9月に入ってぐっと秋めいてきました。イチョウの葉が黄色い絨毯のように落葉し、

カサッカサッと心地良い秋の音を奏でながら歩く。

目で、耳で、秋を感じる日もすぐそこまで来ていますが

そんな気分を麻布十番で一足先に味わってきました。

この記事で少しでも秋を味わって頂けたら嬉しいです。

 

 

『Sublime(スブリム)』

2017年8月10日に麻布十番に移転しましたが、オープンしたのは2015年10月30日。

新橋で産声を上げて、後少しで3周年を迎えるレストランです。

2017年版、2018年版ミシュランガイドで1つ星を獲得の人気レストランです。

 

 

厨房を仕切るのは、加藤順一シェフ。

日本とフランスでフレンチの基礎と最先端を学び、デンマークで北欧の

先進性を体得されました。

オープンキッチンということもあり、いつもこのの~んびりした和やかな笑顔に癒されます。

 

風貌がかわいいので、ちょっと油断をしてしまいがちですが

実は頭の中はたくさんの科学や方程式が詰まっています。

料理を始めると、頭の中の方程式が動き出し

素材を生かしながら、計算されつくしたお料理を作り出してくださいます。

実はただならぬ曲者シェフです。

(基本、とってもキュートで優しいシェフですのでご安心あれ)

 

あれ?スーシェフには見たことのある顔が!!

代々木上原のAELU(アエル)にいらした北嶋シェフがなんとこちらへ。

AELUのお料理を思い出してみると、Sublimeとはいいチョイス。

今後もこのキャリアが北嶋シェフの良い礎となること間違いなしです。

今回もピンセットでの細かな技がたくさん登場しました。

 

 

今回は9月11日からスタートした秋のコースを

初日にお伺いしいただいてまいりました。

 

 

銀杏 黒トリュフ

イチョウの葉をびっしり並べたトレイに置かれたのは

削ったトリュフをふんだんにまとった銀杏の素揚げ。

イタリアから到着した香り高いトリュフで

目の前に置かれただけで漂うトリュフの香りが衝撃的なほど豊か。

ほら、頭の中はすっかり秋。

銀杏並木で落ち葉を踏む音がしてきましたよ。

 

 

ベルガモット柚餅子

2つめのスナックは滋味深いふたつ。

静岡県出身の加藤シェフらしいスナックが登場しました。

 

 

静岡県では昔より、酒のアテにもなりそうな甘くないゆべしを作ってきました。

この料理では柚子ではなく高知県産のベルガモットを使い、

加藤シェフの祖母直伝の特別な配合のクルミ味噌を詰め蒸した後、半年間寝かせています。

この秋、半年前に仕込んだベルガモットゆべしが満を持して登場しました。

こちらはそのベルガモットゆべし。

 

 

ベルガモット味噌スナック

このゆべしサンドは、ポルチーニの香り、そしてベルガモットの酸味など

実直ながらも豊かな里の香り。

滋味深い日本の郷土料理が昇華し、酸味とさくさくっとした食感で

カラダの細部が自然に活性化するような一皿。

 

ベルガモットやポルチーニの香りに負けない物と言えば、

この時期はやはり松茸は外せません。

出汁には唐松の新芽やオイルが加わり

秋を満喫しながらスタートしました。

 

 

パンはもちろんエスキス。

加藤シェフが尊敬する成田一世シェフのパンは

料理にもよく合うカンパーニュ。

 

 

縞鯵 洋梨 西洋山葵

本来秋のコースは組み込まれているのはこちらのお料理。

お魚はその日によって変わるのかな。

洋梨を使った香り豊かなお料理でした。

 

鯵とか光物が食べられない私にはこちらを。

 

おかひじきの素揚げを外すと昆布締めのクエが。

カラマンシービネガーの香りと時折弾ける実山椒のピクルスの香り。

物静かな料理と言ったらいいのかしら。

派手さはないけれどしっとりしたお料理をいただきました。

 

 

このあたりで白も。

 

 

ムール貝

ジャガイモの素揚げにアリッサの花をちりばめられています。

春に採れたエルダーフラワーをビネガーにし、

オレンジオイルを使っています。

私の頭の中では少女がお花を摘んでいるような姿が浮かんできました。

ちょっと乙女なお皿。

そうそう。お皿は二階堂明弘さんのものを使用しています。

 

