『仙台国際ホテル』で開催された、三遊亭竜楽師匠の独演会「浮世絵と愉しむ 古典落語と至高の晩餐会」に行ってきました。国際派落語家として知られる竜楽師匠の落語と美食ホテルならではの料理とサーヴィス。技と技の共演が楽しめる晩餐会です。
今回料理のメインは、仔羊のパイ包み焼き“マリア・カラス"風!!167名のゲストのために焼かれたマリア・カラスは圧巻でした。
美しい仔羊のピンクの肉質とフォアグラ。もうこれを見るだけで美味しそう❤️
パイも綺麗に焼けていますね。ガルにチュールも宮城産の野菜です。
▼今回の様子はリールでもご紹介していますので是非ご覧くださいね▼
美食ホテルとしてレストランはもちろんバンケットに力を入れている『仙台国際ホテル』では、年に2回テーマを変えて晩餐会を開催しています。
今回は落語と浮世絵。三遊亭竜楽師匠と牧野健太郎氏の浮世絵語りです。もう一つはオペラ。美食と教養を仙台の皆様にお届けする年に2回限りの貴重なイベントです。
晩餐会に先駆けて三遊亭竜楽師匠と牧野健太郎氏の浮世絵語りのスタートしました。
高座では、「青菜」と「中村仲蔵」を情緒豊かに語ってくださいました。仙台も猛暑でまさに「青菜」の語りにはピッタリの季節です。国際派の竜楽師匠ですので、途中流暢なフランス語やドイツ語も飛び出しました。落語の場合は歌舞伎の掛け声みたいなものはあるんだろうか。思わずそんな掛け声を言いたくなった高座でした。ちなみに竜楽師匠は、少し前まで欧州の海外高座に行かれていて、痩せてしまったとか。私だったら確実に太って帰ってたと思います(笑)
また牧野健太郎氏の浮世絵語りは、新千円札に描かれている北斎の「富嶽三十六景(神奈川沖浪裏)」が話題からスタートし歌川広景「御蔵前の雪」等の絵を拡大してポイントを押さえた分かりやすく楽しい解説は思わずスクリーンを凝視。私は浮世絵なんかも好きなので好奇心を掻き立てられるお話でした。
そして会場前に設置されたウエルカムドリンク。種類が豊富なので飲み過ぎ注意です。
料理のボリュームが凄いので今回からはアペリティフはやめられたみたいですね。
そして晩餐会は167名のゲストで大盛況でした。
晩餐会のメニューです。こちらの晩餐会は、ホテルにあるフランス料理店と中国料理店にいる二大巨匠シェフによるメニューのコラボレーションがいただけるだけでなく、ドリンクも充実しています。ここだけの話、これだけの料理とお酒、そして落語やオペラがあるのでお得なイベントだと思っています。
もぎたての玉蜀黍の冷製スープにフォアグラのソテーを浮かべて
とうもろこしのみで作ったスープは、芯から出汁をとりしっかりした味わいです。同じ甘味のあるフォアグラのソテーが添えてあり、シブレットもぱらりと。添えてあるのはとうもろこしのチュイル。リッチな夏り味わいですね。
ホテルメイドパン&発酵バター
お馴染みのシャンピニオンはライ麦を使いモーニングブッフェと少し違った味わい。
活帆立貝のブラマンジェとメリメロのデュエット
仙台国際ホテル自家製塩分3%オリジナルキャビアとともに
中央にあるのは、帆立やホッキ貝、ぼたん海老、アオリイカで作ったメリメロ。上にはホタテのブラマンジェが乗り、チュイルも添えた三重奏です。加えてクリスタルゼリーやソースでトマトの酸味を加えさっぱりした味わいになっていました。添えてあるのはもちろん塩分濃度3%のご自慢の自家製キャビア。塩分濃度3%はそれ自体で楽しめるんですが、途中キャビアを加えながらと2度楽しませていただきました。
▼仙台国際ホテル自家製キャビアの製造風景▼
フカヒレとグラバ蟹 蟹内子の蒸しスープ
見た目は地味だけど実は豪華、地味だけど美味しいスープには、フカヒレ、たらば蟹、蟹の内子、人参のすり身、白身魚のすり身が入っています。とっても濃厚でクリーミー。そしてほぐしたフカヒレのとろとろ感がたまりませんね。リッチな味わい。
ラングスティン手長海老の二種作り ~チリソース XO醤ソース~
手長海老も登場しました。2種の食べき方ができるってこれもまたゴージャス。一つはネギや春雨を加えた自家製のXO醬のソース、もうは一つはチリソースです。付け合わせの甘辛唐辛子には海老や帆立のムースが詰められていて、手が込んでいますね。
ジャジャジャーン、メインのお肉の登場です!
