いま大阪では
大阪いらっしゃいキャンペーン
というのをやってまして
それを利用して大阪のホテルなどを利用すると
クーポンがもらえるんです。
実はそのクーポンは繁昌亭でも使えるんですが・・・
ちょうど昨日繁昌亭夜席で、ワタクシ咲之輔と林家染吉さんの二人会がありまして、開場前に受付の準備をしていると、とあるご夫婦が僕のところに来まして
「あの、今夜ここで落語を観たいんだけど、大阪いらっしゃいのいクーポン使えますか?」
と尋ねられたんです。
通常、繁昌亭の夜席は、当日の受付に限っては各主催者がチケットやお金の管理をするんです。
なので、本来ならば僕が対応せねばならないんですが、このクーポンは繁昌亭事務所のシステムを通さないといけないのです。
なので、その旨を説明して繁昌亭の窓口へお客様をお連れ致しました。
クーポンはQRコードを読み取ったりと時間がかかったので、しばらく受付の前でそのご夫婦とお話ししました。
なんでも、新潟から「大阪いらっしゃいキャンペーン」を使って大阪に来て、せっかくだから、今まで一度も生で観たことがない落語を聞いていこうという話になったそうです。
新潟はいま寒くて雪が大変だったけど、大阪は天気も良くて暖かくてすごく良い旅行になった。
などという話もしました。
ただ、このとき僕は私服だったので、このお客様は今夜僕が、その落語会に出演する噺家だとは一切認識しておられず、親切なお兄ちゃんやと思ってらしたと思います
なので、あとで高座に上がってビックリさせてやろうと目論んでいました。
そしてそのあと、落語会が始まって僕が高座に上がると、そのご夫婦が目の前に座ってらっしゃいました。
ただ、反応がイマイチ
着物を着て雰囲気の違う僕に気付いてなさそうなんです
なので、マクラで
「今日は新潟からお客様がいらっしゃいました
さっき受付したの僕なんですけど
そのお客様に
僕が噺家だとまだ気づかれてないようです。」
と言ったら、そのご夫婦が
あーーー!!!って表情で
めちゃくちゃ拍手をくださりました。
良かった気付いてもらえた
そしてその後は、そのご夫婦メチャクチャよく笑ってくださる
僕の話にうんうんうなづいて、手を叩いて喜んでくださる
おかげで落語がやりやすいのなんのって
マクラでいじってしまい、ちょっと申し訳ないなーと思いましたが
でも、これでご夫婦が落語を好きになって
また繁昌亭に来てもらえたら嬉しいなと
そう思いました。
米朝師匠は生前よく
落語は一期一会の芸
とおっしゃられてましたが
本当に昨日はその一期一会を
体感した1日でした。