横浜にまたひとつ素敵なレストランがオープンしました。10年で『トラットリアビコローレヨコハマ』を横浜のイタリアンナンバーワンに育てあげた佐藤護シェフが、新たなステージとしてオープンさせたのは、まさに「護の部屋」とか「護の家」とでもいえばいいのでしょうか。佐藤シェフの料理をしている姿を前に、シェフといろいろお話も楽しめる、贅沢すぎるシェフズテーブル『Mamorudini(マモルディーニ)』です。
▼インスタグラムのリールでまとめていますので音楽付きでご覧ください▼
横浜エリアのグルメな方であれば人気店『トラットリアビコローレヨコハマ』を知らない人はいないはず。4年半イタリア各地で研鑽を積み、横浜の名店『オ・プレチェネッラ』、中目黒の名店『リストランテ カシーナ カナミッラ』でオープニングシェフを務め、2013年に独立し『トラットリア ビコローレ ヨコハマ』をオープン。カッシーナ時代からの愛弟子でありイタリアの星付きレストランで研鑽を重ねた奈須 賢士シェフに『ビコローレ』を委ね、新店2022年斜め前に『ガストロノミア ヘリテージ ヨコハマ』と『マモルディーニ』をオープンしマダムと共にみなさんをお迎えしています。
華やかなオレンジが眩しい『ガストロノミアヘリテージヨコハマ』は今年1月にオープンされたのですが、同時に秘密の部屋『マモルディーニ』もスタートしました。
店内に入ると『マモルディーニ』ってどこよ。と思うんですが、そりゃわかりませんわ。このPrivateと書かれた扉がシェフズテーブルに続く秘密の扉なんですから。
はじめヘリテイジのカウンターがシェフズテーブルと思ったくらいなので、
かなり贅沢なお店になっています。
マダムに案内され扉の中へ入るとやっと店名が登場します。
おおおーーー、幻ではなかった〜と安堵し中へ。
奥へ入るとダンディな佐藤シェフのイメージにピッタリな店内。カウンター8席のみ。「マモルディーニ」と名付けられた店名は、シェフのお名前の「護(まもる)」が込められた名前となっています。まさに渾身の力の入った、佐藤シェフファンには待ちに待った新たなステージ。極上の夜が約束されたも同然の圧倒的な空間が広がります。
おまかせコース16,000円(税込17,600円)18:30一斉スタートとのことでした。
まずはシチリア産レモンで作ったレモンスカッシュを。
酸味とレモンのふくよかな味は流石の自家製。
近〜い!佐藤シェフが目の前ですよ!!! ビコローレでは、オープンキッチンとはいえ厨房は奥にあったので、まさかシェフが作っている様子をこんな近くで拝めるなんて。年齢的に♡が飛びかわずすみませんが、銀色の輝きが眩しすぎるぅ〜。
この日は、ばっちり佐藤シェフワールドを堪能させていただきました。
鳩サブレ
「あ、これはどこかで・・・」とシェフと目が合うと「これは横浜の鳩サブレです」とニヤリ。塩サブレの上に、鳩の内臓をつかったレバーペーストを塗ったお食事サブレです。生地もレバーもほんのり甘いんですが、塩のきいたサブレでビシッといただける美味しさ。可愛いけれど、しっかりお酒が合うスターターでした。
紫人参のクレーマ
この組み合わせを素敵な料理にしてしまうとは流石佐藤シェフ。紫人参のクレーマには、アマレッティとオレンジフレーバーオイルというニュアンスのある香りを合わせています。香り豊かで色合いのコントラストも美しい食べるスープでした。
お食事の前にワインセラーも見せていただいたのですが、その中に生ハムが。
シェフは生ハムもご自身で作られています。これは白金豚の首肉で作ったコッパ。
使う直前にスライサーでカットしてくれました。
自家製白金豚のコッパ(約半年熟成)
富有柿はマリネにし、ラデイキヨと紫キヤベツのマリネを合わせていました。
コッパは優しくエレガント。これは白金豚の優雅な味わいのせいでしょうかね。
シェフが何にやら、お話しながらグラスなどを持ってきて泡を盛り付けてくださいました。『マモルディーニ』は『Heritage』というお店の中にある秘密の空間。
ヘリテイジは伝承という意味がありますが、その名の通り「海老や蟹など甲殻類とアボカドのカクテルソースを後世に残したい」という気持ちで再構築したものだとか。
