■テロワール【333番地の酒】 | ■日本酒と料理の相性を愉しむ…■

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●季節ごとの日本酒とお酒のアテとの相性を愉しむ【お酒の歳時記】です… ●

【東洋美人 純米吟醸 333 

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 澄川酒造場(山口県,萩市)

特定名称 純米吟醸酒

原料米 萩市大字中小川333番地の「山田錦」

       (精米歩合50%)

酸度 1.5 アミノ酸度 ?

日本酒度 +5 アルコール度 15-16%

酒造年度 H21BY

テロワール【333番地の酒】

 今年のゴールデンウィークは、日本列島全体が高気圧に覆われて、東京でも気温が連日25℃近くまで上昇し、絶好の行楽日和となりました。

 そんな風薫る5月に最初に選んだお酒はコレ、
 【東洋美人 純米吟醸 333】です。

 これは「東洋美人」の蔵元の澄川氏が、地元の「333番地の田んぼの山田錦」を50%まで磨いて醸した大吟醸規格の純米吟醸酒で、フランスのブルゴーニュ地方のワインにおける「テロワール」(ワイン用語で「特定のブドウ畑の気候や土壌,さらに地形や風土etc.の複合的個性」という意味)を意識して造られている、「畑番地シリーズ」の第4弾です。


 香りは、「熟したパイナップル」のような果実の香りや、「洋梨のコンポートを想わせる甘いデザートの香りがあり、「完熟した果実のようなフルーティーかつ甘美な香りといった印象です。

 口当りはジューシーで、艶のある甘味と豊かな酸,そして優しい旨味が押し寄せてきますが、全体のバランスは見事に取れていて、余韻には心地良い甘味と酸の刺激が舌の上にやや長めに残ります。

 コクやボリューム感も十分にあり、「ジューシーかつ芳醇な飲み口で、お米で造ったとは思えない位に果実味たっぷりでスウィーティーな味わい」のお酒でした。


 まるで果実酒のような味わいこのお酒に、まず合わせてみたのは、

■【利き酒師世界一】のひとり言■  【ゴルゴンゾーラ・ドルチェ】です。

 「ゴルゴンゾーラ」はイタリア産のブルーチーズで、青かびが多くピリッとした刺激と強い塩味が特徴の「ピカンテ」と、青かびが少なくマイルドな味わいの「ドルチェ」の2つのタイプに分かれますが、今回は「333」のスウィーティーなフレーバーを意識して、「ドルチェ」の方を選んでみました。

 味わってみると、食感は非常にねっとりとしていて、甘味に感じられてしまう程の濃厚な旨味が口に広がります。

 「333」と合わせてみると、お互いの甘味と旨味が引き合うように溶け合って、実に見事な同調を見せてくれます。

 思わず「う~ん」と唸ってしまう程の完璧なマリアージュで、私の中での「チーズと日本酒の組合せ」の中では、ベスト3に入れても良いと思われます。 


■【利き酒師世界一】のひとり言■
 そしてもう一品は珍味系の

 【甘海老の塩辛】です。
 「333」のようなジューシーな味わいのタイプのお酒が、塩辛系の醗酵食品とも面白い相性を見せることは、過去の経験から何となく判っていたのですが、今回は「イカの塩辛」ではなく「甘海老の塩辛」をチョイスしてみました。 

 海老特有のプリプリとした食感があり、程よい塩味と唐辛子のピリ辛味に、甘海老自体の自然な甘味と旨味が加わって、やや奥深い味わいの珍味です。

 お酒と合わせてみると、塩辛味は「333」の甘味に包まれて消えますが、甘海老の甘味とお酒の甘味はどちらも別々の「甘味」として口の中で継続し、そして余韻には再び唐辛子のフレーバーが感じられます。

 こちらは、なかなか面白い「酒と珍味」の組合せでした。


 話は変わりますが、この「畑番地シリーズ」のお酒は毎回奇抜なラベルで登場しますが、今回も「333」「太陽がサンサン」を引っ掛けたと思われる、まるで絵本の表紙のようなラベルが貼られています。

 「全く新しい発想でこのシリーズのお酒を醸しているんだ」という、蔵元の澄川氏のメッセージをラベルから感じてしまうのは私だけでしょうか?!