ふと思い付いたネタです。
最近ずっと長編書いてたから、ちょっと息抜き、息抜き~~~ニコニコ

今回は、パラレルですガーン
もちろん、スキビの2次小説。


わたしの妄想なんで、出版社さま、作者様とは

一切関係ありません。


では、以下よりどうぞ。


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初めて貴方とお会いしたのは、私が15になった、誕生日。


大嫌いな誕生日パーティーを抜け出した私と、一緒に二人で並んで歩いた・・・・


次にお会いしたのは、高校入学のその日。


その日から貴方はーーーーーーーー私の執事になった。
 




只一人、貴女の為に ~前編~





「おはようございます、キョーコお嬢様。」


「おはよう、蓮。」


「もうすぐ朝食のお時間になりますので、ダイニングに行きましょう。」


「そうね、ありがとう。」

毎朝必ず同じ時間、同じトーン、同じ微笑みでやって来る貴方。
執事として現れたあの日から、貴方の笑顔は、初めて会ったあの日のように、キラキラ輝く眩しい笑顔ではなくなった。


ーーーーー私の名前は、最上キョーコ。
日本有数の大企業、最上グループ会長、最上冴菜の一人娘。
父は私が幼い頃に事故で他界している。
父が他界後、前会長であった御祖父様も他界し、グループの次期会長を決めるときに親族で揉めた様だが、一族の直系が母一人だったため、母が会長に就いた。
女だからと反対した親族もいたようだが、母は今までよく頑張っていると思う。

ただ、次期会長候補の筆頭が、直系の私なのが、気にくわない。

周りの人達のやっかみも、欲を持って近付いてくる輩も、一々気にはしていない。
私は、私の好きなことをしたいのに・・・・・・


初めて蓮に会ったあの日、初対面なのに、私の悩みを打ち明けていた。

将来は、自分の好きなことをしたいって・・・・

そうしたら、彼は


「素敵ですね。陰ながら、応援しますよ。」

と言いながら、そっと私の左手を取り、手の甲にキスをしてくれた////


・・・・その時から、私は蓮に恋をした・・・・
ううん、一目会ったその時から、恋に落ちていたんだわ・・・・・

会えない日々は、恋心を膨らませ、ただただ、貴方にお会いしたかった。

でも、今となっては、毎日会えるのに、貴方は私の執事として仕える日々。
私は・・・・毎日、伝えられない、もどかしいまでの恋心を持て余していた。



「お嬢様、行ってらっしゃいませ。」


今日も同じ様に、すました顔でお見送りをしてくれる。

・・・・・贅沢なのは、わかってる。
でも、ただ傍にいるだけじゃ、もう辛いの・・・・・




*




ここは、紳士淑女が通うエスカレーター式の学園。
私は今、高等部の2年生だ。

今日は月初めの月曜日、ということもあって、珍しく朝会があった・・・・。


「・・・ここで、産休に入られた校医の佐藤先生の代わりの先生をご紹介します。
・・・・・・レイノ君。」

ザワッ・・・
(ちょっと、格好良くない?)
(わぁ~~~、好みのタイプゥ~~~)
(・・・・あんなの、有りかぁ???)
周りの生徒たち(特に女生徒)が、浮足立つ。


「(コホンッ)・・・今日から校医になった、レイノだ・・・・よろしく・・・・」

とだけ言うと、早々に下がっていった。


(イヤ~~~~ン、クールで素敵ぃ~~~~!!!!)

