■日本酒と料理の相性を愉しむ…■ -8ページ目

■日本酒と料理の相性を愉しむ…■

●季節ごとの日本酒とお酒のアテとの相性を愉しむ【お酒の歳時記】です… ●

【瑞冠 山廃仕込 純米吟醸生原酒

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 山岡酒造(広島県,甲奴郡,甲奴町西野)

特定名称ほか 山廃仕込 純米吟醸生原酒

原料米 甲奴郡産「亀の尾」(精米歩合 60%) 

酸度 1.7 アミノ酸度 1.2

日本酒度 +11! アルコール度 18.4%

酒造年度 H21BY

【亀の尾スペシャリスト】の酒

 2月も中旬を過ぎて、都心では日中になって陽が差すと、暖かさを感じられるような日も出てきました。

 また週明けには、中国から3年ぶりにジャイアントパンダ2頭が上野動物園に到着することとなっていて、巷の話題となっております。

 さて、そんな今週末に呑んだのがコレ、

 【瑞冠 山廃仕込 純米吟醸生原酒】です。

 これは、広島県の中程,中国山地に程近い標高350mの町「甲奴(こうぬ)」にある山岡酒造が、蔵周辺で減農薬栽培された幻の酒米「亀の尾」を山廃仕込みで醸し、そして丁寧に袋吊りで搾って斗瓶採りした純米吟醸の生原酒です。
 ちなみに、ラベルに表示されている「斗瓶採り3番」とは、1番斗瓶,2番斗瓶に続く3番目の斗瓶のお酒という意味で、いわば「中汲み」に近い部分のお酒だそうです。


 香りは、「熟したバナナ」のような果実の香りや、「羊羹」を想わせる和菓子の香りがあり、「やや甘く華やかで、嫌味の無い心地良い香り」が感じられます。

 口当りは強めで、日本酒度+11の大辛口な味わいでありながら、自然な甘味と骨格のしっかりとした酸,そして舌に浸み込むようなボリューム感のある旨味によって、全体の味のバランスがうまく保たれています。

 余韻は短くシャープな酸がスパっと切ってくれて、最後はドライに締まります。

 「野性味を感じさせるような飲み口で、辛口でありながら旨味やコクもしっかりとある」とてもユニークな味わいのお酒でした。


 「食中酒」として幅広く様々な料理と合いそうなお酒なので、今回はあまり深く考えずに中華の冷菜と温菜を選んでみました,まず冷菜は、
■【利き酒師世界一】のひとり言■
【蒸し鶏とクラゲと胡瓜の冷菜です。

 これは、クラゲのコリコリ感,胡瓜のパリパリ感,そして柔かい蒸し鶏と、様々な食感が楽しめるサッパリした味わいの冷菜で、塩ダレのほのかな塩味と酸味が食欲を刺激してくれます。

 「瑞冠」を合わせてみると、このお酒の辛口のテイストと冷菜のあっさり感が、どちらも互いの邪魔をすることなくそれぞれそのまま持続してゆきます。

 逆にやや両者の絡みが物足りない感もありますが、このお酒に合わせる「前菜」として考えると、こんな組合せがあっても良いでしょう。


■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いて温菜は、

 【豚肉と茄子の四川風炒め】です。
 これは、豚肉と一度素揚げにした茄子を、豆板醤入りのタレで炒めてトロミを付けたもので、白いご飯が欲しくなってくるようなピリ辛味の中華惣菜です。

 ご飯の代わりに「瑞冠」を流し込むと、このお酒のコクと旨味を伴なった辛口の味わいと、豆板醤のピリピリとした辛味という全く別のタイプの辛さが、舌の上で不思議なマッチングを見せてくれます

 日本酒度+10を超えるような大辛口タイプの日本酒と、豆板醤を使った四川風の中華料理とは、なかなか面白い組合せパターンであるなと感じました。


 ちなみに、この蔵元の山岡社長は「亀の尾協会」の会長を務めていて、社長自ら先頭に立って低農薬栽培による「亀の尾」作りを行っているそうです。

 つまり今回呑んだ「瑞冠」は、「亀の尾」作りのスペシャリストが、自らの手で育てた「亀の尾」を使って醸したお酒というわけで、そういった意味では幻の酒米と呼ばれる「亀の尾」の個性が、最大限に引き出されたお酒だと言うことができますね…。

【笑四季 アンタイド 純米無濾過生原酒】

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 笑四季酒造(滋賀県,甲賀市,水口町)

特定名称ほか 純米 無濾過生原酒

原料米 滋賀県信楽町産「山田錦」(精米歩合 70%) 

