こどもの虐待対応はもともと、都道府県が所管する児童相談所で行われてきたのですが、児童虐待防止法ができ、社会での児童虐待への理解も深まって相談件数も増える中で、広域対応しなければならない児童相談所だけでは十分な対応ができなくなっています。
特に、児童相談所には一時保護施設もあるので、いったんお子さんをご家庭から離さないと命の危険もあるなど、緊急で重大な対応をするだけでも手一杯になってしまい、家で暮らしていて当面は見守りが必要なケースや、虐待にいたるまえに子育てを支えるといった部分まではできないので、こうした点については市区町村がやるようになっています。

つまり、住民が近所のお子さんのことが心配な場合に相談できる窓口が都と区と両方にあることになります。窓口がたくさんあることは、入り口がたくさんあって良い面もあるけれど、結局どっちに行けば良いのか分かりづらくなってしまう面もあります。

また、最初は区で対応していたご家庭が、こどもの保護が必要な状態にあると分かった時には都に引き継ぐことになりますから、一つのご家庭への対応が途中で分断されることもあり得るという課題もあると思います。

政令市の場合は、都道府県と同じように児童相談所を自ら設置することができているのですが、23区の場合は東京都が設置しています。
上記のような課題を考えても、政令市では市が設置していることを考えても、児童相談所の機能を区に移管させたいというのが特別区の考え方のようです。

私も、そのほうが良いのではないかと思っていますが、職員体制や場所の確保などの課題がありますし、また、まずは区民の皆さんにも広くこの議論を知ってもらう必要があるということで、今回は質問をしました。

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(かとうぎ桜子)
子ども家庭支援センター維持運営費に関連して伺います。

2012年度の児童虐待に関する相談の件数は610件ということで、毎年、若干増える傾向にあるかと思います。

区における児童虐待対応については、今まで学校との連携などの課題が指摘され、連携の強化が進められてきたという経過もあると思いますが、ここ最近で、区として虐待対応の中で特に課題と感じる点についてお聞かせください。

(練馬子ども家庭支援センター所長)
練馬子ども家庭支援センターでは、児童相談所、また学校、その他関係機関との連携を強化しながら、児童虐待の防止、それから早期発見に努めてきたところです。

現在の児童虐待の状況については、今お話がありましたとおり、少しずつ増加傾向にあるものと考えています。

そうした中で、区としての大きな課題は、そういった相談の中からさまざまな、児童虐待という形で相談があるものではなく、それ以外のさまざまな周辺での相談もございます。
そうした中で、区の相談を受けた段階で相談内容から虐待ではないかということを早期発見していくということも重要であると考えております。さまざまな組織を挙げて早期発見にと努めていくということが現在の課題であると考えています。

(かとうぎ桜子)
先日、文教児童青少年委員会で、特別区がまとめた児童相談所事務移管モデル中間報告についての報告があったと聞きました。

今後、最終報告が取りまとめられる予定であるとも聞いていますが、区として、児童相談所の区移管についての議論をどのように捉えているかを、まず、お聞かせください。

(練馬子ども家庭支援センター所長)
特別区の児童相談所事務移管モデルについては、今年の8月に特別区の主管部長会が取りまとめ、区長会、特別区長会に報告したものです。

これは特別区独自にまとめたものですけれども、児童相談所の移管については、現在、相談先、通告先が東京都、それから区というふうに二元化されております。速やかに区が児童相談所の移管を受けることによりまして、そういった課題の解決が必要であると考えておりますので、区といたしましては、この議論、今後、さらに都区での協議などがございますけれども、そういった動向を注視しながら、区としても移管に向けて着実に準備を進めていく必要があるものと考えています。

(かとうぎ桜子委員)
今、練馬区での児童虐待対応は二つの係でやっていて、正規職員14名、非常勤10名によって対応されていると伺いました。

特別区がまとめた、先ほど言った中間報告では、人口70万人規模の区の場合、常勤の児童福祉司17人、心理士7人、非常勤9人が必要で、このほかに一時保護所では、常勤の福祉職が13人、非常勤の心理職が6人必要であると記載されています。

心理職に関しては新たな任用が必要とも記載されていますが、児童福祉司については、子ども家庭支援センターや福祉事務所のケースワーカーの経験者、保健師、保育士などを活用するとも書かれています。

ですので、この福祉職の部分が特に今の区の体制にもかかわってくるわけですが、この部分だけ比較しても、特に常勤職員に関しては現状の練馬区の子ども家庭支援センターの倍近くの人員が必要になるということかと思います。そのほかにも、特に一時保護所については、物理的に場所を確保する必要があるなどの課題もあると思います。

こうした課題については、区としてはどのように捉えているのか、また、区として今後どのような姿勢で協議に臨んでいくのかをお聞かせください。

(練馬子ども家庭支援センター所長)
実際に、児童相談所の移管を受けるに際しましては、今、お話がありましたとおりの職員配置が必要になります。今後、この移管に関する協議が具体的に進む中で、職員配置についても、区としてしっかりと体制を整える必要があると考えています。

その中では、東京都からの協力もあるかと思いますけれども、区といたしましては、この移管に関する内容について、区の中での情報共有を密にいたしまして、職員配置ですとか、財政ですとか、さまざまなものについてしっかりとした対応ができるように、今後の都区の協議の動向を見きわめながら対応をしっかりとしてまいりたいと考えています。

(かとうぎ桜子)
現状では、先ほど、児童相談所と子ども家庭支援センターと両方が窓口になっているというお話もありましたけれども、ほかにも課題として、特に一時保護を要するようなケースについては区の対応ではなくて東京都の児童相談所で対応するという形になっているという点も課題であるかと思います。一人の子ども、その家庭に対して、区として一連のケアができないという点が課題だと思います。

ですので、その点を解消する方法として、児童相談所を区に移管するというのはポジティブに捉えていくことが必要かと私も思いますけれども、ただ、課題も多くあるのが現状だと思いますので、ぜひ、今後も議会に丁寧な説明をしていただけるようにお願いいたします。