いつも趣向を凝らした登場にワクワクしていますが、ホテル側もそんなゲストの期待に応えなければならないのも大変かと思いますが、またまたやってくれました!今回は定番の額縁演出ではありますが、近くに行ってみると凄いものが!!
冒頭でもご紹介しましたが今回のメインはマリア・カラス。仔羊のパイ包み焼きです。フランス料理を食べ慣れている方は、仔羊は抵抗がないと思いますが、宴会料理で仔羊を提供するってとってもチャレンジングだと思いますがやっちゃうんだ!、ここは!
マリア・カラス、マリア・カラスとオペラ歌手の名前を連呼していますが、それ何なのよと思っている方も多いと思います。東京・銀座に店舗を構える『シェ・イノ』の創始者井上旭シェフが、マキシム時代、仔羊が好きなマリア・カラスが来店された時に作ったメニュー。1974年頃にスタートしたと言われています。だから仔羊のパイ包み焼き“マリア・カラス"風というネーミングがつき、今ではフランス料理界では誰もが知る古典料理ま定番となっていますが、50年間も愛されている料理は、手間もかかり火入れも難しいことから作っているお店は少数です。もちろん『シェ・イノ』では今でも常時いただくこができますがそれを宴会でやってのけたね!
▼『シェ・イノ』の仔羊のパイ包み焼き“マリア・カラス"風▼
仔羊のパイ包み焼き“マリア・カラス"風 宮城の恵み野菜とともに
仔羊でシャンビニオンデュクセルとフォアグラを巻き、パイで包んで焼き上げます。ソースは仔羊のジュをベースにトリュフで仕上げたソースペリグー。宮城の野菜と書いてありますが、仙台国際ホテルでは契約農家から野菜を仕入れ、時々みなさんで野菜の収穫などをお手伝いされたりし、良い関係を築いているようですよ。
山形県産最上早生 手打ち蕎麦
食事は落語ということもあってか、蕎麦で〆め。最上早生の蕎麦粉を使った東北蕎麦です。つゆもこの日のために手間暇かけて仕込んだもの。ふわりとした花鰹と辛み大根でさっぱり仕上げていますが、この花鰹を見ただけでも凄いスピード感で仕上げたことが分かりますね。
最後は仙台国際ホテル伝統の見せ場。ジュビレサービスです。今回はドライアイスのもくもく感が光と相まって凄い演出になりました。
音楽に合わせて目の前でレモンの皮。切れることなく連続してカットされています。かなり練習されたことがうかがえます。最後はリキュールを纏わせ火を灯して。幻想的ですね。
ホワイトチョコレートで型取られたドームにマンゴーやパッションフルーツで作られた温かいエキゾチックソースをかけて次第に中のデザートが姿を表していきます。
エキゾチックなホワイトドーム
中には、赤肉メロンやマンゴー、そして登米産のパッションフルーツなどのトロピカルな果物やシュトロイゼル、ココナッツアイスなどが入った夏らしいデザートでした。ホテルオリジナルブレンドティー「社の馨」と共にいただきました。
新たに着任された佐々木清史総支配人より、ゲストに喜ばれる価値あるものをお客様に提供することこそホテルマンの使命であり、宮城に根付いた愛されるホテルを作っていきたいというお話がありました。ずらっと並んだ調理師の方々、そして手前にはサービスの方もずらっと並んでいますが、この日温かな状態でお料理だけでなくカトラリーの温度にも注力してくださり、また絶やすことなく飲み物をサーブしてくださりありがとうございました。
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宮城県仙台市青葉区中央4-6-1
022-268-1111