オンラインお酒の会&ヴァーチャル蔵見学実施方法
コロナ禍の現在、多くの酒蔵が苦境に立たされています。
飲食店、酒蔵、酒販店の皆さん!少しでもお酒の消費量を増やして酒蔵を支援するためにオンラインお酒の会&ヴァーチャル蔵見学をやってみてはいかがでしょう?
思っているよりも簡単にできます。
先週の日曜日、日本酒BARあさくらでは滋賀県の「一博」醸造元の中澤酒造さんとタッグを組んで、オンライン一博ナイト&ヴァーチャル蔵見学を開催したのですが、参加者の皆さまには非常に好評でした。
酒蔵はお酒を売って利益になり、うちの店も少しばかりですが利益を確保し、お客様にも喜んでいただけて、関わったすべての人がハッピーになった良い企画だったと思います。
以下に、開催方法のあらまし、流れ等を書いていきますので参考にして開催してください。
そして、これを多くの人にシェア・拡散して少しでもお酒の消費につなげてください。
日本酒だけでなくクラフトビール、焼酎、ワイン等にも応用できると思うのでその辺の知り合いがいる方はそっち方面にもぜひ広めてください。
コロナ禍で日本酒に限らず多くの造り手に影響が出ています。
悲しいことですが、このままだといくつかの造り手は閉業することになると思います。
既に2020年度の酒造りは諦めて在庫を売ることに専念することを決めた蔵もあります。
酒蔵はまだ資産があるところも多いですが、新興のクラフトビールブルワリーなんかは若く、経営体力も十分でないところも多く、状況次第ではかなりの数のブルワリーが閉業するのではないかとも言われています。
少しでもそうした造り手の助けになればと思い、今回のようなイベントを企画しました。
そして、自分の店だけでやるよりは同じことをなるべく多くの全国各地のお店がやってくれれば、その会だけでも消費につながるし、新たなファンを獲得してその造り手の商品を日常的に買ってもらえるようになれば、地道ではありますが更なる助けになるのではないかと思います。
賢い人なら、今回のようなフォーマットをうまくまとめてマネタイズするのでしょうが、どうも私にはそっち方面の能力は欠落してしまっているようで、思い付きはしても広めたりするのはニガテなので、だれかがスプレッダーかインフルエンサーになってくれて大きなうねりを起こしてくれればと願います。
今回のような試みは造り手、飲食店、酒販店にとってそれぞれ益するところがあり、そして消費者の方にも喜んでもらえる仕組みになっていると思います。
コロナ禍の中で生まれた企画ではありますが、アフターコロナでもこれはひとつのコンテンツとしてアリだと思います。
遠くてなかなか訪れることができない造り手をこうしてヴァーチャルで訪ねることができて交流もできる。
関わる全ての人がハッピーになる、そんな企画ではないでしょうか。
少しでも多くの造り手、飲食店、酒販店が生き残ることができるように、どうかシェア・拡散して広めていってください。
では、以下に箇条書きで書いていきます。
1.zoomまたはオンラインミーティングツールで開催.
2.酒蔵と会の日取りと段取りをする(〆切を開催日の一週間程度前に設定して参加者にお酒を送る)
3.参加者にお酒を配送(酒蔵から直接または酒販店から)
4.zoomのミーティングをスケジュールして当日または前日に参加者にアクセスリンクをお伝えする
5.時刻になったらスタート。まず、乾杯!!