多分、全校女子生徒の約三分の一程度は、彼に落ちたのかもしれない・・・・
と、キョーコは冷静に判断していた。


残りのほぼ三分の二は、きっと、あの二人・・・・。


クラスメイトで不破財閥の御曹司、単純バカの不破松太郎。

もう一人は
私のクラス担任である、優しいお兄さん系の社倖一。


・・・・・まぁ、いい男が増えようが、私の心は決まっているのだけれど・・・・


それに、社先生には、秘密の彼女もいることだしね~~~♪


私は、本当に何とも思っていなかった。

でも、彼との出会いで私達の運命も変わってしまうなんて、思ってもいなかった・・・・・・





*


お昼ごはんを食べた後、廊下を歩いていたら急に・・・・・


「・・・・おいっ!!!そこのお前っ!!!明るい髪色のショートカットの女っ!!!」


「(!!!!)・・・私!?」


最初、自分が呼ばれたとはわからないでいたのだが、特徴が私だったので、振り向いてみたら、そこには今日来たばかりの校医がいた。


「・・・・そう、お前だ・・・・・
名は何て言う?」


「・・・・・・最上キョーコ、です・・・・・」


「・・・・・・最上・・・・、なるほど・・・・・
お前、ちょっと来いっ!!!」


「へっ!?」


いきなり腕を掴まれ、引っ張りながら歩きだす。
・・・・大人しく着いていくしかなさそうだ。
こんなこと、蓮に知られたら怒られそうだけど・・・。

連れてこられた先は、保健室。
まぁ、校医なんだから、当たり前なんだけど・・・・

「そこに座れっ」


校医が指差したのは、診察用の丸椅子。
校医はもちろん、自分の椅子に座った。


「・・・・お前、かなり恨まれてるだろ・・・・」


「はぁ~~~~~~っ!?」


「このままだと、かなり危険なめにあうぞ???」


「・・・・何ですか、それは・・・・・」

・・・・・信じられないっ!!!


「俺はかなり霊感があるんだ。
お前の周りは、負のオーラが有りすぎる。
このままほっとくと、病気や怪我をするぞ!?
・・・・・最悪は、死」


「っそんなこと、あるわけないじゃないですかっ!!!!
ほっておいてくださいっ!!!!!!」


余りにも怒れてきたので、そのまま保健室を出て来た。


まさか、この時きちんと話を聞いておけば良かったことになるなんて、思いもしなかった・・・・




*




放課後、帰り支度をしていると・・・・


「おぅ、キョーコ。今日はすぐ帰るのか?」


「・・・・・ショータロー、見てわからない?
帰るから支度してるんでしょ??」


「・・・・今日は是非、この俺様と一緒に帰ってやるぜっ!!!!」


「おあいにくさま。今日もお迎えの車が来ているのよ!?」


「・・・・あの、執事様もか!?」


「・・・・・・蓮のこと??私の執事なんだから、来てるはずよ!?」


「(あいつ、毎日毎日迎えに来やがって・・・、キョーコと一緒に帰れないじゃないかっ!!!)
・・・・絶対に、わざとだ」


「何か言った???」


「・・・・独り言だよっ」


「ふ~~~~ん・・・・
じゃあ、また明日ね、ショータロー。」


「お、おぅ。」



ショータローは、私の従兄弟であり、幼なじみでもある。
昔から変わらない感じで話してくれるから、一緒に居ても心地好い。
ただ、よく一緒に居たから、周りの女の子達のやっかみが凄かったけど・・・・。



廊下を歩いていると・・・

「キョーコッ。今日はもう帰るの・・・?」


「(パアッ)モー子さんっ!!
今日は、お茶とお花の稽古があるから、もう帰らないと・・・・」


「・・・・お嬢様は大変ね・・・・」


「あらっ!!!モー子さんの方が大変なんじゃないの??生徒会長っ!!!!」


「~~もーーう、茶化さないのっ!!!!
また、時間の有るときは手伝ってねっ!!
また明日ねっ」


「モー子さんっ、また明日ねぇ~~~~っ!!!」


モー子さんこと琴南奏絵は、この学園の生徒会長をしていて、アパレル会社「Kotomami」の社長令嬢でもある。
・・・・・そして、担任の社先生と秘密のお付き合い、をしている。


