この底冷えする寒い季節にある疾患で受診する患者さんが増えます。
その患者さんたちは、皆さん口を揃えてこう言うんです。
『いつの間にか、すねのところに痛くもかゆくもないまだら模様の茶色い痕がある。』
私が今まで診察した方たちは片側が多かったですが、その皮疹は両側にも出ます。
 
そんな時、私は占い師のようにこう言います。
『見えーる、見えーる、あなたの日常生活が見えーる・・・
んっビックリマークこれは!?
って、冗談は置いといて。
 
『こっち側にストーブを置いていませんかはてなマーク
と尋ねます。
そうすると患者さんは、
『なんで知ってるんですかあせるはてなマーク
(ストーキングしてないですからね。)
『置いてます。置いてます。』
『確かにビックリマークこっち側ですビックリマークビックリマーク
といったお返事が返ってきます。
 
皆さん“火だこ”と呼ばれている疾患をご存知ですか?
ご年配の方のほうがご存知かもしれませんね。
 
“火だこ”の正式な病名は“温熱性紅斑”です。
 
原因は比較的低温の温熱刺激を長時間または繰り返し受けることにより生じます。
上記の刺激を受けることにより、皮膚の血管周囲の線維組織が炎症を起こします。
そのため、血管の走行に沿って皮疹が生じるので網目模様まだら模様に見えるのです。
最初は炎症のため病名の通り赤い(紅斑)ですが、炎症が引くと茶色い色素沈着(炎症後色素沈着)を残します。
治療は赤みのある時期はステロイド外用剤で炎症を抑えることです。
この色素沈着はたいていは時間が経てば薄くなっていきます。
(けっこう時間はかかります。)
でも、たまに引きが悪い人がいるのも事実。
そのような場合はビタミンCやトラネキサム酸の内服、美白剤の外用をします。
 
予防は原因がわかればわかりますよねキラキラ
・長時間ストーブやこたつにあたらないこと
・ストーブに近づきすぎないこと
 
やはり多いのはご年配の方のかなぁ。
お店番とかでストーブにあたっていたり、赤外線のこたつに長時間入っていたり。
若い女性でもOLさんはデスクの足元に小型ヒーターなど置いていたりしてなることがあります。
 
糖尿病をお持ちの方で末梢神経障害を合併していると、熱さを感じにくく低温やけどをしてしまうこともありますのでご注意してください。
 
この色素沈着はもともと引きにくいのに、繰り返し起こしていると本当に取れづらくなりますのでご注意を!!