ムール貝は白ワインでさっと火を入れて。

生の匂いはなく、ムール貝の味を愉しむことができます。

エシャロットやビネガーなどで爽やかな味わいですが

ホワイトバルサミコ酢が軽い甘味も加えています。

ムール貝を爽やかに、そして華やかにいただいた一皿。

 

 

オーナーソムリエの山田さんが駆け付けてくれました。

私にとって山田さんはとっても面白い人。

まさに顔を見て、ワインを選んで、

すぐにもう一つ経営するワインバーコフクに行っちゃった感じでしたが

久々にお会い出来て嬉しかったなぁ~。

 

 

ホタテ貝

シシトウをソテーし、その上に帆立の炭火焼きを乗せています。

炭オイルで作ったマヨネーズのエスプーマがしっかりと香ります。

ホタテのムースで作ったチュイルが乗っているのですが

パリパリっとお煎餅みたい。

ホタテのムースで作ったチュイルが、炭の香りにも負けない旨味を発揮し

ホタテの味を存分に感じさせていただきました。

 

 

発酵マッシュルーム

久々に伺ったので加藤シェフのスペシャリテにしました。

長谷川農園のマッシュルームは、

スライス、ソテー、そしてスープにとマッシュルームづくしの一皿です。

 

 

3%の塩で3週間ほどつけて発酵させたマッシュルームに

生クリームやブイヨン、パターなどを加えて作ったスープを目の前で注いでくれました。

 

前回あまりにキレイにマッシュルームが並べられていたのでびっくりしましたが

初期にもどったような並び方に。

 

中に仕込まれた温泉卵とマッシュルームの味が交わって

マッシュルームの味がまろやかに口の中に滑り込んできます。

きりりと胡椒が味を引き締めて。

スペシャリテらしい貫禄もでてきた一皿。

 

 

伊勢海老

バターポーチをしてじんわり火を入れたラングスティーヌ。

チキンブイヨンに葛を入れたとろみのあるスープをまとっています。

上にはローズマリーの葉。

 

ラングスティーヌはかなり肉厚。

しっかり海老のぷりっとした食感、そして濃厚な味が楽しめました。

 

 

この日はなんだかいいワインを飲んでいるので

私もちょこっとだけいただきました。

いつの間にかイケメンソムリエさんが変っていました。

スプリムは歴代イケメンのソムリエさんばかり。

 

 

 

短角牛

骨髄を使ったソースがこれまた絶品でした。

ガルニチュールはミニロメインとつちたけ。

 

短角牛はロティした後、軽く炭で仕上げているのですきっとした香りがたまりません。

ソースは、しっかりとした、同時に口の中でとろけるような口当たり。

ハチミツで少し甘目に仕上げてあり、

短角牛のぎゅっとしたお肉の味をより引き立てます。

というか、このお肉の断面を見たら言葉はいらないような気がしてきました。

 

メインは短角牛かほろほろ鶏のチョイスでした。

私は短角牛を。友人はほろほろ鶏をオーダーしました。

 

 

加藤シェフがFacebookで呪いの藁人形か?

じゃないですとアップされてた藁に包まれたものの正体が

この日、明らかになりました。

藁の中から登場したのはなんと根セロリ。

北欧では野菜などを藁で包み暖炉で焼く習慣があるそうで

そんな料理を出してみたいと加藤シェフが選んだ食材が根セロリだったとか。

え?デザートに野菜を使うんだ!!

 

 

根セロリ バターミルク

藁に包んで2時間かけて蒸し焼きのように焼かれた根セロリはほくほくです。

上には黒蜜を塗って薄く仕上げたかりんとうが添えられて

野菜の味はもちろんします、黒糖の甘味にミルクのソースが

加わりしっかりデセールに。

始めは柚餅子で日本の伝統料理が。

そしてここではデンマークの冬の習慣が登場し

目の前で2つの国の文化が展開されてなんとも楽しい時間でした。

 

 

ナガノパープル

加藤シェフが立派な長野パープルを手に仕上げをしながら

美味しいですよねと嬉しそうに作っていたのがコレ。

アイスはナガノパープルのパウダーアイスとバターミルクのエアリーなもの。

秋の果物の一つ目は葡萄のみずみずしさが印象的なデザート。

 