モー子さんとお話できて、うれしかったから、昼間のことなんて

すっかり忘れてしまっていた・・・・・・





*





数日後。


・・・・・・・・今朝もいつもどおり、朝蓮が迎えに来てくれて、ダイニングへきたのだが

今日は、蓮の様子が少し、ほんの少しだけおかしい・・・・・・・



朝食後、母がいつもはご馳走様、とだけ言って席を立つのに



「キョーコ、ちょっと話があるの・・・・・・」



「・・・・・・なんですか?お母様??」



「あなたの執事の蓮だけど、今日をもって、辞めてもらうことになったから」



「えっ??????な、どうして???????

私、何も聞いてないわよっ???????」



「・・・・・あなたにつける執事を決めるのは、この私、でしょ??」



「・・・・・そうです、が・・・・・・・

蓮は、ずっと真面目に働いてくれてたわっ。

なのに、なぜ急に・・・・・・・」



「・・・・・蓮個人の事情なの。

蓮の執務態度が悪かったわけじゃないのよ??

・・・・・・・・わかってくれるわね?キョーコ・・・・・・」



「・・・・・・そうなの??」



私は、蓮のほうを見たら、蓮は微笑みながらうなづいた。

・・・・・・個人の事情。そうなんだ・・・・・・


ずっと、ずっと一緒に居てくれると思ったのに・・・・・・・

・・・・・まだ泣いてはダメよっ!!!

お母様もまだいらっしゃるし・・・・・みんな見ているわ。



「・・・・・・・わかりました・・・・・・・」



「そう、ありがとう、キョーコ。

それで、明日からあなたについてくれることになる執事を紹介するわね。

(パンパン)・・・・・・・入りなさい。」


お母様が2回手を鳴らすと、執事の服を着た男性が入ってきた。



「明日からキョーコ様つきの執事でございます、石橋光です。

・・・・・・よろしくお願いいたします、キョーコお嬢様。」



「・・・・・よろしく、光さん」



「・・・・ボクも、呼び捨てになさっていいのですよ!?お嬢様・・・・・」



「(クスクス)わかったわっ、明日からはそうさせてもらうわね、光さん(ニコッ)」



何とか笑うことが出来たが・・・・・

内心は悲しくて仕方がない。


・・・・・・・・もう、蓮と一緒に居れないなんて・・・・・・・


今日一日、私は何をしていても手につかなかった。





・・・・・・その日の夜。


もう後は寝るだけ、という時間帯になり、今私の部屋には、蓮と私しか居ない。

本当に明日お別れするのだと思うと、堪えていた涙が・・・・・・あふれ出た。



「・・・・・キョーコお嬢様っ!!

・・・・・・・どうなさったのですか??」



いきなり泣き出してしまった私を心配する蓮の声。


いつもの優しい、温かい声・・・・・

もう、この声も聞けなくなるなんて・・・・・・



「・・・・・・イヤ・・・・・・・」



「・・・・・えっ!?」



「・・・・イヤッ!!!!イヤなのっ!!!!」



「・・・・キョーコ、お嬢様??」



「蓮が居ないなんて、イヤなのっ。ずっと、そばに居て・・・・

私・・・・・・蓮のことが・・・・・・・・」



ギュッ



えっ??

今、私、蓮に・・・・・・抱きしめられてる、の??



「これ以上言ってはいけません、お嬢様・・・・・・」


耳元から、いつもの優しい貴方の声が聞こえる・・・・



「・・・・・もう、泣かないでください・・・・・・・

本当に、別れが・・・・・・・つらくなります、から・・・・・・・・・」



ギュっと、先ほどよりも抱きしめる力が強くなる。


蓮に抱きしめられて・・・・・すごく、うれしい・・・・・・・

・・・・・・・でも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「・・・・・どうして、言っちゃダメなの??

