最強のふたりコレクターズ・エディション(2枚組)(初回限定仕様) [DVD]/フランソワ・クリュゼ,オマール・シー,オドレイ・フルーロ

¥3,990
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久しぶりに、素晴らしい映画を見た。
ロードショーの時から噂には聞いていたのだけれど
最近DVDにて鑑賞。本当に素晴らしかった。
あらすじは、事故で首から下が全身麻痺になったおじさん富豪と
ふとしたきっかけで彼を介護することになったスラムの黒人兄ちゃんの話。
兄ちゃんは失業手当をあてにして、「絶対採用されそうもない仕事」である
おじさんの個人介護人の面接を受けに行く。
おじさんは、同情されたり特別扱いされることに嫌気がさしていて、
障がい者に対して全く無知なこの兄ちゃんをほとんど衝動的に採用してしまう。
無知であるが故に、障がい者の介護の「常道」を逸脱する兄ちゃん。
でもそれは、障がい者を病人ではなく普通の人として接することでもあるわけで。
それに素直に感謝し、生きる楽しみを取り戻すおじさん。生まれる友情。
そんな話。
と、書いて行くとハンカチ必須の感動物語と思うでしょうけど
いやいや、それがフランス映画の面白いところ。ユーモアたっぷりなんですよ。
特に兄ちゃんの障がい者&知識階級に対する無知っぷりがいい!
最初は足にお湯をかけちゃったりして「ほんとに?ほんとに何も感じないの?」
って聞いてみたり(いや、介護の基本はちゃんと看護師さんに研修受けてるけどね)。
まじめなオペラを見て「こんなのが4時間も続くわけ!?」と大笑いしてみたり。
おじさんも、そんな彼を見ながら、教養や世間体のような色々な装飾を
はぎ取ったところに、人が、人間らしく生きる道があることを発見したりする。
とはいえ、「装飾」も生きる術として時には必要なエッセンスであることを
兄ちゃんに伝えてみたりもする。
けれどふたりの関係は、お互いが無防備なところから始まっているだけに
対等で、何の偏見もなく、かつ押し付けがましさもない。
少しオーバーに描き気味ではあるだろうけど、
人間同士の関係は、それが障がい者やスラム出身といった
偏見を持たれてしまいがちな人とであっても、
こうあるべきなんだと思わせる。
兄ちゃんの俳優がまたカッコいいんだこれが。
デンゼル・ワシントンを超えるセクシーさよ。
おじさんもいい。兄ちゃんの優しさに触れて、
泣き笑いの顔をする場面があるのだけれど、ここだけは泣けました。
観賞後、「本当に見て良かった!!」と、心から思える1本。
ここ数年で見た映画の、ナンバー1間違いなし。