1月27日から上演されております坊っちゃん劇場ミュージカル

「よろこびのうた」を観て来ました!

 

尚、1年間というロングラン公演が始まったばかりということもあり、感想は具体的なネタバレはなしのざっくりとした感想で書いてみたいと思います。

 

 

脚本:羽原大介さん
演出:錦織一清さん
音楽監督・作曲:岸田敏志さん
振付・ステージング:神在ひろみさん

 

ミハエル:四宮貴久さん 明子:帆風成海さん
パウル・エンゲルス大尉:村上幸央さん

松江豊寿所長:小林遼介さん 豪太郎:中村元紀さん

絵美子:脇山尚美さん マイスナー上等兵:梶雅人さん

牧野:渡辺輝世美さん きよ:小野佑子さん

五郎:瀧田和彦さん 六郎:長本批呂士さん

渦子:松尾奈実さん 潮子:佐藤朱莉さん

 

坊っちゃん劇場作品と言えば、四国にちなんだ人物や出来事にスポットを当てたミュージカルが上演されているのですが、2018年の新作ミュージカルは徳島が舞台。第一次大戦中の徳島の板東俘虜収容所と老舗旅館を中心に、この徳島において、日本で初めてベートーヴェンの第九『歓喜の歌』が歌われた史実を元に作られたミュージカルです。

 

坊っちゃん劇場の新作ミュージカルが発表になると、いつもキャストの皆さんやスタッフの方々の情報を見るのが楽しみで、今回も情報が出て早々に情報を見に行ったのですが、スタッフの方々が豪華で思わず感嘆の声を上げそうになりました。しかも、脚本の羽原大介さんと演出の錦織一清さんはお名前を存じ上げていて、錦織さんは当時よく歌も聞いていましたが、音楽監督と作曲の岸田敏志さんはお名前を聞いたことがないな~と思っていたら、昨年観劇に行った時に頂いたチラシに載っている写真を見てびっくり。岸田智史さんではないですか!!

 

当時のお名前と違う漢字を使われていたので写真を見るまで気が付かなかったのですが、今作品は本当にスタッフの方々が豪華ですね。

 

ということで、初めて観劇した感想ですが、今まで観た坊っちゃん劇場作品の中でも、いい意味で一番コンパクトにすっきり纏まっていて、でも、内容が濃くて、歌が少なくお芝居の部分が多いので、ストーリーにぐいぐい惹き込まれる感じがしました。コンパクトにというのは、あくまで私が感じた感想ですが、もう少し分かりやすく言うと、言い方が適当かどうかは分かりませんが、場繋ぎ的な歌やダンスなどがなく、そのぶん、お芝居とストーリーに惹き込まれ、歌が少ないことで、ラストの、日本で初めて徳島で歌われたという「よろこびのうた」が、もの凄く強烈に、美しい歌声となって響いてくる気がしました。

 

また、この作品は舞台セットも凝っていて、舞台中央のセットが回転するようになっています。これは東京などに舞台を観に行くとよく見かけたりもしますが、この舞台セットの滑らかな転換もそのシーンの一部になっていて、当時の俘虜収容所という雰囲気がとても感じられる素敵なセットでした。

 

ここで、ネタバレなしで特に印象に残ったシーンやキャストさんについて書いてみたいと思いますが、なんといっても、第一次大戦中のお話ということで、軍人の皆さんの機敏できれいな動きがとても目を惹きます。ここでの私的な注目は、村上幸央さん演じるエンゲルス大尉と小林遼介さん演じる松江豊寿所長のお二人です。このお二人がセリフを言い始めると、もの凄く聴き入ってしまいます。しかも、とあるシーンでのエンゲルス大尉の動きが凄くしなやかで目を惹きました。数か月後くらいにネタバレありで、また感想を書かせて頂くと思いますが、どのシーンのどの動きかは、実際に劇場でご自分の目で確かめてみてください!!

 

それと、凄いなって思ったのが静止シーン。とある場面で静止シーンがあるのですが、えっ、そこで止まる!!と思わず叫んでしまいそうになるところで静止して、しかも、皆さんピタリと止まって動かないので、ここは必見です!その静止具合に感動します。更に、きよが歌うシーン。私と同年代のお客様だと同じような感想を持たれるのではないかと思いますが。この歌、めっちゃ岸田さんです!