酸度 2.35 アミノ酸度 1.2

日本酒度 +2.5 アルコール度 17.3%

酒造年度 H22BY

辛口白ワイン?!【アンタイド】

 2月の3連休初日となった「建国記念日」は、発達した低気圧の影響によって日本列島の広い範囲で雪となり、東京23区内でも断続的に雪が降り続ける1日となりました。

 そんな雪降る夜に選んだ1本がコレ

 【笑四季 アンタイド 純米無濾過生原酒】です。

 これは滋賀県の笑四季(えみしき)酒造が、信楽町産の「山田錦」と新型の多酸生成酵母「笑四季30号」を使って醸した純米の無濾過生原酒で、「UNTIED(アンタイド)」という名前には、「ネクタイをしないカジュアルなスタイルで」という意味と共に、「既存の価値観に縛られないお酒」という蔵元の気持ちが込められているそうです。

 なお、ラベルに大きく記されている「10_12_15」という数字は、10年の12月15日に搾ったお酒であるということを示しています。


 香りは、「紅玉りんご」を想わせる爽やかな酸を持った果実の香りや、「スペアミントのタブレット」のような甘味を伴なった香草の香りがあり、「やや華やかで甘酸っぱい香りの中に、柔和な印象も隠れているような香り」が感じられます

 口に含むと、まずは「りんご」をかじった時のような爽やかでシャープな酸が強く主張しますが、それをスッキリとした甘味としなやかな旨味が程好くフォローしてゆきます

 余韻には苦味も感じられ、それが舌の上に残る酸の刺激と共に、後口にドライな印象を与えています。
 コクやボリューム感は程良くあり、
「まるで辛口の白ワインを想わせる、爽やかなでキレのある酸とドライな後口が印象的な味わい」のお酒でした。


 このお酒の個性は、フランスのロワール産の白ワイン「ミュスカデ」に似ていると感じたので、今回はその辺を意識しながら料理を選んでみました。
■【利き酒師世界一】のひとり言■  まずは
【アオリイカのお造りです。

 「アオリイカ」は活きている時は水の様に澄んでいて、別名「水イカ」とも呼ばれています。

 敢えてわさび醤油ではなく「焼き塩」に付けて食べてみましてが、厚みがあるのに柔かく食感はねっとりとしていて、噛み締める程にイカの甘味が滲み出てきます

 合わせてみると、「アンタイド」の爽やかな酸がイカの甘味をうまく引き立て、その一方でこのお酒の特徴であるドライな後口もちゃんと残ってくれます。

 「アオリイカ」と「笑四季」が、互いの味わいの個性を尊重し合っているような、とても「礼儀正しい」印象の組合せでした。

 
■【利き酒師世界一】のひとり言■ 次は【太刀魚のオーブン焼き】です。
 「ミュスカデ」には「白身魚のグリエ」を合わせることが多いので「太刀魚」を選んだのですが、今回はグリエではなくシンプルに塩を振ってスチームオーブンで焼き上げてみました。

 とても淡白な味わいなので、思わず「レモン」を絞って食べたくなりますが、その代わりにお酒を合わせてみると、「アンタイド」のシャープな酸が「レモン効果」となって、「太刀魚」の淡白な味に程好いアクセントを与えて行きます。

 こちらはお酒が料理をより一層美味しくしてくれるような組合せで、この他に「真鯛の塩焼き」etc.にも良く合うのではないかと思われました。


 それにしても、こんな「辛口の白ワイン」のような香味を持つ、日本酒の既成概念に捉われない「ノーネクタイなお酒」を醸す笑四季酒造という蔵元

 この蔵元が出すお酒には、今後もしばらく注目してゆきたいと考えています。

【楯野川 純米大吟醸 濁流にごり

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 楯野川酒造(山形県,酒田市,山楯字清水田)

特定名称ほか 純米大吟醸 にごり酒

原料米 兵庫県産「山田錦」(精米歩合 50%) 

酸度 1.5 アミノ酸度 1.0

日本酒度 +3 アルコール度 16-17%

酒造年度 H22BY

不思議な感覚の【濁流にごり】

 「立春」を過ぎて沖縄からは早くも桜の開花のニュースが伝わってきていますが、東京では「春の始まり」とは名ばかりで、まだまだ寒い日が続いています。

 さて、今週WEBサイト上のSAKE SHOPをチェックしていて、面白そうなお酒を見つけたので、取り寄せて週末に呑んでみることとしました。

 その名も【楯野川 純米大吟醸 濁流にごり】です。

 蔵元である山形の楯野川酒造は、今酒造年度の造りから何と全てのお酒を「純米大吟醸」とする大改革を行っており、このお酒も兵庫県産の山田錦を50%まで贅沢に磨いた、「純米大吟醸スペックのにごり酒」となっています。

 最近良く見られる「穴開き栓」が使われているので、開栓時に吹きこぼれることはないのですが、「濁流」と言うネーミングの通り、瓶の7割近くまで「滓」が入っていて酵母にまだ活性がある為、栓を開けると勢い良く炭酸ガスの泡が上昇して滓が舞い上がり、全体が濃い乳白色になってゆきます。

