冬森灯「縁結びカツサンド」
駒込うらら商店街に佇む、昔ながらのパン屋さん「ベーカリー・コテン」。
あんぱん、クリームパン、チョココロネ。気取っていない顔が並んでいて、見ているだけでほっとするような、そんなお店。
一家で経営してきたコテンの未来を背負うのは、悩める三代目・和久。
商店街が寂れる中で、コテンを継ぐべきか。「自分なりのパン」を見つけないといけないのではないか。創業者のじいちゃんが亡くなって、店名の「コテン」の由来もわからない。
日々迷いながらパン生地をこねる和久のもとには、愉快なお客たちがやってくる。
ヒョウ柄のコートを着込む占い師に、就活に落ち続ける学生、肉バカの肉屋の息子。
人の悩みに寄り添うパンを焼こうと奮闘する和久が、やがて見つけた答えとは――
しぼんだ心を幸せでふっくらさせる、とびきりあったかな“縁”の物語。
ちょっと軽いお話が読みたくなって、
図書館の電子書籍を探していたら、
以前本屋さんで気になったこの本が待ちなしで借りられたので
読んでみました。
図書館の電子書籍は初。
4編のお話、
「まごころドーナツ」
「落描きカレーパン」
「花咲くコロネ」
「縁結びカツサンド」
最初の二話までは、よくある食べ物をテーマにした
日常の悩みを解決するお話かな、と思っていましたが
三話の「花咲くコロネ」はよかったですね。
花のお母さん、学校で啖呵を切ってカッコいい!
金魚偏差値、低くなんかない!
そしてまわりから見れば変わっているようで、
ちゃんと信念をもって花ちゃんを育ててる。
(お話のオチは途中でなんとなく気付きましたが)
カレーパンやカツサンド、美味しそうでしたね~
それに商店街が羨ましい
私が育った地域には商店街がなかったので
憧れます。
心に残った部分はいくつかありましたが、
やはり「花咲くコロネ」が一番多かったですね。
花ちゃんはまだ小学六年生なのに、いろんなことをわかっている。
ホームの上と下にある改札に、あたしは自分を重ねた。
違う改札から歩き出せば、その先は違う道につながる。
その道は、もしかしたらいつかは同じ道につながるのだとしても、
近道と遠回りの道があるように思えた。
そして同じ改札を通ったとしても、同じ道を行くとは限らない。
違う行き先の電車もあるし、特急や各駅停車もあります。
花ちゃんはそんなことも分かっている気がします。
電子書籍、便利ですがまだまだ種類が少ないです
探していると、KindleUnlimitedで無料で読めるものと
かぶっているな~と思いました。
KindleUnlimitedも種類が少ないなぁ~、と思っていましたが
こうやって見るとKindle側の問題ではなく、
出版社側の事情なんでしょうね。
もっと種類が増えるといいな~、と思いますが
本が売れなくても困るだろうから
難しいところですね。