変な言い方ですが(笑)、岸田さんの魅力全開の曲で涙が出そうになりました。

 

そして、登場人物についてですが、ミハエルと明子は響き渡る歌声が素敵で、明子役の帆風成海さんは初めて拝見しましたが、写真で見た印象よりやや声が低くて深みのある伸びやかな歌い方に聴き入ってしまいました。そんな明子の両親である豪太郎と絵美子は本当に娘のことが大事なんだなって凄く思わせられて、父親の豪太郎は徐々に自分の中で変化していく想いが、なんだか、少し可愛くも見えました。また、坊っちゃん劇場作品を何作か観ている私にとっては、脇山尚美さん演じる絵美子の、なんという安定感と安心感。想いが込められたお芝居と歌は圧巻です。

 

更に、板東俘虜収容所にいるマイスナー上等兵と日本軍の牧野は、二人とも立場は違うけど、凄く祖国に誇りを持っていて、詳しくは書きませんが、いろいろな状況を受け入れているマイスナー上等兵と、あくまで自分の置かれた立場に自信と誇りをもって上官に接する牧野。お互いの立場からすると、誰かへの想いだったり自分自身の信念だったり、そういうのもが遠くなっていく、この時代だかららこその切なさみたいなものも感じました。

 

そして、ぐいぐいお芝居とストーリーに惹き込まれて行くこの作品にあって、ちょっと和み系の、手に力を入れて見ている時に、ほんわか癒しを貰えるのが、旅館にいる五郎、六郎、渦子、潮子の4人です。笑いも貰えます(笑)。五郎役の瀧田和彦さんは坊っちゃん劇場ではお馴染みの役者さんで、私的にはわらび座全国公演の「げんない」以来なのですが、やはり、いろいろな動きが凄くきれいです。六郎役の長本批呂士さんは初めて拝見する役者さんなのですが、事前に公式サイトでお名前を見てちょっと調べてみると、坊っちゃん劇場作品に何度か出演されてらっしゃる宇高海渡さんの同期の役者さんとのことで、私的にちょっと楽しみな役者さんだったりします。

 

また、旅館にいる4人のうち渦子役の松尾奈実さんは前作に続いてのご出演で、潮子とのやり取りにほっこりして、潮子役の佐藤朱莉さんは、私が昨年観た岡山市民ミュージカル「オランダおイネ」に出演されていた方で、私的に今作品の注目の役者さんの一人だったので、じっくりとその役を観れて嬉しかったです。

 

と、ざっくりと登場人物や役者さんについて書いてみましたが、この作品はベートーベンの第九『歓喜の歌』が日本で初めて徳島で歌われた史実をミュージカルにしているので、当然「よろこびのうた」が聴けるのですが、全員で歌う圧巻の歌声は必見です!ぜひ劇場で生で聴いていただきたいと思います。

 

具体的なストーリーなどは伏せているので、伝わるかどうかは分かりませんが、たとえ状況的に苦しい立場にあっても、常に前向きな思考で、自分たちにとって少しでも楽しみが増えるような提案を要望したり、当時の状況下においては絶対的に無茶な要求と分かっていながら、それを受け入れ、更には、地域に還元しようとしたり、いろいろな人の想いがとても素敵に響いてくるミュージカルでした。

 

個人的にはたった一つだけ、何度かあるとあるシーンで、リアクションにもう少し感情が乗れば、ほんの少しですがリアクションに幅が出て、もっともっと心情が伝わってくるかも、と思うところもありましたが、このあたりはまだ1回目の観劇ということで、観劇を重ねるごとに感想が変わってくるのも観劇の醍醐味だったりしますし、しかも、全然そんなことはなく、凄く感情が伝わってきた、という感想を持たれたお客様も多いと思うので、いろいろな意味も含めて今後の観劇がまた凄く楽しみです。

 

坊っちゃん劇場第13作「第九」アジア初演100周年記念

ミュージカル「よろこびのうた」

 

想いが溢れたとき、人は歌う

 

その溢れる想いを、想いのこもった素敵な歌を、ぜひ劇場で!!

秋には東京公演や徳島公演も予定されているようですよ!!