 香りは、「ヨーグルト」のような醗酵した乳製品の香りや、「紅梅」を想わせる花の微香があり、「ミルキーで爽やかな酸を感じさせる香り」といった印象です

 口に含むと、控えめな甘味とフレッシュかつシャープな酸,そしてきめ細かな旨味が炭酸ガスの刺激と共に広がってゆきます。

 後口にはハッキリとした苦味があり、舌がピリピリする程の炭酸ガスと共に、余韻に爽快なドライ感をもたらしています。
 コクやボリューム感はしっかりとあり、
「躍動感のある飲み口で、クリーミーな舌ざわりと炭酸ガスの刺激が心地良いドライな後口」のお酒で、見た目のイメージとのギャップがある「不思議な感覚」のにごり酒でした。


 今回はこのお酒のシャープな酸と余韻の苦味とを意識して、甘酢を使った料理を選んでみました。
■【利き酒師世界一】のひとり言■  まずは
【赤かぶらの甘酢漬けです。

 これは飛騨産の赤かぶら合わせ甘酢」で漬けた物で、シャクシャクとした歯応えとサッパリとした味わいが楽しめます。

 「濁流にごり」と合わせてみると、予想通り「合わせ甘酢」がこのお酒の余韻の苦味をうまくマスキングしてくれて、そして甘味と酸が同調する部分のみを残していってくれます。

 実はこのタイプの「後口に苦味のある発泡にごり酒」は、どうしても苦味が邪魔をして料理との相性が結構難しいのですが、 この組合せはまずまず無難な相性と言って良いでしょう。


■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いては
【春ニシンのマリネ】です。
 これは北海道産の「春ニシン」と香味野菜を、ヴィネガーを使ったマリナードに漬け込んだもので、酸味を比較的まろやかに抑えているので、ニシン本来の味わいがうまく残っています

 合わせてみると、こちらもマリネの甘酸っぱさが「濁流にごり」の余韻の苦味を程好く隠し、その一方でこのお酒のシャープな酸と炭酸ガスの爽快な刺激が、「ニシンのマリネ」のサッパリ感を増幅させてゆきます。

 どちらかと言うと、お酒が料理の味の個性を引き立ててくれるような、そんな印象を受ける組合せでした。

 さて話は戻りますが、先ほども述べたようにこのタイプのお酒は後口に「ハッキリとした苦味」が残る為、相性がピッタリと合う料理を探すのがやや難しいなあと感じています。

 したがって、無理に食中酒として料理と合わせるよりも、食前酒として5℃位までしっかりと冷やして、お酒単体でグイグイ呑むのが最もオススメのスタイルなのかもしれませんね…。

【鍋島 純米吟醸生 隠し酒(裏鍋島) 

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 富久千代酒造(佐賀県,鹿島市,浜町)

特定名称ほか 純米吟醸 生酒

原料米 「山田錦」(精米歩合 50%) 

酸度 1.3 アミノ酸度 ?

日本酒度 +5 アルコール度 16.0%

酒造年度 H22BY

「はしり」+「せめ」の【裏酒】

 1月末は日本列島全体が強い寒波に覆われ、日本海側では各地で記録的な大雪となり、北海道の幌加内町では、最低気温が何と氷点下29.6℃まで下がったというニュースが伝わってきました。

 そんな凍てつく週末の夜に選んだ一本がコレ、

 【鍋島 純米吟醸生 隠し酒(裏鍋島)】です。

 これは佐賀の富久千代酒造が、山田錦を50%まで磨いた純米吟醸のモロミを搾る際に、酒袋に入れて重ねたモロミ自体の重さから自然に流れ出てくる「あらばしり」の部分と、最後に上から強い圧力をかけて搾り切った「攻め」の部分とをブレンドしたもので、いわば蔵人がこっそりと楽しむ「隠し酒」的な「裏商品」ということで、ラベルの「鍋島」の文字も裏返っています。

 香りは、「若いメロン」のような果実の香りや、「ユーカリオイル」を想わせる香草の香りがあり、「ほんのり華やかかつ上品で、爽やかさも感じさせる香り」といった印象です

 口当たりは割と強めで、優しく透明感のある甘味とシャープな酸,そして丸みとコクを帯びた旨味が、ほんのりとした吟醸香と共に口に広がってゆきます。
 味の余韻は比較的短くて、後口にはキレの良さが感じられ、
「喉越しスムースかつ滑らかな飲み口で、程好いコクとキレが同居したキレイな味わい」のお酒でした。


 合わせる料理は、このお酒のコクとキレのある酒質を意識しながら選んでみましたが、■【利き酒師世界一】のひとり言■
 まずは 【真鯛の柚子〆です。

 これは、皮目に熱湯をかけてから氷水で冷やし「皮霜造り」にした「真鯛」を、さらに柚子の果汁で〆たもので、敢えて醤油を付けずにそのまま食べてみましたが、真鯛の皮と身の間に詰まった旨味と、柚子の風味が調和してなかなかの美味です。

 合わせてみると、まずは柚子の香りとこのお酒のほんのりとした吟醸香がマッチし、さらに「裏鍋島」のコクのある旨味と真鯛の旨味とが絶妙にマッチしてゆきます。

 まさに「香りと味のダブルマッチ」が楽しめる、と言って良い組合せでした


■【利き酒師世界一】のひとり言■
 続いては【牡蠣の塩辛】です。
 これは、剥きたての新鮮な生牡蠣を、シンプルに塩だけで漬け込んだもので、杉の小樽に詰められています。

