2月10日の一般質問の内容をすべて報告するのに1カ月くらいかかってしまいましたが、今回が最終回です。

 

(かとうぎ桜子)

最後に、こどもの虐待と児童相談所の区への移管についてうかがいます。



 

都区のあり方検討 の課題の一つとして児童相談所の区への移管が挙げられており、この課題に関しては2012年から別途検討の場が設けられてきた経緯があります。

現在、児童虐待に関しては練馬区でも子ども家庭支援センターで対応し、一時保護を要するなど重篤なケースは都の児童相談所が対応する形になっています。



 

人口70万を超す練馬区で一体的な子ども家庭支援をしていくために児童相談所が区に移管されることは肯定的に捉えられる面がある一方、人材の確保や体制整備、一時保護施設をどうするかなど様々な課題もありますし、また、児童相談所は虐待対応だけではない様々な児童福祉の役割を持つため、幅広い観点からの体制整備も必要となります。

一方、昨年から国では社会保障審議会で「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会 」が開かれ、虐待を受けたこどもと家庭のケアや保護、社会的養護についての議論が行われています。国の考え方が整理されたところで改めて都区の役割分担を検討する必要が出てくるかと思いますが、練馬区としてはこれまでの国や都区の検討状況をどのように捉えているか、考えをお聞かせください。


 

(子ども家庭部長)

児童相談所は児童福祉の中核を担っています。何よりも子どもたちのために、どのような体制が望ましいのかという観点で考えなくてはなりません。したがって区としては、児童虐待対応だけでなく、里親委託や一時保護、専門的調査、診断など幅広く総合的な視点から、児童相談所のあり方を協議してまいります。また、移管に際しては専門的な人材の確保、一時保護所の設置・運営、財源確保といった多くの重要課題の解決が不可欠となります。

現在、東京都と特別区において、実務レベルでの検討を行っていますが、区としては、国における児童虐待防止対策の強化に向けた動向を注視しながら、複雑化かつ深刻化する児童虐待対応に向け、東京都とのより強固な連携を図ることが急務であると考えています。

 

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もともと、特別区は一般の市町村とは財政や事務が少し違う部分があります。

たとえば固定資産税や法人住民税などは一般の市町村はその市町村の財源となるのですが、特別区の場合はいったん都が集めてそれを23区に再配分する形をとっています。23区の中でも都心部で土地が高く法人の多い区もあれば、人口が多いけれど会社は少ない区もあるので、ニーズに応じて再配分するためです。それが都区財政調整制度なのですが、区から集めたこれらのお金を全部23区に配分しているわけではなくて、45%は都が持ったままにして、その分消防や上下水道など一般の市町村がそれぞれやっている仕事の一部を都がやっています。

特別区は各区の自治を高めるために都からの財源と事務の権限の移行を求めて話し合いを続けていますが、「都区のあり方検討」全般については現在止まっている状態だそうです。

 

その中でも、児童相談所について区に移管してほしいという議論については、都区のあり方検討全般とは分けて協議を続けようということになったという経緯があります。

 

一方で、国でこども家庭福祉、社会的養護のあり方が検討されてきたという経過もありました。今回の質問では改めてその経過を整理しました。

 

 

私が上記の質問をした1ヶ月後の3月10日に国の社会保障審議会「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会」が開かれました。

そこで示された資料「専門委員会報告案 」(左記リンクの12ページ)に、「原則として中核市及び特別区には児童相談所機能をもつ機関の設置を求め、財政的理由や専門職の確保の困難さから設置をためらうことがないよう、国及び都道府県は中核市及び特別区の人的・物的基盤を積極的に援助する必要がある。」と記載されました。

これを受けて、「特別区でも児童相談所が設置されるように児童福祉法の改正案が出される」という報道がなされました。(たとえばこちら

 

私が質問した段階では、こうした国の基本的な考え方がいつ頃示されるのか、どういう内容になるのかはまだ分からない状況でしたが、ここへきて国の動きが出てきそうなので、これからいよいよ具体的なことが動いていくかと思います。

 

区が懸念していた、財政的理由や専門職の確保の困難さについても委員会報告の中でも触れられていますので、具体的にきちんとした対応がなされるかという点も見ていく必要があると思います。