2月10日に一般質問をしました。区議会のホームページに動画 が載っています。2月10日の後半のほうですので、ご覧ください。

これからしばらく、ブログでその内容をご紹介します。



私の質問、行政からの答弁、答弁を聞いて私が考えたこと、の順に掲載したいと思っております。

今回は、「区政改革についての区長の基本姿勢」です。



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(かとうぎ桜子)

区長の基本姿勢についてうかがいます。




総務省は地方自治体の行財政改革として、サービス改革の見える化、トップランナー方式 の導入などを掲げています。しかしその内容は、どれだけ委託を導入できたか、経費の削減ができたかを評価していくというものであり、内容的な改善ができたかどうかを評価するものではありません。




トップランナー方式は、経費削減できた自治体の例を参考に地方交付税の基準財政需要額の算定に反映させるというもので、来年度は学校用務員事務や道路維持補修・清掃等、一般ごみ収集、学校給食等16業務に着手するという考え方が示されています。委託の進捗状況をサービスの質ではなく金額で評価するしくみであり、このように金額に偏った事業評価をすることは長期的な視点で見て地域を壊す危険性があり、このような考え方が日本社会全体に広がることを懸念します。



区は12月に「練馬区の「これから」を考える」という資料を公表しましたが、その中には区政の現場を支える職員や外郭団体についても記載されています。

そこでお聞きしたいのは、区民と直接関わり、それぞれの生活課題を見て、施策の課題も感じている区の職員や外郭団体の職員の現場の声をどう施策に活かしていくかという点です。




現在練馬区は指定管理者制度や業務委託などの手法で、区民に関わる多くの事業を民間に任せていますが、区民にとって一番良い方法は直営なのか、あるいは委託するにしてもどういう事業者に任せるのか、その事業についてどんな評価基準を設定するか、また委託した現場の声をどう聞き取っていくか、外郭団体との関係はどのように整理するのかなど、よりよい区民サービスにするための課題があります。




12月の第四回定例会では多くの指定管理者の指定議案がありましたが、区の評価結果を拝見していると、指定管理者制度を導入するにあたり、区が第一に必要であると判断しているのは「今まで直営の時にやっていた事業を最低限、引き続き実施することができるかどうか」であると私は理解しました。運営主体が変わることで今までその施設を利用してきた区民に負担をかけないために、この視点は必要ではあると思います。ただ、それが単に物理的に「この業務ができている」「この事業者は同種の実績があるから大丈夫」ということだけで判断するのでは不十分であると考えます。区としては、その事業を行なうにあたってどういう理念を持って進めるのか、現場はどういう価値判断を大切にするのかを明確にする必要があるのではないでしょうか。




例えば、先にあげた総務省のトップランナー方式の対象とされているごみ収集は練馬区では区民への啓発や高齢者への対応・災害時対応など工夫をしながら進められてきましたし、学校用務も災害時の避難拠点となる学校で果たす役割など、地域とかかわる大きな役割を持っており、単に最低限の本来業務ができて経費が削減できれば良いというものではないはずです。




単に経費のみではなく、質的な面で練馬区政の改革を図るとするならば、まず、今まで練馬区の様々な施策の現場に携わってきた区や外郭団体の職員がその現場でどんな価値観を大切にして区民と向き合っているかを聞き取り、今後の事業評価の指標にして区民と共有していくというとりくみも必要なのではないでしょうか。この点について、区長の考えをお聞きします。






(区長)



お答えします。区政改革についてであります。



まず、お話のトップランナー方式ですが、これは練馬区の区政改革とは直接の関係はありません。



また、委託や指定管理者制度における事業者選定にあたって、直営時の事業を最低限維持することを第一に考えているというご指摘は全くあたりません。区民ニーズに応えるサービスの充実や運営の効率化など、民間ならではの良さを活かした企画提案であるかどうかを総合的に評価しています。



区政改革は、事業が直営でも民間委託でも、区職員が区民の視点に立って問題意識を持ち、区民サービスを向上させることをめざすものであります。それは公務員である職員の当然の責務であります。事業評価は区民がどう見ているかを評価の指標とするものであり、現場の職員の声は、その参考とするものであって、指標にすべきものではありません。