 食べてみると、まずは牡蠣独特の風味がとても強く感じられ、その後から強めの塩味が口に広がってお酒を誘います。

 すかさず「裏鍋島」を流し込むと、牡蠣の塩辛の濃い味わいがややマイルドに変化しますが、牡蠣自体のフレーバーは余韻にまでしっかりと残ってゆきます。

 組合せとしては決して悪くはないのですが、この「酒の肴」の強い個性が「裏鍋島」の個性を消してしまうような印象があり、この「牡蠣の塩辛」にはもっと濃醇なタイプのお酒の方が合うように思われました。


 話は変わりますが、この蔵元のある「肥前浜宿」には、今回呑んだ「鍋島」の富久千代酒造の他にも、江戸時代から続く白壁土蔵造りの酒蔵がたくさん立ち並んでいて、地元では「酒蔵通り」と呼ばれて観光スポットの一つとなっているそうです。

 機会があれば、是非一度訪ねてみたい場所ですね。

【竹林 純米吟醸生原酒 かろやか瀞 

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 丸本酒造(岡山県,浅口市,鴨方町本庄)

特定名称ほか 純米吟醸 無濾過生原酒

原料米 自社栽培「山田錦」(精米歩合 50%) 

酸度 1.5 アミノ酸度 ?

日本酒度 ±0 アルコール度 17.1%

酒造年度 H20BY

「農産酒蔵」が造る【熟成生酒】

 1月も既に下旬となりましたが、お店では赤坂界隈の会社の新年会がまだまだ続いていて、週末にはかなりの賑わいを見せてくれました。

 さて、そんな今週末に選んだ一本は、

 【竹林 純米吟醸 かろやか 瀞】です。

 これは原料米を蔵の周りの田んぼで栽培し、自ら「農産酒蔵」と称している岡山県の丸本酒造が、自家栽培の「山田錦」を贅沢に半分まで磨いて醸した純米吟醸酒で、モロミを搾ってから敢えて少し「滓(おり)」を絡め、その後は火入れや加水を一切行わずに、マイナス5度の状態で1年間寝かせてから出荷した「熟成タイプの生酒」です。

 香りは、「完熟した白桃」のような果実の香りや、「ラベンダー」を想わせるハーブの香りがあり、「熟れた果実のような、華やかで甘い吟醸香」が立ち上がってきます

 口当たりは強めで、ややとろりとした甘味と輪郭がハッキリとした酸,そして豊かで深みのある旨味が熟成によって調和していて、その一方で1年熟成後とは思えない程、「生酒」特有のジューシー感もまだちゃんと残っています。
 余韻には吟醸フレーバーと共に、やや刺激のある酸と心地よい甘味&旨味が感じられ、コクやボリューム感もしっかりとあり、
「芳醇な果実味とお米の深い旨味を併せ持った、呑み応えのある味わい」「熟成生酒」でした。


 今回はチョット趣向を変えて、塩味の強いチーズを2種類選んでみました。
■【利き酒師世界一】のひとり言■ まず1種類目は
 【ペコリーノ・ロマーノです。

 これはイタリア最古の羊乳製のハードタイプチーズで、一般的には削ってパスタetc.の調味料として使われています。

 小さな固まりに砕いてかじってみると、ほのかな旨味もあるもののかなり強い塩味で、そのままではしょっぱ過ぎて食べ続けられない程です。

 そこに「竹林」を合わせてみると、塩味が見事に和らいで全く別の旨味が口の中に現れてきます。

 お酒とチーズ双方の元々の特徴は消えてしまうのに、その代わりに別の美味しさが生まれてくるという、とても不思議な感覚のマリアージュでした。


■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いて2種類目は 【ブルー・デ・コース】です。
 これは、「ロックフォール(羊乳製)「牛乳版」と呼ばれているフランス産のブルーチーズ
、青カビのピリピリとした刺激は「ロックフォール」より大人しいものの、濃厚な旨味と強い塩味のレベルは「ロックフォール」に負けない位あります

 お酒と合わせてみると、「竹林」の持つ芳醇な甘味や果実味と、「ブルー・デ・コース」の青カビの刺激を伴なった強い塩味や濃厚な旨味etc.の味わいの各要素が、お互いに複雑に絡まり合いながら口の中で一つのハーモニーを形作ってゆきます。

 事前に予想はしていたものの、申し分のない完璧なマリアージュで、お酒がグイグイと進んでしまうチョット危険な組合せでした。


 ちなみに今回呑んだ「竹林」の蔵元の丸本酒造では、田植え~収穫までの間に稲を黄色く枯れさせる作業を3回繰り返し、それによって稲自体の生命力を高める「三黄造り」という農法で、自社栽培の「山田錦」を造っているそうです。