毛ガ二 アボカド パプリカ カニミソのカクテル
昔懐かしのカクテルが蟹を使いかなりエレガントに再構築されていました。
ベースはパプリカのムースやアボカド。ここに毛蟹のほぐしみが重ねられ
その上にカニ出汁の泡をふわっと添えています。野菜をベースとしたカクテルですが、泡に使われた出汁や蟹味噌がポイントとなり蟹をしっかり感じるカクテルでした。
新イカのフリット インサラータベルデ
こちらもシェフが野菜サラダを伝承したいという想いで作られたお料理です。
青紫蘇、セロリ、パジリコのスプラウトセルフィーユ、ディル、キュウリ、ピーテンドリルという緑の野菜たちが盛り付けられていました。ソースとなるのは、葉シヨウガのジュレほうれん草のピュレ。柔らかな烏賊をサクッと軽く揚げ、中はじんわり火が入って烏賊の旨味がしっかり味わえるサラダ。生姜で爽やかな味わいに。
リコッタチーズとオリープのパンも自家製。
横須賀産タコのサラミ
蛸のソプレッサータはビコローレでも何度かいただいた前菜。佐藤シェフというとこれを食べずに横浜から帰れません。今回はこの蛸が前菜になった、初めて食べるスタイルです。ソースは、少し食感を残す大きさにカットしたズッキー。オリーブ、ケッパー、自家製ドライトマトなども合わせたトマトを使ったプッタネスカでした。
初めてこのソプレッサータの作り方を教えていただきましたが、タコは必ず生きている蛸でなければ生臭くなってしまうのだとか。だから鮮度がいいことが条件です。約2時間程蒸してタコの持っているゼラチン質だけで固めて作られているそうです。
マッシュルームのクロッカンテとブッラータチーズ
マッシュルームのお料理ですね。手前は静岡県産のジャンボマッシュームを香ばしく焼き、ポルチーニパウダーをまぶした香り高いクロッカンテ。下には、トリュフとマッシュルームのピュレも仕込まれています。また最初に食べた白金豚とはまた違う今度は旨味の強い自家製ウリ坊の生ハムとブッラータチーズ。とろとろとカリカリ、そして旨味が凝縮した香り高いお料理でした。
ちなみにシェフが大きなチーズを使っていらっ他のですが目の前で使われていたので思わず写真撮っていいですか?と聞いちゃったんですが、これがカウンターのいいところですね。アメリカ産のブッラータを使用されているそうで、大きく作られているのでストラッチャテッラがたくさん入っているのでこちらを使われているとか。
実は先日USチーズのイベントでアメリカのスペシャリティチーズの魅力を体験させていただきましたが、ご興味のある方は是非USチーズの魅力もリールでご覧ください♪
ポルチーニのインパデッラ
シンプルですがね抜群に美味しく仕上げてくれたポルチーニをニンニクソテー。
トリュフだのポルチーニだの香り高い食材がどんどん並べられていく、ゴージャスなシェフズテーブルでした。
こちらのシェフズテーブルは脇にコンロもついていて、シェフがパスタを茹でている姿も激写♪シェフもちょっと照れ臭そうに笑っていましたが、パスタを茹でたり肉を焼いたりする姿を間近に見ることもできるのも醍醐味ですね。
スパゲッティ 白子 九条ネギ ケッパー
柚子のペペロンチーノ ロックチャイブ添え
とてもゴージャスなパスタを作ってくださいました。具材が和食材であるトロトロの白子と甘味のあるこれまたとろっとした食感の九条ネギ。柚子でまさに和テイストです。しかしながらペペロンチーノの辛さも引き立ち、美しい出来上がり。こういうメニューがエレガントに美味しくまとまっていて、こりゃお替りしたいですと言ったら、まだパスタが2種出るよ〜と言われ、まじか!!と大喜びしたのでした。
佐藤シェフに和食材も多用されるんですねとお伝えしたところ、「ヘリテイジ」という名のごとく伝承をしたい料理を作るのはもちろんのこと、日本の食材の良さをより知ってもらいたいという思いも強く、日本の食材で旬を感じて欲しいという思いも語ってくださいました。
魚介の裏ごしトマトスープを詰めたトルテリーニ
尾鷲産ガスエビとムール貝のスープ
