昨日になりますが、障がいを持った人たちの和太鼓の発表会、

「みんなでたたこうin 愛媛2013-せかいにすみっこはありません-」

という催しがありました。


これは、この発表会を通して障がいのある人たちの優れた感性や可能性を引き出す活動の場となったり、太鼓を通して生き生きとした生活を送って欲しいとの願いから、特定非営利法人 アトリエ素心居さんが毎年行っている発表会で、今年で9年目になるそうです。


実は、和太鼓の発表会があるというのを聞いたことはあっても、今まで見に行った事がなかったのですが、今年は息子が学校を卒業して行きはじめた事業所が数年前から出場しているということで、息子もこの発表会に事業所のみんなと一緒に出ることになり見に行って来ました。


午後から始まったこの発表会ですが、いきなりレベルの高い発表にびっくりしました。もう何回も参加しているチームやメンバーの方も多いようで、力強い和太鼓の音と時には会場から手拍子が出たり、和太鼓の演奏の途中でダンスを披露するチームや、CDの歌に合わせての和太鼓、また中には視覚障がい、聴覚障がいの方のチームなどもあり、本当にどのチームも一生懸命さが伝わって来て凄くいい演奏でした。


途中休憩を挟んで、招待チームの方々演奏もあったのですが、これがまた凄い。一つ目のチームは松山チャンゴヨロガチさん。

朝鮮半島の伝統芸能チームで、年齢や性別、国籍など関係ない誰でも入れるサークルを作ろうという主旨で集まったメンバーだそうですが、普段あまり見る事のない形の太鼓の演奏でとても楽しい演奏でした。


次に登場したのは松山の心参太鼓さん。

このチームは松山の水軍太鼓や日本各地のいろいろな演奏技術を取り入れた和太鼓の演奏をされていて、独自に作曲した演奏もしているそうなのですが、この太鼓は凄いです。


いきなり地の底から心にドンと響いてくるような太鼓の音。力強さの中にも確かなリズムがあって、太鼓と力比べをしているような重厚さもあり、写真を撮るのも忘れて太鼓の演奏に魅入ってしまってました。

また機会があればぜひ太鼓の音を堪能したいなって思いました。


さて、うちの息子も所属のチームですが、身内のひいき目じゃないけど凄く感動しました。

太鼓をたたくのは生活介護、就労移行、就労継続B型、軽度から重度までいろいろなメンバーが一緒になっての演奏です。他のチームのように決して目を引くほどの上手さもなければ、音もぴたっと揃っているわけじゃない。


だけど。


みんなが一生懸命なのが凄く伝わって来て、中には一人でバチを振り下ろすことも出来ずに職員さんが手を添えての演奏をする子もいました。

少ない練習時間の中でそれでも私の眼には結構音もみんな揃って聞こえたし、これに参加した当初からは考えられないくらいみんな舞台にも慣れて上手になったそうです。


何より、太鼓や音楽ってそれが出来る子だけじゃなく「誰でも楽しく演奏することが出来る」それを証明するかのような不器用だけど楽しそうな演奏。

知的障がいの場合、リズムを取るのが難しかったり、指示が入りにくかったりする子は少なくありません。でも、中には絵画や音楽など突出した才能を開かせる子供もいます。


この発表会を見て、隠れた才能を引き出すきっかけになったり、またそんなもの無くても、重度でも軽度でも、障がいがあってもなくても、みんなが楽しく演奏することで目に見えないとても大切なものを感じて貰えることが出来る、それを凄く感じました。


来年もまたみんなと太鼓をたたきたい。もっと上手にたたきたい。

そんな想いがみんなの顔にあふれていて、みんな本当とてもいい目の輝きをしていたのが印象的でした。


この発表会は松山市だけじゃなく、東予や南予からも参加してくれて、来年も凄く楽しみになりました。遠くから参加のチームなどはフィナーレを待たずして帰っていきましたが、最後まで残った全員で舞台に上がって太鼓をたたいて、この日の発表会を終えました。


沙希のまったりブログ

最後まで残っていた全員でたたいた風景の写真。

いろいろなチームがいるので衣装もさまざまです。

うちのチームからは送迎バスに乗らなかった3人が参加。


参加された皆さん、お疲れ様でした。

そして、たくさんの感動を本当にありがとうございました。