そこまで手間暇かけたお米を使っていることを知ってから呑むと、この「竹林 純米吟醸 瀞」の美味しさがひときわ増してくるような気がしますね…。

【米鶴 山廃純米 旨燗 

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 米鶴酒造(山形県,東置賜郡,高畠町)

特定名称ほか 山廃純米酒

原料米 山形県産「出羽燦々」(精米歩合 65%) 

酸度 1.5 アミノ酸度 1.2

日本酒度 +2 アルコール度 15.0%

酒造年度 H21BY

味噌漬けと良く合う【うまかん】

 1月中旬に入ってから連日真冬の厳しい冷え込みが続いており、東京でも朝晩の最低気温が0℃以下まで下がる日が多くなってきました。

 さすがにこれだけ寒くなると「冷や酒」という気分にはなれず、「お燗した酒」が呑みたくなってしまいますが、そんな「お燗」にピッタリの酒として今週末に選んだのが、

 【米鶴 山廃純米 旨燗】です。


 これは山形の米鶴酒造が、山形県が10年以上の歳月をかけて生んだ酒造好適米「出羽燦々」を100%使用し、「山廃仕込み」によって仕込んだ山廃純米酒で、「旨燗(うまかん)」というネーミングの通り、「ぬる燗」~「熱燗」まで、幅広い温度帯のお燗で呑むことを想定したスペックで醸されています。


 さっそく45℃の「上燗」にして呑んでみましたが、香りは、「バタークッキー」を想わせる乳製品を使った焼き菓子の香りや、「シダ」のような木質の香りがあり、「ほのかに甘く、ふくよかで丸く柔和な香り」といった印象です

 口当たりはソフトで、最初は輪郭のハッキリとした酸が明快に主張しますが、心地良い甘味や豊かでコクのある旨味とのバランスはちゃんと取れています
 後口は割としっかりとしていて、舌の上には酸の余韻が長く残り、
「柔かく丸い飲み口で、しっかりとした酸とお米の旨味が調和したホッとする味わい」のお酒でした。


 このお酒は和洋中の様々な料理と幅広く相性が良いと思われましたが、今回は素材を一度「味噌漬け」にした料理を試してみました。■【利き酒師世界一】のひとり言■
 まずは
 【銀だらの西京味噌漬けです。

 これは「西京味噌」を味醂で少し伸ばして「銀だら」を漬け込んだもので、今回はお酒と味噌の相性を見る為にあまり西京味噌を取り除きたくなかったので、出来るだけ焦げ付かないように「スチームオーブン」で焼き上げてみました

 クセのない「銀だら」の身に西京味噌がしっかりと浸みていて、やや塩分が濃いめの味わいで白いご飯が欲しくなります。

 ご飯の代わりにお燗にした「米鶴」を流し込むと、このお酒の柔らかさが焼けた西京味噌の味わいを丁度良くマイルドにし、そして両者が互いに仲良く寄り添ってゆきます。

 「西京味噌」と「山廃純米酒」とは、相性◎の組合せと言って良いでしょう。


■【利き酒師世界一】のひとり言■  次は【豚ロースの麹味噌漬け】です。
 これは長崎県雲仙産の「クリーンポーク」のリブロースの部分を、「米麹」入りの白味噌で漬けたもので、こちらもお酒との相性を見る為にあまり麹味噌を取り除かずに、その分味噌が焦げないように、フライパンで弱火でじっくりと焼きました。

 ほんのり甘く香ばしく焼けた麹味噌と豚ロースの脂身の部分の甘味が程よくマッチして、普通にソテーした豚ロースよりも味わいにグッと深みが増しています。

 お燗にした「米鶴」と合わせてみると、このお酒の優しい甘味と麹味噌の甘味が同調し、その一方で豚ロースの脂をお酒のしっかりした酸がうまく流してくれます。

 西京味噌に続き「麹味噌」と山廃純米酒も、なかなかの相性の良い組合せでした。
■【利き酒師世界一】のひとり言■
 話は全く変わりますが、山形県酒造組合では、「出羽燦々」を100%使用した精米歩合55%以下の「純米吟醸酒」で、なおかつ「山形酵母」と山形オリジナル麹菌の「オリーゼ山形」を使用したお酒を、厳しい審査基準を経た後に「純正山形酒」として認定し、その証として右のような「DEWA33」というラベルを貼って出荷しています。

 フランスワインの「AOC(原産地呼称統制)」に近い考え方ですが、日本酒の原産地呼称制度の確立に向けた活動に参加している私としては、非常に興味深い取り組みです。

【玉川 純米吟醸 生原酒 福袋 

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 木下酒造(京都府,京丹後市,久美浜長町)

特定名称ほか 純米吟醸 無濾過生原酒

原料米 「五百万石」(精米歩合 60%) 

酸度 1.6 アミノ酸度 ?