またしてもすごいゴージャスなパスタが登場しました。運ばれた瞬間にサフランのいい香り〜。エビの殻、ムール貝の2種を使い、トマトウオーターで作ったスープの下にはサフラン風味ウイキョウのピュレが敷かれていてスープと交わるととろとろに。ここに、魚介の旨味を閉じ込めたトルテリーニ(くるんっと巻いた指輪のようなパスタ)と尾鷲産のガスえびや岩手県産のムールの力強い甲殻類の組み合わせ。先程の白子のスパゲッティとのコントラストも楽しくバランスを意識されていることがわかります。
ランド産鳩胸肉のロ―スト モモ肉のコンフイ
最後は抜群の火入れで登場した、ランド産の鳩の胸肉でした。もも肉はコンフィにしてくださったので、手掴みで骨の周りの美味しい部分も余すところなくいただきました。ソースは鳩のレバーの赤ワインソースでしたが、自家製の無花果のマルメラータ(ジャムのこと)も加え、フルーティーな甘味のあるソースでした。完成度高し。
秋らしく、カボチャのピュレが添えてあり、またムカゴ、アピオス、銀杏、無花果、落花生が添えてありました。秋の賑わいですね。うずら豆のチュイルもしっかり紅葉♪
チーズフオンデュを詰めたアニョッロッティ
タレッジョチーズ入りのポレンタの上には、独特の風合いを持つフォンテイーナチーズ入りのアニョロッティでダブルでチーズのとろとろ感が味わえます。バターソースにもトリュフを忍ばせてアニョロッティに纏わせています。白金豚のサルシッチャの旨味と、ゆり根の食感、トリュフの香り。フロマージュみたいな位置付けのパスタ。
モンテビアンコ
茨木県笠間産の利平栗の渋皮煮は、ちょう巨大。これも目の前で重ねてくださいました。モンブランの中には、崩れたマロングラッセ入りのセミフレッド。下には渋皮煮の崩れた部分をソースとクリームにして使い、栗づくしのモンテビアンコに。
山梨県産リンゴの小さなタルト
リンゴを薄くスライスにして重ねて焼き上げたタルトは、タルトタタンよりリンゴそのものの味わいが味わえます。タルト生地は極薄で、パリパリ。酸味が楽しめ、しかもりんごの香りがとても強い、栗もそうですがこちらも正に旬のドルチェ。
温かいリンゴのスープ
リンゴのもつている水分のみで作ったりんごのスープは、りんごってこんなに強い味だったっけ?というくらい凝縮した味わい。体が温まるこの季節にはふさわしい一品。
自家製レーズンとホワイトチョコレートのタルト
山梨県産ブラックピートを使ったプチタルトがお茶菓子。
こんな小さなタルトにレーズンがたっぷり。
黒葡萄の葉で作ったお茶をいただきました。
実は『マモルディーニ』は、『ヘリテージ』の入り口を通らずとも、専用の入り口から入ることができるんです。つまりお忍びでも使えるということ。
かなりお忍び度も高いですね。
また『ガストロノミアヘリテージヨコハマ』ではシェフが使っているおすすめの食材なども販売しています。オリーブオイルもかなりの種類が購入できます。
ホワイトバルサミコ酢もオーガニックでこだわっていますね♪ショーケースもあり、ゆくゆくはお惣菜みたいなテイクアウトのものも販売したいと言っていました。
佐藤シェフの料理人人生を通じ、また一つ大きな勝負となった『Mamorudini』。10年間のビコローレを営業する中で、やりたいことが明確になったスタイルが『Gastronomia HERITAGE Yokohana』や『Mamorudini』ということだと思います。佐藤シェフが楽しそうにお料理をしているお姿を拝見すると、お料理が本当にお好きなんだなと感じます。マダムとそんなことをお話したところ、休日でもお店にきてお料理しているのよ〜と笑っておられました。ビコローレとはまた違う魅力をもつ『Gastronomia HERITAGE Yokohana』、そして『Mamorudini』。横浜のイタリアンを牽引するレストランがまた一つオープンしました。
Mamorudini(マモルディーニ)
https://www.instagram.com/mamorudini/
神奈川県横浜市西区平沼1-37-15 モンテベルデ第2横浜102
ガストロノミアヘリテージヨコハマ 内
045-624-9443
月曜日定休
18:30一斉スタート
Mamorudini (イタリアン / 平沼橋駅、高島町駅、戸部駅)
夜総合点-