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【上記のやり取りで私が思ったこと】


○まず、トップランナー方式のこと。

これは私は採り入れるべきでない考え方だと思っているので、練馬区の区政改革と関係ないというならよかったです。

たしかに、地方交付税の算定の際の考え方なので、地方交付税の交付をされていない練馬区にはすぐ関係してくる話ではないのですが、ただ、日本社会の中で多くの自治体が地方交付税の交付をされている以上、こういう考え方が採り入れられれば、特別区にも与える影響が間接的にでも出てくるのではないかと私は危惧したところでした。

しかし今回、直接に関係ないと断言したからには、こうした「安ければいい」みたいな価値観とは一線を画した区政改革を進めていただけたらと思います。


○委託や指定管理者の事業者選定にあたって、直営時の事業を最低限維持することではなくて民間ならではの良さを活かしているという答弁は「え!そうなの!?」と意外に思いました。


というのは、まず、指定管理者の指定をしたときに選定結果の資料も出てくるのですが、その評価点数が必ずしも満点ではないことも多くあります。10点満点のうちの6点というような項目もあったりします。

そういうときに「点数が満点じゃないですね?」と質問するとよく「6割満たしていれば区として求めるものは満たしていて、8割とか満点とかになっているのはさらに事業者としての特性を出していると判断された場合です。だから、6割取れている事業者はそれでも十分評価に値するんですよ」という趣旨の答弁が返ってきます。

だから私はそういう答弁を聞いていて、ああ、そうか、区としては、今までやってきた事業を最低限やるところがまず第一の評価なんだな、事業者としての創意工夫はプラスアルファで評価する部分なんだな、と思ったわけです。

ところが、区長の答弁ではそうじゃないというんだから、おかしいなぁ。だったら選定の時に、6割じゃなくて8割か10割か取れてないとダメってことになるんじゃないのかしら。


それから、昨年末の児童館の指定管理者の議案を審査した際に、最高得点だったところの企画書に私は疑問を感じたということがありました。

特定の民間事業者を批判することはあまり書かないようにしたいですが、ただ、どうしても、児童福祉の理念を感じられる企画書ではなかったのです。

この議案に対する反対討論 をしたときにも、なぜ違和感を持ったのかということをひとつ例を挙げながら書きましたが、そのほかにも例えば

・「利用者への公平公正な対応」という項目に、施設利用者の「エゴやわがままを許さない」といったことが書かれています。この書き方はどうなんでしょう。

たしかに中には道理のないことを言ってくる区民がいるということもあるかもしれませんが、一見クレーマー的に見える人の中に実は深刻な生活課題が潜んでいることもあるわけで、そういう思いをくみ取るべき児童館の事業者がはじめからそれを「エゴやわがまま」と捉えるのはどうなんだろうか、ということ。

・虐待対応に関して「対象児については職員全員が注意深く観察し、取り返しがつかぬことがないように見守ります」と記載されていて、まったく具体性に欠けること。


など、疑問に感じた点がありました。


それでなぜこの事業者を最高得点と評価したのか、と聞いた時に、他の地域で児童館や学童クラブの実績がたくさんあるから、という趣旨の答弁が返ってきました。


私個人としては、この企画書の内容は容認しがたいのですが、でも、現場の実績があれば最低限間違いなく運営をしてくれるだろうという評価のしかたがあるのも理解はするところだし、きっと練馬区はそう判断したんだろうな、と私は理解したのです。



ところが、区長の答弁は「いやそんなことはない、民間の良さを活かしてるんだ」というわけ。じゃあ、児童福祉の理念が具体的に見られず利用者のクレーム対応に第一の価値を置いているように見える企画書を練馬区としては積極的に評価したわけですね、ということです。

指定管理者の評価基準をどう持つかは、とても難しいところだと思うし、だからこそ福祉施設に導入するのは慎重であるべきと私は思うのですが、そんな中で練馬区がまず最低限リスクを抑えることを第一に考えるというのはある意味しかたない面はあるのかなと思ったうえで今回質問したのに、「そんなことないもんねー」みたいな答弁が返ってきたので、はーそうですか、しょうもないな、っていうのが感想です。


○現場の職員の声は事業評価の指標にしないというのも残念な答弁。

まずは区民の視点が第一であって、評価が内部の内向きな姿勢になってはいけないというのは当然のことです。

でも、区民が持っている様々な生活課題に毎日向き合っていて、そこでノウハウを身につけて課題を抽出している、現場の職員の専門性を評価していくことが、区民サービスの向上につながるという視点は持つべきではないかと思います。