本日(11月15日)の夕方、参議院議員会館において大学入試共通テストの記述式問題の中止を求める院内集会がありましたので、参加してきました。

 

 思考力を問うために記述式問題が必要という点ほその通りです。ですから、これまでも、国公立大学では、大学ごとに行われる2次試験では記述式問題を出題しています。50 万人以上が受験する1次試験で、多くの問題があるのに、わざわざ記述式を出題する必要はありません。
 
 ちなみに、多くの問題とは以下の通りです。
 
1)プレテストでは、採点しやすさを考慮して解答方法に様々な条件をつけたために、もはや記述式問題とは言えなくなっています。記述式問題を出題する意味は、多様な発想を見るためですが、ガチガチの出題形式になったために、逆に型にハマった発想しか許容されなくなっています。
 
2)記述式問題の採点では、出題者(数人で作る)で採点基準を作った上で、テスト後にサンプル的に採点してみて採点基準を修正し、採点者の間で採点基準の理解を徹底した上で採点作業をはじまます。答案が50万人分で、採点者は1万人といわれています。1万人の採点者に採点基準を徹底することは不可能です。
 
3)50万人分の答案を採点するために、採点は民間業者(ベネッセの子会社の学力評価研究機構)に委託しますが、ベネッセは大学入試の受験指導と模擬試験を実施しています。受験業界と採点者が同一になることによる利益相反が疑われます。
 
4)1万人の採点者の中には、学生アルバイトも含まれている、しかもベネッセ子会社の募集では「短時間でサクッと稼ぐアルバイト」となっていることを本日の衆議院文部科学委員会で城井崇議員が明らかにしました。採点の質が確保できるのか、疑わしいです。
 
5)1万人の採点者に採点基準を徹底するために、問題と解答と採点基準がテスト本番前に委託業者であるベネッセ子会社に渡されるのではないか、との疑いがあります。そうなると、問題が漏洩するリスクがあります。テスト前から採点基準の理解と研修を行わなければ、20日間での採点締切りに間に合わない可能性が高いからです。ちなみに、過去の司法試験では問題が漏洩したことがあります。問題漏洩が過去に起こっているのですから、問題漏洩は絶対ないとは絶対に言えません。
 
6)これだけあれこれ手を尽くしても、50万人分の答案の採点をムラなく正確に行うことはムリです。受験生にとっては一生に一度の受験で採点者の当たり外れで人生が決まってしまうという不条理を受けることになってしまいます。
 
7)共通テスト(1次試験)の後には、2次試験に出願します。1次試験の自己採点の結果を見ながら出願先を決定します。私自身、受験生のときには予備校の推計であるボーダー速報なるものを食い入るようにみたことを思い出します。ここで判断を誤ると、二段階選抜(いわゆる足切り)にあって2次試験を受ける前にあえなく不合格となるからです。しかし、記述式問題の自己採点はほぼムリです。アメリカの大学入試共通テスト:SATのように採点結果をもらってから受けるならともかく、自己採点を前提としている日本の共通テストで自己採点ができないのは決定的な欠陥です。
 
これだけ問題が山積みなのに、どうしてわざわざ1次試験で記述式を導入するのか、意味不明です。しかも、採点の便宜のために記述式問題とは到底言えないものになっているので、メリットはなくデメリットだけという状況です。
こんな状況で誰がトクするのか、と考えると、受託するベネッセ(教育業界)とそこから政治献金を受けている自民党国会議員ということになります。教育利権のために高校生と受験生が犠牲になる、このようなことが許してはなりません。