日本酒度 +3.5 アルコール度 17-18%

酒造年度 H22BY

【お楽しみ福袋】のお酒

 1月6日は暦の上では「小寒」でこの日から「寒の入り」となり、ここから2月4日の「立春」までが1年で最も寒さが厳しい時期となります。

 お店では4日から今年の営業が始まり、週末の土曜には赤坂の日枝神社に商売繁盛とお店の安全を祈願して参拝をして参りました。

 世間全体がまだ「お正月気分」から抜けきらない感じですが、そんな週末の夜に選んだ1本は、

 【玉川 純米吟醸 生原酒 福袋】です。

 これは、昨年の大晦日に呑んだ「玉川 山廃純米酒 やんわり」と同じ、京都の京丹後地区にある木下酒造が、地元の「五百万石」を使って醸した「しぼりたて新酒」で、「福袋」というネーミングは、「寒造り」の最初に出来る新酒は様々な自然の影響を受ける為、造り手にとっては開けてみなければわからない「お楽しみ福袋」のようなものだ,という意味から付けられています。

 香りは、「黄りんご」のようなほのかな果実の香りに、「炊き立てのご飯の湯気」を想わせるお米の香りが組合わさって、「ほんのりフルーティーで、穏やかかつ厚みのある香り」が感じられます

 口当たりは強めで、豊かな甘味としっかりと主張する酸,そして舌に浸み込むような旨味が組合わさって、全体としてのボリューム感をもたらしています。
 後口はしっかりとしていて味の余韻も長く、
「まだ荒々しさのある力強い飲み口で、充実したボリュームを感じさせる味わい」「しぼりたて新酒」でした。


 このお酒の強さに負けないような濃い味付けの料理ということで■【利き酒師世界一】のひとり言■
 まずは
【牛すじ大根です。

 これは3時間ほどかけて柔らかく煮込んだ「牛すじ肉」、「大根」を加えて醤油と砂糖と酒で煮詰めて、じっくりと味を浸み込ませたもので、それだけで食べていると味が濃過ぎる位のコッテリ系の甘辛味の料理です

 そこに「玉川 福袋」を流し込むと、お互いが「がっぷり四つ」に組むことによって、「牛すじ大根」のコテコテの味わいが程好くマイルドになり、逆にこのお酒の荒々しいイメージの部分も、この料理の味わいの濃さによってソフトな印象へと変化してゆきます。

 まさに「組合せの妙」とでも言いたくなるような、なかなか面白い相性の組合せでした。 

 ■【利き酒師世界一】のひとり言■ お次は、これまた濃いめの味を意識して選んだ、
【青椒肉絲(チンジャオロース)】
です。
 これはお馴染みの中華の炒め物ですが、細切りにした柔かい牛肉と、サクサクとした何とも言えない食感の肉厚のピーマン竹の子を、オイスターソースで仕上げた食欲をそそられる味付けで、思わず白いご飯が欲しくなってしまいます。

 ご飯の代わりに「玉川 福袋」を合わせてみると、このお酒と料理の味の濃さのレベルが丁度良くフィットして違和感なく融合し、お互いを引き立て合いながら両方の美味しさを持続させてゆくような、とても仲良しな相性の組合せでした。


 さて、この「玉川 純米吟醸 生原酒」は、おそらく全てがこの時期に出荷されるのではなく、一部は「火入れ」後にひと夏の間蔵元でじっくりと寝かされて、秋口になってから「ひやおろし」として出荷されるものと予想されます。

 その時には是非もう一度呑んでみたいものだと思っていますが、このお酒の味わいがどう変化するのかと共に、今回の「福袋」という名前が今度はどんなネーミングに変わって出てくるのかもチョット楽しみですね。

【若戎 純米吟醸 えべっさん祝酒 

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 若戎酒造(三重県,伊賀市,阿保)

特定名称ほか 生もと造り 純米吟醸酒

原料米 富山県産「五百万石」(精米歩合 53%) 

酸度 1.9 アミノ酸度 1.4

日本酒度 +2 アルコール度 16.0%

酒造年度 H22BY

商売繁盛【えべっさん祝酒】

 年末から年始にかけて、西日本や北日本では強い寒気の影響で記録的な大雪に見舞われましたが、東京では穏やかな天気のお正月を迎えることが出来ました。

 例年通り、新宿の花園神社への初詣も無事に済ませて、今年最初に呑んだ一本がコレ
 【若戎 純米吟醸 えべっさん祝酒】です。

 これは三重の若戎酒造が、もと(生もと)造りで醸した純米吟醸酒を二夏の間じっくりと熟成させたもので、関西では「えべっさん」と呼ばれている商売繁盛の神様の「恵比寿様」がニッコリと笑った、とてもおめでたいラベルが貼られた新春にピッタリの祝い酒です。

 香り
は、「甘栗」を想わせる穀物類の香りや「お汁粉」のような餅料理の香りがあり、「ほんのりと甘味を伴った、柔和で馥郁(ふくいく)とした香り」が感じられます

 口当たりは柔らかく、滑らかな甘味としっかりとした酸,そしてふくよかで豊かな旨味が、二夏の熟成によってまろやかに調和しています。
 後口は割としっかりしていてコクやボリューム感も十分にあり、
「まろやかな中にもメリハリのある酸が感じられる、コクと深みのある味わい」の旨酒でした。 


