昨晩、安倍総理は、桜を見る会にまつわる一連の疑惑について、突如、総理官邸の玄関で記者団にいわゆるぶら下がり取材に応じました。ぶら下がり取材とは、立ち話です。記者会見のレベルからは程遠いものです。説明するなら、国会議員なのですから、国会に出てきて説明して下さい。
そういえば、本人から説明すべきと言っていた管原一秀前経済産業大臣と河井克行前法務大臣は、所掌の委員会での質疑の直前に辞任してから一向に説明する気配がありません。安倍総理も同様に逃げ回るつもりなのでしょうか?

さて、その説明内容ですが、前夜祭については、ホテルニューオータニが領収証を発行するなどホテルと参加者の直接の取引だから安倍晋三事務所は関係ない、だから収支報告にも掲載しない、と弁明しています。しかし、主催は安倍晋三後援会です。そして、参加者から参加費を受け取ったのは安倍晋三事務所職員です。ホテルニューオータニは、直接受け取っていないのに領収書を発行するのでしょうか?それはそれでガバナンスの問題が出てきます。

ガバナンスの問題を回避するためには、
①安倍晋三事務所が参加者から参加費を前夜祭会場入口で受け取って、
②集めた参加費をそのままホテルニューオータニに渡し、
③ホテルニューオータニは5,000円×人数の領収証を発行する。
これならなんとか筋は通ります。
ただし、これだと領収証の発行は全ての参加者からの集金が終わって、お金をホテルニューオータニに渡してから領収証を受け取って、参加者に渡すことになります。つまり、領収証を参加者に手渡しするのはアトになります。実際は参加者がお支払いしたときにその引き換えに領収証を渡しているのですから、この方法ではダメです。

もう1つ、ガバナンスの問題を回避する方法として、①安倍晋三事務所がまずホテルニューオータニに一括して前夜祭の代金を支払い(建て替え払い)、
②その代金÷5,000円=参加人数の領収証を受け取る、
③前夜祭会場入口で参加費を受け取り、領収証を参加者に手渡す、
という手順です。
しかし、これだと最初に代金をまとめ払いするので、予定参加人数と実際の参加人数がピッタリ一致していることが必須です。約850人もいると、土壇場でのキャンセル(ドタキャン)があるでしょうから、ピッタリはムリです。参加者からの集金額よりも多くを先に代金としてホテルに支払っていれば、その差額分は補填=有権者買収になります。また、政治資金収支報告書に記載しなければなりません。
普通、選挙買収と言われないようにするために、少し大目に集めて少々の黒字にして、黒字額を寄付金として処理するというのが一般的なやり方です(もちろん、政治資金パーティーなら黒字額が大きくなるような価格設定にします)。

ホテルニューオータニで5,000円は安すぎです。ホテルの宿泊者だから安くしてくれた、と安倍総理は言っていますが、いくら宿泊者だからと言っても最低11,000円(普通は15,000〜20,000円)にはならないでしょう。逆に、他のお客が「自分も5,000円でパーティーをやらせてくれ!」って一斉にいいだしたら、ホテルニューオータニは困るというか、大損でしょう。
また、もしホテルニューオータニが安倍総理だからということで特別に割引していたのならば、政府主催の国際会議、イベントやパーティーの開催場所選定にあたってホテルニューオータニを優遇するなどの裏取引はなかったのか、など別の疑惑が浮上します。

というように、安倍総理がホテルニューオータニに責任を押しつけて逃げようとすると、ホテルニューオータニに迷惑がかかります。そのような姑息なことはせずに、正々堂々と国会で説明し質疑に答えてもらいたいです。