


また、例えば農業や観光、産業振興の観点からの交流や応援なども被災地支援につながるのではないでしょうか。たとえば今後の練馬まつり、照姫まつりで熊本のブースを出すといった継続的な発信もすべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。


次に、耐震改修について伺います。

練馬区はこの5月、新たな耐震改修促進計画を作成しました。今回の地震の状況をふまえて、国が耐震の基準の見直しや耐震性の向上の方法について検討していくという報道もありましたが、区としても今後さらに必要とされる耐震の施策について調査を進めつつ、区民への耐震への情報提供、啓発をより進める必要があります。そこで何点か伺います。


まず、耐震の現状についてお聞きします。今後耐震の基準などが変わる可能性があったとしても、少なくとも現在の耐震基準を満たしていくことは最低限必要なので、まずは今考えられる対策を進めていく必要があります。

民間建築物の耐震の現状としては住宅の耐震化率が推計で84.7%、災害時医療機関等は78.3%、私立幼稚園・保育所は89.2%ということが示されていますが、このように多くの民間施設で耐震化率が9割に満たない状況である要因はどのようなものであるか、区としての考えをお聞きします。

二点目に、今後の進め方についてお聞きします。


未耐震の施設の耐震化を進めていくとのことで、計画には今後5年間の達成目標が示されています。耐震化を進めるにあたっては、アドバイザーの派遣や助成など、区が実施している支援を分かりやすく伝えていくことが必要ですが、具体的にはどのような手法で今まで以上にわかりやすい啓発を進めていくのかをお聞きします。また特定既存耐震不適格建築物への指導、指示、公表は今後どのように進めていくのか、お聞かせください。

耐震についての知識を得る機会がない、あるいは経済的に耐震化への対応が困難であるといった理由で災害時の被害が拡大しないよう、区としてさらなる対策を進めることを求め、次の質問に移ります。


(区長)

お答え致します。災害対策についてであります。


私は区長就任以来、震災への危機感が心を去ったことはありません。今、仮に、ここで大震災が起きたとしたら、72万区民の生命・財産を守るため自分はどう行動すべきか、いつも考える習慣が身に付いてしまいました。


しかも大きな震災では、必ずと言って良いほど想定外の事態が起きます。その場、その場の状況に応じて、臨機応変に、的確に対応をする必要があります。今後、熊本市など被災した自治体の教訓や、派遣した職員の貴重な経験を災害対策に活かして防災力の向上を目指してまいります。


私からは以上であります。その他の質問につきましては、技監および関係部長に答弁させます。

(技監)

私から民間建築物の耐震化についてお答えします。


首都直下地震の発生が切迫する今日、建築物の耐震化を進めることは、喫緊の課題です。

これまでの取り組みにより、区立施設については、概ね耐震化が完了しました。民間建築物についても、一定程度進んできているものの、医療機関など施設運営をしながら工事を行わなければならないことによる制約、分譲マンションにおける区分所有者の合意形成、回収に要する経費の問題などにより、未回収の民間建築物も数多くあります。

今後、緊急輸送道路沿道建築物などより早期に耐震化が必要な建築物について、重点的に取り組んでいきます。戸別訪問を行ない、各々の状況に即した対応、相談を行い、支援制度の活用を働きかけていきます。具体的な取り組みの進展が見込めない所有者に対しては、必要に応じて、法に基づく指導、指示、公表を行い、耐震化を促してまいります。


(危機管理室長)
私から、災害対策についてお答えします。


はじめに、被災地派遣の報告についてです。

平成28年熊本地震で派遣した様々な職種の職員は、各職場において報告会を開催するなど、既に情報の共有を図っています。また、派遣職員報告会を、区ホームページで区民に公開しています。今後明らかになる災害対応の課題は、区の状況に当てはめながら整理していきます。

次に、特別区全体での支援についてです。

特別区長会では、地震の発災翌日、被災地支援の申し合わせを行ないました。それに基づき、23区一体となって被災地の要請に応じて、支援物資の提供や職員の派遣を続けています。


次に、災害対策の見直しについてです。

災害の教訓を、今後の災害対策に活かすことは当然のことです。東日本大震災では、帰宅困難者対策が大きな課題となりました。区は、これまでも災害から学ぶ課題を整理し、業務継続計画や各部マニュアルを適時、修正してきました。熊本地震についても、同様に対応してまいります。


次に、防災への意識啓発や被災地支援についてです。

熊本地震の被災状況、水や食料の備蓄の必要性、避難所の運営状況などについて、地域の防災訓練や各避難拠点の会議で、既に情報提供を始めています。また、防災学習センターに、被災地の状況を継続的に展示するなど、息の長い支援、啓発活動が必要と考えています。

------


ひとつ答弁で気になった点…


「派遣した職員の報告会を区のホームページに公開しています」とありますが、リンクを開いてみると分かりますが、書かれているのは以下のようなことです。


「区は4月28日、被災地で支援業務を行った区職員7人による、被災地派遣報告会を実施しました。

派遣職員は、被災地の現状や、実際に行った支援業務の内容、今後必要と思われる支援等について、前川燿男練馬区長に報告を行いました。

前川区長は、「自治体が自治体を支援するのは、地方自治の本旨そのものであります。72万区民を代表して、被災地の支援を行ってきた皆さんを誇りに思います。」と職員をねぎらいました。」

というのがその公開されている内容です。


これでは、派遣職員が報告した内容が何なのか、分からないですよね。


この掲載内容はまだ4月の時のことなので致し方ないとしても、今後、せっかくの経験をより分かりやすく共有していく必要はあるという考えで、私は指摘をしました。その点、質問の趣旨と答弁が噛み合っていないということをここに書いておきます。