 このお酒は料理との相性が幅広いと思われましたが、お正月ということでチョッと贅沢をして、

 まずは■【利き酒師世界一】のひとり言■ 【くじらの尾の身の刺身です。

 これは「いわし鯨」の尾肉ですが、右の写真のように素晴らしい霜降り肉で、薄くスライスしてわさび醤油に付けて食べると、マグロの大トロのように口の中でとろけていって、そして余韻には何とも言えない濃厚な旨味が残り、食べながら思わずうなってしまう程の美味しさです。
 「若戎」と合わせてみると、「尾の身」の濃い旨味がこのお酒の酸を一層引き立てて、その酸が今度は「くじら肉の脂」を程好く流してくれて、口の中には旨味のエキスだけが残ります。

 これが淡麗辛口タイプのお酒だったら、完全に「尾の身」に負けてしまうところですが、「若戎」との組合せではバランスの取れた相性の良さを見せてくれました。

 
■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いての酒の肴も、お正月ということでやや奮発して、
 【あわびの煮貝】
です。
 「あわびの煮貝」山梨県の名物料理で、鮑を肝付きのまま醤油ベースの煮汁で煮浸しにして、しっかりと味を浸みこませたものです。

 薄く切ってそのまま何も付けずに食べてみると、まずは磯の香り,続いて醤油の風味が口に広がり、鮑の凝縮した旨味と煮汁の味がマッチして、これまた実に美味な料理です。

 深みのある味わいの「若戎」と、芳醇な味わいの「あわびの煮貝」は文句なしのドンピシャの相性で、また何とも言えないほろ苦さがある「あわびの肝」の部分と合わせても、一味違った珍味とお酒との相性を愉しむことができました。


 年の初めから、こんなおめでたくて旨い酒プチ贅沢な「酒の肴」とを満喫していると、今年はこれから一体どんなお酒達と出会えるのだろうかと、ワクワクした気分になってきてしまいます。

 さあ、今年もいろいろなお酒をいっぱい呑むぞ!(PS:もちろん仕事も頑張ります…)

【玉川 自然仕込 山廃純米酒 やんわり 

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 木下酒造(京都府,京丹後市,久美浜町)

特定名称ほか 山廃純米酒

原料米 「北錦」(精米歩合 66%) 

酸度 1.1 アミノ酸度 ?

日本酒度 +3 アルコール度 12.8%

酒造年度 H21BY

二年越しの【やんわり酒】

 29日で年内のお店の営業も終わり、翌30日は仲間うちでの忘年会,そして大晦日にはお正月休み中のつまみの買出しと自宅の大掃除を終えて、やっと新年を迎える準備が整いました。

 こうなると、後は二年越しのオールナイトで呑んだくれるだけですが、今年最期の一本に選んだのは、
 【玉川 自然仕込 山廃純米酒 やんわり】です。

 これは京都の木下酒造が、従来の「玉川」の濃く強い味わいのお酒とは対象的に、「毎日の晩酌用のお燗向けの酒」をコンセプトとして開発したもので、元々は濃厚な「山廃純米酒」を「割り水」することによって、アルコール度数を12.8%とかなり低い度数まで下げたお酒です


 香り
は控えめで、「栗の薄皮」のような木質の香りや、「春菊」を想わせる菜類の香りがあり、「穏やかで丸く、落ち着きのある素朴な香り」が感じられます

 まずは「冷や」で呑んでみましたが、口当たりは軽めで、穏やかで大人しい甘味と程好い酸,そしてふんわりとした旨味が、ひたすらソフトに調和しています。

 後口は柔かく、味の余韻はフワリと消えてゆくような印象で、「冷や」で呑んでいると、「コクやボリューム感が弱く、やや物足りない印象」があるのは否めませんでした。

 続いて45℃の「上燗」に仕上げて呑んでみましたが、今度は「柔かさはそのままで、酸の輪郭がややハッキリとしてきて全体のコクも増したお酒」へと変化してくれました

 こんな優しいお酒にまず合わせたのは、

■【利き酒師世界一】のひとり言■  
【手羽先と大根の煮物です。

 これは、鶏の手羽先と大根を使った家庭惣菜で、大晦日に部屋の掃除をする傍らで、自宅の台所で1時間ほどかけてコトコトと煮込んだものです。
 昆布だしと醤油とみりんの味が良く浸みた大根に、手羽先の脂とゼラチン質が絡んで、お酒が欲しくなってくる味わいです
 「玉川ふんわり」のお燗酒と合わせてみると、味わいは同調するのですが、残念ながらこのお酒の優し過ぎる味わいが、煮物の濃い目の味わいに負けて消えてしまいました