 

一見、クリームに覆われて、

まったく美味しそうに見えないのですが、これがとても美味しかった。

 

ほんのり甘いバニラの香りのするムースの下には

和栗の甘露煮と渋皮煮。

栗のいい香りとぐっとした甘さがありました。

中に仕込まれたクランブルが食感に変化を。

でもそれだけじゃないんです。

エディブルフラワーの実のピクルスが入り

プチっと弾ける食感と酸味が甘さの間から顔をのぞかせ

最後まで楽しくいただきました。

 

 

阿蘇の大地に咲くバラのアイス

熊本にあるハーブ&ローズさんのオーガニックのバラの花びらを

液体窒素でパリパリに瞬間冷凍したバラの花。

 

砕いたものを、阿蘇の火山灰の大地を思い起こさせ

炭のパウダーをまとったアイスや炭のメレンゲの上に散りばめていきます。

 

火山灰の土壌にバラが一気に花開いたような光景が広がりました。

所々にマルトセックで作ったバニラのパウダーも。

 

一番大きな石ころのようなものを割ると、中にはバラ色のアイスが。

バラのピクルスと共に味わうその芳わしいアイスクリームで

気分は瞬く間にエレガント。

トリュフの大地の香りで始まったコースは、

大地に咲く美しく優雅なバラの香りで締めくくられました。

 

 

この日はお友達のお誕生日のお祝いを。

いつものごとくミッフィーが登場しました。

お誕生日おめでとう。

何を願ったのかな?

やっぱり彼氏ができますように・・・かな?

今年も60回くらいはお願いしているのだからきっと神様にも願いは届くと思うよ。

 

 

ブルーベリーのタルトは大粒の極上のもの。

最後の最後まで素材にもしっかり目配されているのが

やはりレストランの醍醐味でもありますね。

 

 

最後はフレッシュのハーブティーで。

 

加藤シェフがなにやり楽しそうに生地をこね始めました。

 

何?何?と思っていたらいきなりワッフルを焼きはじめて。

カウンターの前で焼いてくれたので

いろいろおしゃべりしたりあれこれ質問をしたりしてこれまた楽しい時間でした。

 

最後のミニャルディーズはスキクイーンとキャラメルのワッフルでした。

しかも焼きたて!!

こういうビスケット状のもので焼きたてを食べることは

ほとんどありませんのでこれは嬉しいですね。

キャラメルのクリームにちょっと塩気のある山羊のチーズ。

大人のワッフルの完成でした。

 

 

前回はランチでの訪問でスプリムの世界観を満喫できず

不完全燃焼でした。

今回は存分に楽しめて大満足。

手軽なランチもいいですが、

スプリムは確実に世界観を満喫できるディナーがオススメです。

 

デンマークと日本って実は質素な気質みたいなものが

残っていて北欧の料理って

実は日本人にはとても合うように思います。

 

もちろん北欧などでも学んでいる加藤シェフのお料理ですから

質素というより先端のロジックやテクニックが使われたお料理となっています。

 

北欧もそうですが、日本も四季があります。

なんだか気持ち的に寄り添うところがあるんじゃないか。

北欧で修行されたシェフのお料理をいただくと

いつもそんな風に思います。

 

今回は秋を満喫できるお料理で

しっとり、落ち着きの中に光るエレガンスを。

 

麻布十番で一足早い秋を堪能させていたただきました。

 

 

 

LUNCH

¥4,500 (平日限定 Weekday only) スナック数種+前菜2品+魚 or 肉+デザート

¥6,500   スナック数種+前菜2品+魚+肉+デザート

 

DINNER

おまかせコース¥12,000

スナック、前菜、魚料理、肉料理、デザート(10品~12品程度)

税金、サービス料10%別途

 

 

【スプリム関連記事】

・2017年12月ランチ

 


Sublime (スブリム)

東京都 港区東麻布3-3-9 アネックス麻布十番1F

03-5570-9888

ランチ 12:00-13:00 /ディナー18:00-20:00(LO) 

月曜定休日 麻布十番駅 6番出口から徒歩4分

食べログ食べログ得点はこちらをチェック