6.造り手が自己紹介&酒蔵の紹介をしてもらう
7.事前に参加者の皆さんの元にお届けしたお酒を解説
8.参加者が20名以下の場合は参加者の皆さんにも自己紹介してもらうとその後のフリートークが盛り上がります
9.スマホ(またはタブレット)を持って酒蔵に移動し、ヴァーチャル蔵見学
10.戻ってきたらフリートーク
まあ、こんな流れでしょうか。
順番というかあらましというか大まかにはこんな感じですが、以下に詳細を書いていきます。
まず、大前提として使うツールの問題です。
あさくらがいくつか使ってみた感想としてはzoomが一番スムーズでした。
ほかにも使い勝手がいいものがあれば、それでもいいかもしれませんが、zoomはかなり使いやすいと思います。
使ったことがないという人は誰かと練習してみてください。
スマホ、タブレットでもいいですが、ベストはパソコンを含めた複数アクセス。
パソコンだと表示人数に制限はありませんが(数百とかは知らないけど)、スマホ、タブレットだと一度に表示できる人数が4人までなので全体の把握が難しいです。
造り手で使ったことがないという人が結構いるので、事前に打ち合わせ兼ねてzoomでのミーティング&ネット環境の確認も必須です。
造り手とはその辺の段取りを決め、どのお酒を送るかも一緒に検討しましょう。
あさくらが一博ナイトを行った時は4合瓶で3本を参加者の皆さまにお送りしました。
普段から呑む人だと、これでまあ妥当な量ではありますが、家でそこまでは呑まない一人暮らしの方だとちょっと多いかなという意見もありました。
なので、可能であれば300ml瓶でもいいかもしれません(1合瓶だと少なすぎでしょうね)。
お酒の発送に要する日数も含めて申し込み締め切り日は考えましょう。
住所の確認等がうまくいかないことも考慮に入れて、4~7日前に設定するのがいいかと思います。
お酒の配送は、酒蔵、酒販店が主催の場合は問題ありませんが、飲食店の場合、臨時の酒販免許では通信販売はできませんから、酒蔵から送ってもらうか酒屋さんから送ってもらうかしましょう。
蔵から送ってもらって、伝票を酒屋さんに回すというのも手です。
発送の際、蔵の方には全国で取引のある酒屋さんのリストも同封してもらいましょう。
ファンになってくれた方々が近くで買いたいけど、どこで買ったらいいの?という時のためです。
ここでひとつ、決済はどうしようかという問題が出てきます。
あさくらが取った手段は参加連絡をくれた方に口座番号を教えて振り込んでもらうというやり方です。
ECサイト等を運営している方でしたら、そちらでカード決済という手もあるでしょうし、noteで数量限定して購入してもらうという手もあります(手数料は結構大きいですが)。
ほかにも手段があるかもしれませんが、一番手軽で簡単なのはやはり口座振り込みかなという気がします。
今はネットバンクで参加者の方も割と簡単に振込もできますしね。
いずれにせよ、決済手段は使いやすいものを選んでください。
そうして、お酒の配送手配も終わったら、zoomでのミーティングをスケジュールしてアクセスリンクを参加者にお知らせしましょう。
タイミング的に当日だとバタバタするし、前すぎると忘れられてしまうかもなので、前日か2日前くらいがいいです。
当日、開始時間の少し前に主催者と造り手はアクセスしておきましょう。
参加者に事前入室を許可するか待機室で待ってもらうかは各自の判断で。
主催者は参加者をミュートにしたりすることも可能ですが、最初はミュート解除にしておいて乾杯からスタートしましょう。
続いて、主催者の自己紹介、酒蔵の方の自己紹介&蔵の歴史も含めた紹介をしてもらいます。
紹介の後は皆さんのお手元にあるお酒を解説し、感想などを聞いてみましょう。
参加者が20名以下の場合、参加者の皆さんにも自己紹介をしてもらうとその後のフリートークがより盛り上がると思います。
フリートークをありにするか、ほぼ一方的に解説していくかで運営の仕方は変わってきます。