 意外にも料理を選ぶお酒のようなので、少し考えてから次に選んだのは、
■【利き酒師世界一】のひとり言■  【ほうれん草の白和え】です。
 これは、茹でたほうれん草と突きコンニャクと人参を、水切りしてすり潰した木綿豆腐擦りゴマなどで和えたもので、ほんのりとゴマの風味が効いたソフトな味わいの和惣菜です。

 お酒と合わせてみると、今度は「白和え」と「玉川ふんわり」の味の優しさのレベルが丁度良く、このお酒の持つ素朴なフレーバーも消されることなく持続してくれました。

 いずれにせよ、元のお酒がいかに「濃厚な山廃純米酒」であったとしても、それを「加水」のみによって13度以下に下げてしまうと、お酒の味わいまでが薄くなってしまい、シンプルで淡白な味わいの料理以外との相性が難しくなることを、改めて勉強させられた今回の一本のお酒でした。


 さて話は全く変わりますが、このお酒のラベルには、上の画像のように「温泉に入っているニホンザルの親子」の心温まるイラストが使われていて、そう言えばこの蔵元は初夏にも「アイスブレーカー」という名前のお酒で、「南極の氷の上にたたずむペンギンの親子」のユニークなイラストをラベルに使っていました。

 こんな風に日本酒のラベルも、CDのジャケット並みに楽しめる時代になって来たのかも知れませんね。

【雪の茅舎 本醸造 しぼりたて生酒

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 齋弥酒造店(秋田県,由利本荘市,石脇)

特定名称ほか 本醸造酒 しぼりたて生酒

原料米 秋田県産「酒こまち」(精米歩合 65%) 

酸度1.8 アミノ酸度 ?

日本酒度 +3 アルコール度 18.0%

酒造年度 H22BY

しぼりたての【ふなくち酒】

 12月23日の「天皇誕生日」の祝日は、クリスマス直前の買い物客で繁華街はごったがえしていて、いつも立ち寄るデパ地下のレジも大行列で、お酒のアテを買うのにも一苦労といった状況でした。

 そんな人ごみを避けて早々に家へと戻り、ほっと一息着いたところで今宵の一本に選んだのは、
 【雪の茅舎 本醸造 しぼりたて生酒】です。


 これは、「雪の茅舎」の名で知られる秋田の齋弥酒造店が、発酵させたモロミを昔ながらの「槽(ふね)」と呼ばれる絞り機で搾り、「槽口(ふなくち)」から溢れ出てきた新酒を「無濾過生原酒」のまま瓶詰めした「ふなくち酒」で、冬場の寒造りの期間のみ季節限定で出荷されるものです。


 香り
は、「シクラメン」を想わせる花の香りや、「かぶら」のような菜類の香りがあり、「ほんのり甘く華やかで、新鮮さを感じさせる香り」といった印象です

 口当たりはスムーズで、スッキリとした甘味と鮮やかな酸,そしてソフトな旨味が、滑らかに調和しています。

 後口にはキレがあり、余韻は短くスパッと切れてゆき「スッキリとしたシャープな喉越しで、程好いコクを伴ったキレイな味わい」のお酒でした。

 「しぼりたて」のお酒には新鮮なお造りということで、

■【利き酒師世界一】のひとり言■ まずは
【車海老のお造り】です。

 「車海老」という名前は、体を丸めた時に縞模様が車輪の様に見えることから付けられていて、小さなサイズのものは「サイマキ」と呼ばれています。
 今回購入したのは熊本産の「活け〆の車海老」でしたが、お造りで食べると身がプリプリとしていて独特の甘味があります。
 「雪の茅舎」と合わせてみると、このお酒のキレイな味わいが、車海老の甘味を下手から持ち上げてくれるようなイメージで、余韻にも海老の美味しさがしっかりと残ります。

 このタイプの「しぼりたて新酒」には、海老の他にも白身魚やイカetc.のお造りも良く合いそうだなと思われました。


■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いて「フレッシュ」なお酒にはフレッシュタイプのチーズということで、

 【サン・マルセラン・アフィネ】です。
 これは、フレッシュタイプでありながら熟成が可能なフランス産のチーズで、今回選んだのも少し熟成が進んだ「アフィネ」と呼ばれるタイプのものです。
■【利き酒師世界一】のひとり言■  中身はとても柔かくねっとりとしていて、シェーブルチーズに似たほのかな酸味を伴ったマイルドな味わいで、口の中でバターのように溶けてゆきます。
 お酒と合わせてみると、相性としては決して悪くないのですが、「サン・マルセラン」のコクのある味わいに、「雪の茅舎」のキレイな味わいがやや負けてしまいそうな印象も受けました。
 このタイプのお酒にフレッシュチーズを合わせる時は、もう少しプレーンな味わいのタイプのものを選んだ方が面白いかもしれません。

 さて、2週連続で今シーズンの新酒を呑んでみましたが、今年は夏の猛暑の影響で全国的にお米の出来が良くないという話もあり、新酒の出来栄えを少し心配していたのですが、優れた造り手達にとってはそんなことは全く影響がないようです。

 どうやら今シーズンも、何の心配もなく美味しいお酒がいろいろと愉しめそうですね。