本日午後、約半年にわたって飼育・観察を続けてきた稚魚を放流しました。

金曜日の授業で学習した通り、F1は九頭竜川本流へ、F2は支流の的川に放流します。

放流場所は、サクラマスレストレーションの安田さんが水温やまわりの状況を見て探して下さり、また、漁協の許可も取って下さいました。


昼休み、安田さんと私の二人で、稚魚をエアポンプをつけた2つのポリタンクの中に、F1とF2をより分けて1尾づつ移しました。


▲ポリタンクへ、F1とF2を分けて入れました!


そのあと、稚魚は安田さんに車で運んでいただき、私と児童達は歩いて川へ出発。

はじめに、九頭竜川の支流である「的川(まとがわ)」へ。

子ども達が、夏のキャンプの時に、川泳ぎをして楽しむ川です。

下に降りるところがないので、バケツに稚魚を入れ、水面まで降ろしました。



▲ポリタンクから稚魚をバケツに移します。


▲ひもをつけて、バケツをそーっと水面に降ろします。

▲川底についたら、バケツを横に倒して、稚魚が出るのを待ちました。

▲放流後の水面です。稚魚がわかるでしょうか?


的川でF2の稚魚、約40尾を放流した後、九頭竜川本流に向かいます。

河原に着いたら、今度は一人一人のプラコップの中に、稚魚を1~2匹入れました。

最後のお別れを、名残惜しそうにしていました。


▲コップの中の稚魚を名残惜しそうに見る児童達。




▲稚魚(F1)と記念撮影!


記念撮影をした後、いよいよ放流です。

大切に、そーっと、稚魚を放流しました。


▲コップから本流に放流する児童。


▲いつも、水槽に稚魚を移す要領で、コップごと水の中に入れ、稚魚が出るのを待ちます。



▲川の中を泳ぐ稚魚


<児童の感想より>

・ぼくは、ずっと育ててきたF1とF2を放流したので、残念だなぁと思いました。(T君)

・大きくなって帰ってきてほしいです。(D・M君)

・来年、大きくなって泳いでいる様子を見に行きたいです。(Nさん)

・F1とF2が大きくなってもどってきてほしいです。(Aさん)

・F1はすぐに行ってしまいました。悲しかったけど、楽しかったです。(Yさん)

・なかなかコップの中から出てくれなかった。どうして、中から出てくれないのだろうと思った。九頭竜川の水は少し冷たかった。放した後、とても元気に泳いでいた。早く大きくなってほしいです。(Kさん)

・いつまでも元気にいてほしいです。春に帰ってきても、ぼくたちのことを忘れないでいてほしいです。(S君)

・海に行って、ちゃんと九頭竜川に帰ってきてほしいです。(Hさん)

・F1は大きくなって、九頭竜川に帰ってきてほしいです。(D.Y君)


最後の飼育当番は、T君でした!


飼育当番日誌(T君)

水温18℃ 積算温度2004℃。

餌やり なし


パーマークがいろいろなところについている。

しっぽの形が変なのがいる。

少し、銀色っぽいのもいる。

背びれなどに黒い線が通っている。


今日は、九頭竜川のサクラマスを題材にした、研究授業を行いました。

福井・吉田ブロック「総合的な学習の時間」部会の本年度の研究授業です。

サクラマスのF1とF2の違いから、放流について考え、環境保全に児童の目を向けようというものです。


いつもは、児童10名と私の11名しかいない教室が、この日は、学校内外から20名超の多くの先生方が集まり、児童達は緊張の面持ちで授業が始まりました。

はじめは、いつものように、稚魚の観察。

観察用ミニ水槽に稚魚を移し、5分以内にスケッチ・デジカメでの写真撮影・気付いたことを観察シートに記入します。



▲稚魚の観察。いつも、二人一組で行います。


稚魚が、水温の上昇の影響を受けたり、酸素不足になったりしないようにするため、5分間で水槽に静かに戻します。


▲水槽にそーっと稚魚を戻しています。


その後、今日の観察で気がついたことを発表し合います。

いつものように、この日もたくさんの気づきが出されました!


そして、次に、稚魚の写真から、どちらがF1か、F2かを考えます。



▲黒板に、F1とF2の写真が貼ってあります。


半年間にわたる飼育経験から、それぞれの特徴を指摘し、F1かF2かを理由をつけて発表し合いました。


そして、本題に入ります。

「F1とF2の放流場所が九頭竜川では決められている。それは、なぜだろうか。」

児童は、それぞれの習性や遺伝的性質を考えながら、自分の意見を発表します。




▲F1とF2の放流場所の違いについて意見を発表する児童。


意見が出尽くしたところで、サクラマス・レストレーション代表の安田さんから、詳しいお話をしていただきました。



▲参観の先生方にもむずかしい内容を、子どもたちは目をきらきらさせながら聞いていました。みなさん、とても驚かれていました。


放流は、ただ、すればいいものではないと言うこと、魚の遺伝的な性質や、それらが持つ習性、自然環境をよく考えた上で行わなくてはいけないことを学びました。

そして、最後に、九頭竜川で釣り上げられた立派で美しいサクラマスの剥製とご対面。


▲サクラマスの剥製を初めて児童に公開!歓声が上がりました。


自分たちが育ててきた稚魚たちも、これほどまでに大きく育って、また九頭竜川にもどってきてほしいとの願いに胸をふくらませながら、この日の授業は終了しました。


お忙しい中、ご指導下さったサクラマスレストレーションの安田さん、いろいろ相談に乗って下さったりいろいろな方との調整をして下さったりした天谷さん、どうもありがとうございました。

この日の飼育当番日誌は(Aさん)が担当でした。


水温 16℃ 積算温度 1952℃

餌やり レスキュー 緑 朝6


パーマークが前よりも増えていた。

今日で最後だから、川でも元気に育ってほしい。

下の方にいっぱい集まっていた。

パーマークが一番多くて20個。


6/13-4

6/13-2

6/13-1

6/13-3

水温15℃、積算温度1936℃。

餌やり レスキュー緑 朝6 昼3 夕3。

パーマークが背中にもある。

色が緑です。

小さいサクラマスは下の方にいて、大きいのは真ん中ぐらいにいる。

小さいサクラマスは、パーマークが小さいけど、数は多い。

水槽をふいても、また、すぐ、くもる。

水槽が少し汚れている。

勢いよく食べている。


6/12-3

6/12-2

6/12-1

水温14℃、積算温度1921℃。

餌やり レスキュー赤 朝6 昼3 夕3


大きいサクラマスと、小さいサクラマスでは、エサを食べる速さが違う。

パーマークは、緑と青がまざったような色だった。

水槽が少しぬれていた。



6/11

水温14℃、積算温度1907℃。

えさやり レスキュー 赤 朝3 昼3 夕3


魚は水槽の中央に集まっている。

下で泳ぐ魚はゆっくり動いて、上で泳ぐ魚は速く動いている。

みんなでいっせいに動いている。

場所を変えないサクラマスもいる。


6/10-1


6/10-2


6/10-3

▲この日は、サクラマスの学習もしました。


6/10-5

6/10-4