本日、台湾で総統選挙が執行されました。結果は、事前の予想通り、現職の蔡英文候補の2期目の当選が確実となりました。

 1年前には蔡英文総統の再選は難しいとの報道がありました。しかし、昨年6月以降、情勢は一変しました。すなわち、6月に逃亡犯条例に反対して香港で大規模デモが行われ、北京政府に対する反発と警戒があらわになりました。香港は1国2制度ということではありましたが、その内実は危ういことが明らかになりました。結局は、香港では人権が守られない、言論の自由だけでなく生命の安全(生存権)すら危ういとのではないか、という警戒感が広がりました。こうした影響が台湾を直撃して、北京政府と融和的な国民党は失速し、北京政府との距離を取る民進党蔡総統に支持が集まりました。

 イソップ童話で「北風と太陽」の話がありますが、北京政府が香港に対して北風戦略をとったことで、香港が混乱に陥り、さらに台湾では民進党が勝利したことになります。習近平国家主席になってからは、北京政府は強硬一辺倒のようにみえますが、返って望む結果とは正反対の結果になっているように思います。

 太陽戦略は弱腰のように思われるかもしれませんが、実は早道であることも十分ありえます。外交は相手のあることですので、相手のリアクションを想定しながら、どのような戦略が有効かを検討すべきでしょう。台湾総統の選挙結果など一連の国際情勢を参考にしながら、我が国の外交戦略を考えて参ります。