#コロナワクチン1回目6日後

真夜中夫が突然亡くなった

朝イチのJRに乗った義両親が昼前に
我が家に着いた

JRで片道4時間以上かかりながら

我が子の突然の死を聞き
どんな気持ちで
どんな思いで
我が家まで来たのだろう



インターホンが鳴り
居間の戸をあけると義母が玄関で立っていた
うっすら笑顔の義母を見て言葉が出なくて
思わず抱きついてしまった

でも義母は抱きしめ返すことはなく
「まだ早い!」と私から離れた

その後ろから義父が玄関へ入ってきた
「やあやあ大変な思いさせてごめんね」

口調はいつもと変わらないが
顔は覇気がなかった
夫がまだ検死でいないから私も含め全員が
現実感がなく
すぐいつものようにいられた

義両親が来たのでいよいよ葬儀社を決めることに
なった

義両親も特に知らない、とのことで行き詰まり
結局ネットで調べた

家族だけで小さく、
が義母からの提案だった
夫は友達が多く
義母も夫の友人達をよく知っていて仲が良かったが
友達にも葬儀が終わるまで知らせなくて良い、と言った

ずっと仕事が忙しくてなかなか友達に会えなかった夫のために
本当は友達に伝えて
来て夫に会ってほしかったかったが
義母の思いを尊重した

葬儀社に電話した
話し合いのために
家に来てくれることになった


来るまでに時間があったので
その間にご近所さんにご挨拶に行った

夫の死後
初めて電話ではなく
直接対面で人に夫の死を伝えた 


皆さん一様に驚き泣いてくださる方もいた

私も泣きそうになったが涙は出ず
代わりに笑顔を作ろうとした

夫が亡くなったと伝えている私も
それを聞いて泣いているご近所さんも
明るい日差しの天気の中では
あまりに非現実的で

話している内容は深刻なのに
どこか他人事のような気持ちだった

何か心のこもっていないセリフを作り笑顔のまま言っているだけのような気がした


だから

これからバタバタして車や人でご迷惑をおかけするかもしれません



と言ってるのが違和感だった

バタバタすることも人がどれだけ来るのかも
これからのことが全く
想像が出来なかったからだ




223.8.30