人には、恒常性という性質が備わっている。
体温はある一定のところまで上がれば、次第に下がるようになる。
ある一定のところまで下がれば、次第に上がるようになる。
上がり切ることもなければ、下がり切ることもない。
こうして、一定の範囲が定まっている。
体温は、この範囲内の中で上下している。
そして、何か特別なことがなければ、平温当たりに落ち着く。
なんたって、平温が一番安全な体温だから。
このように、多少の上下はあるが、ある一定のところに留まろうとすることを恒常性という。
ただ、恒常性の性質は、体温や血圧だけではないんよね。
だって、人は、ある一定の範囲内で意識したり、行動するものだから。
そして、今いる環境を保つために、同じように意識したり、同じような行動を繰り返すもの。
多少の違いはあっても、本質的には何ら変わらない。
その証拠に、「この行動をすれば環境や事態が変わる」という行動に対しては、人は、抵抗を感じるものだから。
すんなりとやれるものではない。
その行動をすることで、環境を変えることを受け入れることができていない。
先に進もうとしても、今に留まろうとする力が働き、今に留まることになることは多い。
先に進みたいと思ったところで、今に留まろうとする力に負けると、今に留まることを選んでしまう。
今の環境に居続けることを選択してしまう。
無意識とはいえ、自分には、意識できる範囲や行動できる範囲が定まっている。
自分が設定した環境によって自ずと定まっている。
人は、皆、自分が設定した環境の中で、同じような意識と行動を繰り返しながら日々を過ごしているもの。
自分が設定した環境を超えない範囲で、考えを繰り返し、行動を繰り返している。
どんな時も、一線を超えないように考え行動している。
一線を超えれば、環境を変えることができるというのに、その一線を超えようとはしないもの。
いや、超えようとしても、ブレーキがかかってしまい、超えることができないようになっている。
なんせ、「これをすれば次に進める」と分かっていても、中々、できなかったりするから。
なんやかんやでやらない理由を考え、やらずに済むようにする。
不思議と、そういう力が働いている。
一線を超えると、今までの人生を変えることはできる。
だが、多くの人は一線を超えずに過ごす。
今ある環境の範囲内で多くの時を過ごす。
ただ、一線を超えてドンドン前に突き進む人がいるのも事実。
では、何がこの違いを生むのか。
それは、自分自身の想いや感情の強さ。
想いや感情が強い人は、楽々と一線を超えて次の環境へと足を踏み入れる。
抵抗も小さく、アッサリと一線を超えて次のステージに進んでいく。
今に留めようとする力に余裕で打ち勝ち、ステップアップする。
よって、次々とステージを変えていくには、自分自身の想いや感情を強める必要がある。
ゆえに日頃から、感情を出している人、感情を顕にしている人ほど、サクッと次に進むことができるもの。
感情を顕にできる人というのは、普段からそうやって過ごしていたり、自分の心に余計なガラクタが少なかったりする。
だから、こうやって過ごすことができている人は、今までの過ごし方が素晴らしかったのだろう。
そのため、今までの過ごし方に感謝しつつ、その調子で過ごせば良い。
でも、実際のところそういう人ばかりではない。
心を傷つけ、感情を抑圧している人もいる。
感情を抑えクールを装う人もいる。
感情を出したくても出せない人もいる。
残念ながら、これが事実。
こういう人って、次のステージに進みずらいもの。
なぜなら、進もうという想いがあっても、強い感情を注ぐことができなくなっているから。
また、想いを抱いたとしても、その想いを抑えにかかってしまうから。
感情が出せないのは、出しにくくなっているのは、実は、人生において不利になる。
より良い人生を歩む上では、制限となる。
ゆえに、次のステージに進む想いがあるのなら、まずは、自分自身の感情を解放する必要がある。
抑圧されていた想いや感情を解き放つ必要がある。
なんせ、理屈では、今に留めようとする力には中々勝てるものではないから。
次に向けて、自分の想いや感情を注ぐ必要がある。
だって、それが、次に進むための重要なエネルギーとなるから。
自分の感情や想いって、普段はあまり意識することはないが、実は、すごく重要なものだったんよね。
今いる環境では、あえて出さなくてもなんとかなるが、次のステージに進む上ではそれが弊害となる。
もし、今の環境に居続けることを決めているのであれば今のままでも良いが、より良い人生を求めているなら、自分自身が変わっていく必要がある。
感情や想いを強める必要がある。
じゃなきゃ、今に留めようとする力に打ち勝つことなんてできやしない。
何気なく臨むのであれば、高い確率で、今に留めようとする力に太刀打ちできない。
それほど、強い力が働いている。
このことを自覚した上で、普段から過ごすことが大事。
すると、自分の想いや感情を強めることを意識するようになるし、顕にすることを意識するようになるから。
一気に上げることは難しくとも、少しずつなら誰にだってできる。
少しずつ意識や想いを強めることを実践する。
些細なことで地味ではあるが、すごく大事なこと。
長い目で見ると、まちがいなく自分のためになる。
焦らずじっくりと育む。
その意識と姿勢があれば、大丈夫。
誰だって、自分の想いや感情を強めることができる。
意識を向けることで今まで以上に強めることはできる。
意識を向けないから、向けてはいけないと思い込んでいるから強めることができなくなっているに過ぎない。
ゆえに、あえて意識を向けなよ。
意識を向けることで、自分の想いや感情はこれまで以上に出すことができるようになるものだから。
案外、そんなもの。
サコヤンの独り言
「自分の想いや感情を表に出す意識を強めよう」