個人的には顔が見える人数で開催して参加者の皆さんに観客ではなく自分もその場にいる雰囲気を味わってもらいたいので、20人までがいいかとは思いますが、参加人数が多ければその分お酒も売れてより大きな支援になるので、それもありだと思います。
お酒の紹介、自己紹介が終わったら、PCからスマホ(タブレット)に切り替えて酒蔵に移動してヴァーチャル蔵見学スタートです。
この時、主催者権限で造り手と自分以外はミュートにしておいた方がいいかもしれません。
質問や感想はチャットで行ってもらいましょう。
基本的には造り手が建物や施設を映しつつ、造り方等を説明していく形で主催者は合いの手を入れたり、ツッコミを入れたり(笑)
司会をしながら、皆が疑問に思いそうなことを造り手にきいてみつつ、皆さんからのチャットの質問や感想にも目を配って伝えなければならないので、主催者はけっこう大変です(; ・`д・´)
このヴァーチャル蔵見学は非常に好評でした。
普通なら入れないエリアにも造り手だから入ってもらえるし、通常の蔵見学と違って、ばらけちゃったり声が遠くて届かなかったりということがないし、施設等のずいぶん間近まで迫ってみることができるので、いろいろな蔵に行ったことがある人からもこれは今までにない蔵見学で新鮮だったという声を複数いただきました。
そして、ヴァーチャル蔵見学から戻ってきたらミュートを解除してフリートークタイム。
これは、まあ解説はいらないでしょう。
今、何人かの造り手がインスタライブとかやってますが、よっぽど思い入れがあるか内輪でない限り、トークの達人でもない一般人の話をただただ聴いてるのって普通の人にとってはそんなにおもしろくないんですよ(口が悪くて申し訳ないですが、事実なのです)。
それより、ちゃんと会話ができるというのはとても大きいです。
ここで主催者はなるべく前に出ず、そして全体に目を配って、特定の人だけが話をして独壇場にならないように違う人にも話をふったりして、全体のバランスをとるよう心がけてください。
この点は普通のお酒の会だと、物理的に座ったポジションというのがあるのでコントロールしにくいのですが、オンラインだと調整しやすいし、全体も見渡しやすいです。
で、時間になったら閉会です。
最後にまた造り手に挨拶をしてもらい、主催者は参加者にお近くで買えるところがあれば買って応援してあげてほしい旨を伝えて閉会しましょう。
とまあ、だいたいこんな感じです。
そんなに難しいことはないと思いますし、自分がやってみて気になった点も書いておいたので、これでスムーズに運営できると思います。
ジョジョに宣言が解除され、少しずつ人の流れが生まれつつあるとはいうものの、元通りになるまでにはいったいどれくらいの時間を必要とするのか想像もつかないというのが現実です。
造り手も飲食店も酒販店も厳しい状況で、少しでも下支えをしたいと思っている消費者の方も多数いらっしゃいます。
でも、純粋な善意だけでは、一回くらいはできるし参加してみようと思うかもしれませんが、あとが続きません。
やっぱり、楽しくないと、あるいは利益が出ないと続けていくことは難しいです。
今回の試みは、皆が楽しめて利益にもなって、かつ開催のハードルもそれほど高くないので継続していくことも可能だと思います。
応用バージョンとして、蔵の近くの名産の酒の肴や飲食店なら保存のきく送付可能な料理をオプションとしてつけて、お酒と料理とを一緒に楽しんでもらうということも可能です。
あるいは、料理屋さんなら簡単にできるレシピを同封して、当日できた皆さんの料理の出来栄えを見せ合いながら、なんてことをしても楽しいと思います。
冒頭でも述べましたが、日本酒だけでなくクラフトビール、焼酎、ワイン、あるいは他の生産物でも可能な企画だと思います。
いろいろとアレンジもしやすいと思いますので、少しでも多くの造り手、店舗が生き残っていけるよう広めていってください。
えっ!?
一銭の得にもならないのに、なんでこんな方法公開するのかって?
フフフ( *´艸`)
私は自分の得にならないことをするようなお人よしじゃありませんよ(ΦωΦ)フフフ…
アフターコロナを楽しく過ごすために、皆さんには生き残ってもらわないと困るのです(^O^)