私は、貴方に、私の気持ちを伝えたいのに・・・・・・・」



「(クスッ)・・・・・わかっています、よ??」



「エッ??」



ビックリして、蓮に胸に埋まっていた頭を離し、蓮を見上げると-------


いつもとは違う・・・・・・・・・艶やかかな、顔をしていた・・・・・・・・



「・・・・・・私は・・・・・・・

貴女が言った、貴女のしたいこと、というのが何なのか、

近くで見守りたかった・・・・・。

でも、ずっと貴女のそばに居られなくなってしまった・・・・・・。」



それは・・・・・

初めて会ったときに話したことをずっと、

覚えていてくれたの??

あの話を聞いたから・・・・・・

私の執事になったの???


「あっ・・・・・・・・・」


また、頬から涙が流れる。


スッと蓮は右手で涙をぬぐってくれた・・・・



「・・・・・お願いがあります。

貴女が20になる誕生日までに、貴女に会いに行きます。

・・・・・そのときに、貴女がしたいことを、教えていただけないでしょうか??」



「・・・・・・えっ・・・・・・」



「・・・・・必ず、会いに行きますから・・・・・・・」



それは、また会えるって、こと??



「・・・・必ず、会いに来てくれるの???」



「ハイッ・・・・・・・必ず・・・・・・・」



胸の中の悲しみが・・・・・徐々に・・・・・薄れていく。


また、蓮に会えるのだという、喜びに・・・・・・



「・・・・・なら、約束の印を頂戴??」



「御意・・・・・」



抱きしめていた腕を離し、蓮は私の前に膝まづいてそっと、私の左手をとり

・・・・・・・・初めて会ったあのときのように・・・・・・キスをした。


そのまま・・・・・蓮は目を伏せたまま・・・・・



「・・・・・今度お会いした、そのときは・・・・・・」



「・・・・・そのときは??」



顔を上げ、私の目を見る。

・・・・・・一瞬で魅入ってしまう・・・・・・・



「・・・・・・貴女に・・・・・・・・」



「・・・・・・・・・蓮??」



また目をそらし、下唇をぐっとかんでいた。



意を決したのか、また顔を上げ、見つめあう・・・・・・



「・・・・・・私のすべてを・・・・・捧げましょう・・・・・・・・・・」



「・・・・・・・・・・・蓮・・・・・・・・・」



グイっと持っていた左手を引っ張られ、また力強く抱きしめられたかと思うと、

右手で後頭部を抑えられ、強引にキスをされた。


長く押し当てられた唇。

蓮の唇は思ったよりも・・・・柔らかくて・・・・気持ちいい。


キスって、こんな気持ちいいものなのね・・・・・

と思っていたら・・・・ドンドン息苦しくなる。


息をしようと少し口を開いたら、そのまま生暖かい何かが入ってきた。


・・・・・・これって・・・・もしかしなくても、蓮の舌ぁ~~??

咥内を生暖かいものが動き回る。


あっ・・・・・・


もう・・・・・何も考えられない・・・・・・


すべて、蕩けてしまいそう・・・・・・・



長い、長い口づけは1回では終わらず、蓮が離してくれた頃は、もう

キョーコは力をなくし、座っているのもやっとだった・・・・・・


蓮は、キョーコを抱え、ベットに寝かせると、ベットサイドに座り

キョーコの頭を撫で始めた。


「キョーコお嬢様・・・・・・」



「・・・・・・・蓮」



「・・・・おやすみなさい・・・・明日の朝、お会いいたしましょう。」



「・・・オヤスミ、蓮・・・・・・・」



頭を撫でられながら、キョーコはそのまま、眠りについた・・・・・・





次の日の朝、蓮はもう・・・・・居なかった・・・・・・・



キョーコは、20歳の誕生日の日に知ることになる。

蓮の、本当の姿を・・・・・・・・






to be continued??




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時間がないので、ここでおしまい!!!


ごめんなさぁ~い



(追記)タイトル、前編つけました。